絶版文庫書誌集成

文春文庫
【こ】


河野 多恵子 (こうのたえこ)
「小説の秘密をめぐる十二章」
(しょうせつのひみつをめぐるじゅうにしょう)


*カバー・斎藤深雪
 装画・「ゴールデン・リリー」(壁紙)
 デザイン ジョン・ヘンリー・ダール
 1899年 モリス商会
 (写真提供 株式会社ブレーントラスト)
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*304頁 / 発行 2005年

*カバー文
数々の名作、衝撃作を書き続ける著者が明かす小説執筆の秘密。「デビューの仕方」に始まり、「タイトルはポジティブに」「書きたいものを書くな」「散文は動詞が大切」など、極めて実践的な「創作心得」であるとともに、谷崎、芥川、吉行などの作品をまったく新しい視点から読み解いた目からウロコの文学論。

*目次
第一章 デビューについて
第二章 創作事始め一 文章の呼吸とは何か
第三章 創作事始め二 作品はどう育てるか
第四章 書きたいことを書く
第五章 才能をめぐって
第六章 創作の方法一 名前のつけ方
第七章 創作の方法二 標題のつけ方
第八章 創作の方法三 導入と終り方
第九章 小説の構造一 筋について
第十章 小説の構造二 一人称と三人称
第十一章 虚構および伏線
第十二章 文章力を身につけるには
 解説 未来への手紙 高橋源一郎


小西 四郎編 (こにししろう)
「目でみる日本史 維新の青春群像」
 (いしんのせいしゅんぐんぞう)
文春文庫ビジュアル版



*表紙・野原幸夫
 デザイン・中曽根孝善

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*278頁 / 発行 1986年

*カバー文
吉田松陰、坂本龍馬、高杉晋作、桂小五郎……幕末動乱期を駆け抜けた人物群像who’s who

*目次
明治維新を目でたどる ペリー来航から五稜郭まで … 小西四郎
「夜明け前」を生き、そして倒れた若者たち … 古川薫
「男のほれ合いっておかしなものですね」西郷隆盛と勝海舟 … 対談 海音寺潮五郎・勝部真長
変革をおしすすめた男たち
 実学の開国派・橋本左内 … 南條範夫
 異端の変革者・高杉晋作 … 邦光史郎
 天稟の奇略家・坂本龍馬 … 三好徹
 不運の一流・桂小五郎 … 松浦玲
旧体制を守りささえた男たち
 最後の専制者・井伊直弼 … 吉田常吉
 開明派の悲劇・小栗上野介 … 木村毅
 北越の麒麟児・河井継之助 … 尾崎秀樹
 悲運の朝敵・松平容保 … 早乙女貢
激動の時代、人間はどう生きるべきか 福沢諭吉の「痩我慢の説」をめぐって … 和歌森太郎
レンズのむこうに維新が見える 幕末写真事始め … 小沢健志
維新人物豆評伝 … 稲垣史生
 阿部正弘/幾松/板垣退助/江川太郎左衛門/おいね/大鳥圭介/大村益次郎/小笠原長行/男谷精一郎/和宮/久坂玄瑞/鞍馬天狗/西園寺公望/西郷頼母/シーボルト/佐久間象山/三条実美/清水次郎長/ジョン万次郎/新門辰五郎/武市半平太/千葉周作/徳川慶喜/長野主膳/土方歳三/藤田東湖/山内容堂
執筆者りすと


小林 信彦 (こばやしのぶひこ)
「黒澤明という時代」
(くろさわあきらというじだい)


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*303頁 / 発行 2012年
*カバー画像 写真・春内順一(1961年の黒澤明)/デザイン・大久保明子

*カバー文
〈世界のクロサワ〉の全作品を、戦時中からリアルタイムで見続けてきた著者が描く、名監督の栄光と挫折、喜びと苦悩。そこには、時代と格闘した映画作家としての黒澤明がいた ―― 。『姿三四郎』『生きる』『七人の侍』から晩年の作品まで、最もストイックでヴィヴィッドな視線を投げかける、小林信彦の黒澤論。

*目次
第一章 「姿三四郎」で戦時下に登場
第二章 「一番美しく」と「續姿三四郎」
第三章 民主主義って何だ? ―― 「虎の尾を踏む男達」と「わが青春に悔なし」
第四章 「素晴らしき日曜日」と無名の新人
第五章 「酔いどれ天使」 ―― 同時代性の衝撃
第六章 「静かなる決闘」と「野良犬」の陶酔
第七章 「醜聞(スキャンダル)」、「羅生門」と宮川一夫
第八章 幻の秀作「白痴」
第九章 余裕と話術の傑作「生きる」
第十章 「七人の侍」の明暗
第十一章 「生きものの記録」をどう観たか
第十二章 技巧の極致 ―― 「蜘蛛巣城」と「どん底」
第十三章 「隠し砦の三悪人」と「悪い奴ほどよく眠る」の狭間で
第十四章 「用心棒」と「椿三十郎」の微妙な点
第十五章 文句なしに面白い「天国と地獄」
第十六章 「赤ひげ」は〈集大成〉か?
第十七章 「どですかでん」までの悪路
第十八章 「デルス・ウザーラ」と幸運
第十九章 「影武者」と「乱」 ―― 三船のいない戦国絵巻
第二十章 三つの小品 ―― 「夢」「八月の狂詩曲(ラプソディー)」「まあだだよ」
最終章 テクニックと〈言いたいこと〉

自分の舌しか信用しない ―― あとがきに代えて
参考文献
 黒澤明全作品一覧
 解説 芝山幹郎


小林 信彦 (こばやしのぶひこ)
「名人 志ん生、そして志ん朝」
(めいじんしんしょうそしてしんちょう)


*カバー写真・金子桂三
 デザイン・大久保明子
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*237頁 / 発行 2007年

*カバー文
2001年10月1日、古今亭志ん朝急逝の報にふれて、エルヴィス・プレスリーの急死に匹敵する衝撃を受けた著者が、哀惜の念をこめて、志ん生と志ん朝、父子二代の落語家を論じる。それは同時に、現代の東京が失った言葉と街と人々へ捧げる、美しきオマージュであり、哀切きわまりないレクイエムとして、読む者に迫る。

*目次
第一章 古今亭志ん朝
 古今亭志ん朝の死
 志ん朝日和 (一九八一年〜二〇〇一年)
第二章 古今亭志ん生
 ある落語家の戦後
 志ん生幻想)
第三章 志ん生、そして志ん朝
 一、〈路地〉の消滅
 二、志ん生、大ブレイク
 三、志ん生、倒れる
 四、志ん朝、登場
 五、志ん朝のいる〈空間〉
 六、円熟期から〈粋〉の消滅へ
第四章 落語・言葉・漱石
 『落語鑑賞』と下町言葉
 夏目漱石と落語

 やや長めのあとがき
 文庫版のためのあとがき
 主なる参考文献
 解説 森卓也


小林 秀雄 (こばやしひでお)
「考えるヒント 4
ランボオ・中原中也」 (かんがえるひんと)


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*221頁 / 発行 1980年

*カバー文
文学史上の奇蹟と言われ、「途方もない歩行者」と評されるフランスの詩人アルチェール・ランボウ、日本の現代史を語る上で忘れ得ぬ抒情詩人・中原中也。この二人と関わり合いから生まれた、著者若き日の凛然たるエッセイに、ランボウ詩作品の訳業の一部を収めた魅力的編集の「考えるヒント」シリーズ第四弾。解説・高橋英夫

*目次
ランボウ
 ランボウ 1 / 2 / 3
  

中原中也
 中原中也の思い出
 中原中也の「骨」
 中原中也の「山羊の歌」
 死んだ中原 ― 詩 ―
 中原の遺稿
 中原中也
 中原の詩
  

付録・ランボウ詩抄
 1 韻文詩
 酩酊船
 渇の喜劇
 堪忍
 2 散文詩
 飾画
 地獄の季節
  

 解説……高橋英夫


駒田 信二 (こまだしんじ)
「艶笑いろはかるた」 (えんしょういろはかるた)


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*406頁
*発行 1986年
*カバー装画・鈴木春信/AD・高麗隆彦

*カバー文
“いろはかるた”の句はすべて教訓ではあるが、それらは決して押しつけられたものではなく、庶民たちが自ら選んだものである。古川柳や小咄、中国の笑話などを交えつつ、この永遠のロングセラーに好色のウンチクを傾け、各句の玄妙なる味わいに触れる風流かるたばなし。どこから読んでも楽しめる好読物のオリジナル文庫化。


五味川 純平 (ごみかわじゅんぺい)
「御前会議」 
(ごぜんかいぎ)


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*424頁
*発行 1984年
*カバー・安彦勝博

*カバー文
御前会議 ― 天皇の前で開かれるため最高の権威をもつ。が、その天皇は一切の責任の外にあった。昭和十六年、四回の御前会議の結果、日本は勝算なき太平洋戦争に突入した。この会議の経緯を詳細に辿り直し、改めて御前会議のもつ奇怪な本質を抉る迫真のドキュメント……著者は言う、“恐るべき驕慢と惰性が日本を破滅させた”と。


五味川 純平 (ごみかわじゅんぺい)
「『神話』の崩壊 ― 関東軍の野望と破綻」
 (しんわのほうかい)


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*276頁
*発行 1991年
*カバー・高麗隆彦

*カバー文
“無敵関東軍”という「神話」はいかにして作られたのか。そしてその精強無比なはずの軍団は、ソ連軍の侵攻の前になぜ居留民を見捨てて逃走したのか ― 満蒙の曠野に野望を抱き、満州事変をはじめとする様々な謀略に暗躍した関東軍。その実態と崩壊に至る過程をつぶさに描く、かつて一兵士として戦った著者による渾身の戦史。


五味川 純平 (ごみかわじゅんぺい)
「戦記小説集」
 (せんきしょうせつしゅう)


*カバー・永田力
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*284頁 / 発行 1993年

*カバー文
全滅した戦場に生き残って敗残兵となった瞬間から、私の長い“かえりなん、いざ”が始まった。しかし、それは壮絶な戦いと試練の百十一日だった ― 満蒙の曠野をさまよう兵士の悲憤と修羅を描く「戦記小説」六篇と「戦史断章」二篇を収録。長年にわたり、戦争と人間の真の姿を見つめ続けてきた著者会心の作品集。

*目次
T 戦記小説
 不帰の暦
 八月の雷雲
 罠
 虜囚の曠野
 予期せぬ結末
 帰去来〈カエリナンイザ〉
U 戦史断章
 玉砕
 惨劇 ― 霧社事件
 解説 佐高信