絶版文庫書誌集成

文春文庫
【に】


西沢 爽 (にしざわそう)
「雑学 艶歌の女たち」
 (ざつがくえんかのおんなたち)


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*373頁
*発行 1987年
*カバー・玉井ヒロテル

*カバー文
花井お梅、お蔦、お富さん、お染、唐人お吉、高橋お伝……明治以来はやり唄に芝居に講談に、歌われつづけ語りつがれて日本人の涙をしぼりくつした悲劇のヒロインたち。その虚像と実像を明確にし、あわせて明治大正歌謡史を綴る畢生の労作。正史、風俗史、芸能史をあわせて学べる、これぞ雑学の一大宝庫だ。

*目次
明治一代女
 花井お梅の峯吉殺し / 出世芸者・花井お梅 / 恋の葛藤・お梅と沢村源之助 / お梅狂乱 / お梅は有罪か無罪か / 人気スターなみの花井お梅 / 明治一代女の監獄生活 / お梅出獄・汁粉屋開業 / お梅に子供がいた / お梅、芝居で自演 / おちぶれたお梅 / 峯吉殺しの現場はどこか / 峯吉の墓とお梅の墓

お伝地獄の唄
 高橋お伝の人殺し / 明治のウーマン・リブ / お伝事件ベスト・セラーとなる / お伝罪状転々記 / お伝の生立ち / 丸裸でばくち / お伝流転 / 兎ブームの明治時代 / お伝に斬罪の判決おりる / 首斬り浅右衛門 / 人間の肝でつくった妙薬 / 右手(めて)に血刀 左手(ゆんで)に手綱 / お伝斬首の光景 / お伝の屍体解剖される / お伝陰部考 / お伝の陰部、展覧会で公開 / お伝の写真の謎 / お伝の情夫その後

天国に結ぶ恋
 悲恋心中 / 死へ駆りたてたものは何か / 「天国に結ぶ恋」異聞 / 盗まれた死美人 / 死美人、全裸で発見される / 猟奇事件の真相の真相 / 哀傷歌、一世を風靡する

湯島の白梅
 お鳶の死 / 名場面・湯島の白梅 / 泉鏡花の悲恋 / 『婦系図』はこうして書かれた / 青い瓦斯燈

お富さん
 今も昔も『お富さん』大ヒット / お富は本名か / お富芝居の珍聞 / いさやお富、久しぶりだなぁ / 真説・お富与三郎

野崎小唄
 『野崎小唄』のレコード / はじめたった二百枚 / 屋形舟は屋形舟ではない / 芝居に見るお染久松 / 元禄女の心意気 / お染久松 心中の真相 / 久松は楠正成の後裔

お駒恋姿
 城木屋お駒こと白子屋お熊 / 入婿を殺せ / お駒の引廻し / お駒ブームおこる / 江戸の女は強かった

お夏清十郎
 好色五人女のひとり / お夏清十郎のかけおち / 清十郎 死罪の真相 / 老いぼれたお夏

唐人お吉の唄
 ペリー来航・国情騒然 / ラシャメン事始 / お吉の生立ち / お吉とハリスは性的関係があったか / あやしいハリス日記 / ハリスと牛乳 / ヒュースケン殺さる / お吉の末路 / 岩亀楼喜遊は実在しない

 あとがき
 解説 紀田順一郎
 主なる人名・小略
 参考文献


西沢 爽 (にしざわそう)
「雑学女学」
 (ざつがくおんながく)


*カバー・玉井ヒロテル
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*248頁 / 発行 昭和1986年

*カバー文
求婚広告第一号は明治14年(石川新聞)、見合いの最高記録は29回(昭11、都新聞)、見合い写真の嚆矢は? ブランコは自慰具だった!? 三行り半の由来etc。性風俗、性習慣のウンチクはますます冴えて微苦笑から哄笑、爆笑へ。大好評「雑学シリーズ」は、第三弾でついにインテリY談の大学院コースに突入する。

*目次
ニイタカヤマ・ノボレ / ブランコは自慰具なり / 女は月経に支配され 男は月給に支配される / キン玉に 白髪が生えて 涙かな / マメをつぶされた女房 / 月経帯マン譚 / みんなナメてしまった / 月経塚の由来 / いつもお赤い / 万公御前 / 実在するオ○○○の泉 / 見合い写真 / メアウ頓目(とめ) / 見合いの記録 二十九回 / 出雲の神様は浮気の神様 / はまぐり手形 / 新婚さんのボーシ / 一剣 磨くべし
ナマコに骨があるか / 糞・小便奇譚 / 縁づけ手形 / 精神はキンタマに宿る / 縁切り寺マン談 / 鼠小僧は何人いたか / イクのの道 / インポの妙薬 / オンナの秘薬 / 江戸の大人のオモチャ / 珍ラブ・レター / 西沢爽ザンゲ録 / とかくオンナはこわいもの


西沢 爽 (にしざわそう)
「雑学 明治珍聞録」
 (ざつがくめいじちんぶんろく)


*カバー・玉井ヒロテル
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*277頁 / 発行 1987年

*カバー文
カーセックスの元祖伊藤博文、子供が150人もいたという松方正義、女性を進呈された井上馨など明治のおエラ方はそろいもそろって女好き。維新の偉業をなしとげた一方で女漁りにも精を出し、妾を何人もかこった彼らの珍談・奇談・裏話、さらに明治時代の性風俗にまつわるエピソード、粋な小咄、都々逸などを満載した雑学集大成。

*目次
●夜逃げの殿様
明治の失業武士ものがたり / 夜逃げした殿様 / 詐欺・人殺しの公家華族 / 徴兵身代り珍商売 / おばけを見た徳川の末裔 / 勝海舟の嗣子心中 / 掃除人夫になった大名 / 助平の親方 伊藤博文
●明治お妾列伝
列伝その一 大江卓 / 列伝その二 森鴎外 / 列伝その三 鳩山和夫 / 列伝その四 北里柴三郎 / 列伝その五 益田孝 / 列伝その六 山県有朋 / 歌吉心中 / 列伝その七 黒田清輝 / イシキカイイ令 / 腰巻の蚤 / 列伝その八 井上馨 / 女を御進物 / ひだり馬 / 列伝その九 伊藤博文 / ミス・ユニバース明治版 / カーセックスは伊藤博文が元祖 / 女に殺された伊藤博文 / 伊藤博文と春画詐欺 / 列伝その十 桂太郎 / 列伝その十一 杉孫七郎 / 列伝その十二 松本順 / 列伝その十三 西郷従道・隆盛 / 黒岩涙香の母子ドンブリ / 腰巻や 明治は遠く なりにけり
●雑学文迷開花
開化珍英語 / ドドイツで金を借りる / 女のヒゲ / オヤマカ・チャンリン / 連夜四回の証文 / トバセすぎた亭主 / 明治の珍便器 / キンでカリを返した男 / アイス・クリームは高利貸 / 明治のスワッピング / 明治のチンボコ裁判 / お妾一日四銭 / 梅毒全治を新聞広告 / ひとりで妊娠できるか / 明治の珍薬・珍性具


新田 次郎 (にったじろう)
「ある町の高い煙突」
 (あるまちのたかいえんとつ)


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*346頁
*発行 1978年

*カバー文
富国強兵、お国のため、というスローガンを掲げれば、小さい農村の田畑や農民の利害など簡単に踏みにじれた時代に、煙害撲滅を粘り強く訴え、遂に企業に世界一高い煙突を建てさせた若者たちがいた。足尾や別子の悲劇がなぜこの日立鉱山では繰り返されなかったのか。青年たちの情熱をさわやかに描いた長篇小説。解説・小松伸六

*日立鉱山=茨城県日立市

親本

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文藝春秋
*225頁
*発行 昭和44年
*単行本


新田 次郎 (にったじろう)
「小笠原始末記」
 (おがさわらしまつき)


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*249頁
*発行 1981年
*カバー・速永悦郎

*カバー文
徳川太平の世にあって、無類の徒と化した浪人・旗本奴・町奴の群。ある者は幕府に反抗し、ある者は喧嘩に生命を賭けた――ご存知幡随院長兵衛、水野十郎左衛門、大岡越前守、さらには九代将軍家重、佐久間象山といった歴史上の人物の実像に迫り、また英国公使館襲撃事件の真相などを描いた傑作時代小説九篇を収録。

*解説頁・林青梧


新田 次郎 (にったじろう)
「陽炎」
(かげろう)


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*237頁 / 発行 1981年
*カバー・速水悦郎

*カバー文
織田信長にまつわる逸話「信長の悪夢」北条早雲の密偵の悲劇「北条早雲秘録」鼠小僧の異聞「着流し同心」「流された人形」子供達の伊勢参りの裏話「ぬけ参り」陰間茶屋が舞台の復讐劇「筍茶屋」大火事をめぐるミステリー「天狗火事」そして大名屋敷内の愛憎劇を描いた表題作「陽炎」の佳品8篇を収めた時代小説短篇集。

*目次
ぬけ参り / 筍茶屋 / 信長の悪夢 / 天狗火事 / 着流し同心 / 北条早雲秘録 / 流された人形 / 解説 大河内昭爾


新田 次郎 (にったじろう)
「河童火事」
 (かっぱかじ)


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*238頁
*発行 1981年

*カバー文
夜ごと人妻のもとに忍んでくる河童の正体は? そして起る火事と相次ぐ殺人――『遠野物語』に題材を採った表題作をはじめ、民話・伝説など地方の各地に古くから伝わるいいつたえを素材に、不思議な魅力で迫る異色の短篇集。他に「鳴弦の賊」「人柱」「きつねもち」「猿聟物語」「武生騒動」「寒戸の婆」「慶長大判」を収録。

*解説頁・飛鳥次朗


新田 次郎 (にったじろう)
「霧の子孫たち」
(きりのしそんたち)


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*238頁
*発行 1978年
*カバー・速永悦郎

*カバー文
初夏、レンゲツツジの赤い群落と残雪のように白いスズランの花でおおわれる霧ヶ峰の高原。高層湿原植物が群生し、地元民の心の故郷・旧御射山遺跡のひろがる美しい大草原をコンクリートの自動車道路が分断する! 自然を破壊し、公害を生む道路建設反対に立ちあがった地元民の闘志と友情を描いた意欲長篇。 解説・巌谷大四


新田 次郎 (にったじろう)
「雪の炎」
 (ゆきのほのお)


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*343頁
*発行 1980年
*カバー・速水悦郎

*カバー文
兄がリーダーだった谷川岳縦走の5人パーティが遭難した。だが死んだのは兄だけだった。慎重な兄がなぜ? 兄の死に疑問を持った美しい妹は、その真相を追求しようと決心する。ほんとうに事故死なのか。それとも他殺なのか。一体この男3人女2人のパーティには何があったのか? ミステリーロマンの傑作。

*解説頁・小松伸六