絶版文庫書誌集成

文春文庫
【と】


戸板 康二 (といたやすじ)
「あの人この人 ― 昭和人物誌」
 (あのひとこのひと)


*カバー・田村義也
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*413頁 / 発行 1996年

*カバー文
江戸川乱歩、小泉信三、三島由紀夫、徳川夢声、有吉佐和子など昭和を彩った文化人34人の素顔。これらの人々と親交深かった著者だけが知り得た珍しいエピソードや新事実で鮮やかに人間性を描出している。「ちょっといい話」に通じる知的面白さと、滋味あふれるエッセイの楽しさを兼ね備えた稀有な評伝集。

*目次
江戸川乱歩の好奇心 / 徳川夢声の話術 / 有吉佐和子の笑い声 / 菊田一夫の博愛 / 芥川比呂志の酒席 / 小泉喜美子の博識 / 三島由紀夫の哄笑 / 川口松太郎の人情 / 岩田豊雄の食味 / 古川緑波の冗句 / 伊馬春部のカメラ / 奥野信太郎の探求 / 田辺茂一の大鞄 / 藤本真澄の映画 / 三宅周太郎の宗教 / 十返肇のアンテナ / 小宮豊隆の吉右衛門 / 花森安治のスカート / 寺山修司の国訛 / 大谷竹次郎の劇場愛 / 田村秋子の完全主義 / 川尻清潭のナイトキャップ / 円地文子のごひいき / 渋沢秀雄の童顔 / 宇野信夫の巷談 / 玉川一郎のエスプリ / 辰野隆の巻き舌 / 武智鐵二の演出力 / 土岐善麿の車中談 / 魔小泉信三のステッキ / 久保栄の潔癖 / 東山千栄子の挨拶 / 渥美清太郎の歌舞伎
 あとがきにかえて 戸板当世子
 解説 矢野誠一


戸板 康二 (といたやすじ)
「家元の女弟子」
 (いえもとのおんなでし)


*カバー・蓬田やすひろ
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*301頁 / 発行 1993年

*カバー文
老歌舞伎役者中村雅楽は芸も一流、推理力も抜群。酸いも甘いも噛み分けた豊富な人生経験を武器にして、華やかな歌舞伎の世界で巻き起る難問を、粋に優雅に解決する。若い歌舞伎俳優が娘と恋仲になって結婚を申し込んだが、娘の祖父母が許さない。そこで雅楽が考えた名案とは ― 。表題作ほか十一篇の人情名さばき。

*目次
芸談の実験
かなしい御曹司
家元の女弟子
京美人の顔
女形の愛人
一日がわり
荒療治
市松の絆纏
二つの縁談
おとむじり
油絵の美少女
赤いネクタイ


戸板 康二 (といたやすじ)
「久保田万太郎」
 (くぼたまんたろう)


*カバー・蓬田やすひろ
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*349頁 / 発行 1983年

*カバー文
小説家、俳人、劇作家、演出家と広い分野で大をなした久保田万太郎は終始“市井の隠者”の姿勢をくずさず自己を語ること稀であったので、その人物像には知られざる面も少なくない。若くして人となりに接した著者は、多作をしりぞけ完成度を追求した万太郎の純粋性に光をあて、俗伝を正しつつ人と文学の軌跡を平明にたどる。

*目次
その序説 / その風土 / その教室 / その大学 / その交友 / その社会 / その個性 / その文壇 / その劇壇 / その俳句 / その旅行 / その戦後 / その晩年 / その結論
 あとがき
 文庫版のためのあとがき
 久保田万太郎年譜


戸板 康二 (といたやすじ)
「ぜいたく列伝」
 (ぜいたくれつでん)


*カバー・田村義也
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*315頁 / 発行 1996年

*カバー文
「ぜいたく自身が人徳になっている人たちが、私にすがすがしい余韻を残してくれたように思われる。物質的な完璧を求めてやまないのが、至上のぜいたくだ」(あとがき)。みごとな生涯をおくった一流の人物の一級の人生を、芸術を見るような喜びを味わいつつ軽妙清雅な筆致で綴る、第一等の人物論。

*目次
光村利藻の愛妾 / 十一代目片岡仁左衛門の豪遊 / 谷崎潤一郎の四季 / 吉田茂の白足袋 / 横山大観の富嶽図 / 大倉喜七郎のホテル / 藤原義江の女性 / 内田百閧フ御馳走 / 長谷川巳之吉の出版 / 徳川義親の虎狩り / 西條八十のかなりや / 小林一三の宝塚 / 堀口大学の月光 / 梅原龍三郎の北京 / 鹿島清兵衛のぽん太 / 花柳章太郎の衣裳 / 御木本幸吉の真珠 / 福地桜痴の團十郎史劇 / 益田太郎の喜劇 / 志賀直哉の座右寳 / 五代目中村歌右衛門の下げ髪 / 薩摩治郎八のパリ / 西園寺公望の清雅 / 後記


戸板 康二 (といたやすじ)
「泣きどころ人物誌」 (なきどころじんぶつし)


*カバー・本文カット 三井永一
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*269頁 / 発行 1987年

*カバー文
時代の寵児となった人々は、その栄光の裏側で何を失い、何に耐え、何ゆえ心を惑わせたか。 ―― 三遊亭円朝、西園寺公望、松井須磨子、三島由紀夫など、明治、大正・昭和を彩る二十四名の著名人が背負った暗い影を、「ちょっといい話」のブームをまきおこした名エッセイストであり、また推理作家でもある筆者がさぐった逸話・秘話集。

*目次
三遊亭圓朝の息子 / 花井お梅の実演 / 斎藤緑雨の女友達 / 森律子の弟 / 永井荷風の勲章 / 九條武子の写真立 / 高浜虚子の女弟子 / 三浦環の体重 / 三島由紀夫の「太宰治」 / 市川九女八のさらし木綿 / 尾崎紅葉の父親 / 松井須磨子の香水 / 西園寺公望の家憲 / 天津乙女の白襟 / 石川啄木の遊興 / 岡田八千代の兄 / 溝口健二の純情 / 田村秋子の我慢 / 舟橋聖一の伝説 / 松旭斎天勝のサロメ / 小宮豊隆のひいき役者 / 林芙美子の母性本能 / 泉鏡花の病菌恐怖 / 豊竹呂昇の人気 / 後記


戸板 康二 (といたやすじ)
「松井須磨子 ― 女優の愛と死」 (まついすまこ)


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*259頁
*発行 1986年
*カバーAD・柴永文夫 / カバー図案・松井須磨子「牡丹刷毛」(大正3年7月新潮社刊)

*カバー文
カチューシャ、ノラ、サロメ……数々の当り役を演じて一世を風靡した女優・松井須磨子は、大正8年1月、有楽座「カルメン」の舞台を終えたあと、32年の生涯にみずから幕をおろした。前年11月病死した恋人であり師である島村抱月の愛に殉じた自殺である。近代演劇史上、最初にして最大のスターの華麗な足跡を追う傑作評伝。


戸板 康二 (といたやすじ)
「見た芝居・読んだ本」 (みたしばい・よんだほん)


*カバー・矢次勝博
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*254頁 / 発行 1988年

*カバー文
「何十年も、芝居を見、本を読むという生活を続けて来た」(後記より)著者が厳しいが暖かい目で選んだ明治・大正・昭和の女形ベストテン。歌舞伎から宝塚までありとあらゆる芝居に捧げる愛情あふれる讃歌(オマージュ)。愛読書、座右の書など本にまつわる諸々の話柄を薀蓄を傾けて洒脱に語るこの著者ならではのエッセイ集。

*目次
 T
劇評三十年 / 三代十人の女形 / 三つの歌舞伎映画 / わが南北体験 / 美しい破戒僧 / 「婦系図」の記憶 / パリで見たフェドー / 舞台のレ・ボンヌ / ほととぎす / 泣きどころ / 胸像 / 箸やすめ ―― 「女の一生」雑談 / 山本有三の芝居 / 霧の中の劇場 / ワイゲル夫人訪問 / 万太郎の私戯曲
 U
ひと本に会う / 忘れ得ぬ断章 / 近ごろ読んだ本 ―― 小林勇「惜櫟荘主人」 / 百科事典の効用 / 私のすすめる本 ―― 井上義昌編「英米故事伝記事典」 / 座右の歳時記 / 随筆のたのしみ / 読書日記 / 藤木秀吉さんのこと / 『歌舞伎年表』の恩恵 / 評判記の散歩 / わがホームズの風土 / 三好達治の「雪」 / 「百物語」異聞 / 女性の書いた祇園 ―― 瀬戸内晴美『京まんだら』 / 作家の新設 / 書評
 V
折口先生の芝居の歌 / 「小町」日記 / 女ざかり考
後記
解説 林えり子


東京建築探偵団 (とうきょうけんちくたんていだん)
「スーパーガイド 建築探偵術入門 ― 東京、横浜の西洋館230を追跡する!」
 (けんちくたんていにゅうもん)
文春文庫 ビジュアル版



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*261頁
*発行 1986年
*カバー写真 大阪ビル一号館 / カバーデザイン・中曽根孝善

*カバー文
東京の街に埋もれた謎の西洋館を見に行こう。手には地図、肩にはカメラ、ポケットにはコーヒー代、ボッ、ボッ、ボクらは今日も街を行く。

*目次
東京の西洋館を求めて、探偵目玉は今日も路上を転がってゆく
建築探偵手帖
ガイド篇 明治・大正・昭和戦前の名建築徹底案内


東郷 隆 (とうごうたかし)
「戦国名刀伝」
(せんごくめいとうでん)


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*317頁 / 発行 2003年
*写真提供・(財)林原美術館 / デザイン・石崎健太郎

*カバー文
無類の刀好きだった秀吉は膨大な量の名刀を収集していたが、中に「にっかり」という不思議な名と由来をもつ一腰があった ── 。古来、刀は武器としてのみならず邪を祓い、身を守護すると信じられた。ゆえに、武将たちは己の佩刀に強いこだわりを抱いた。知将、猛将と謳われた武人たちと名刀との不思議な縁を描く傑作短篇集。

*目次
にっかり / すえひろがり / 竹俣 / かたくり / このてがしわ / 伊達脛中 / 石州大太刀 / まつがおか / あとがき


東郷 隆 (とうごうたかし)
「本朝甲冑奇談」
(ほんちょうかっちゅうきだん)


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*289頁 / 発行 2015年
*写真・金魚鱗小札二枚胴具足(東京国立博物館蔵 Image:TNM Image Archiuves) / 装幀・関口信介

*カバー文
戦国乱世にあって、甲冑は単なる武具ではなかった。凝りに凝ったデザインはその実力を誇示するばかりでなく、信ずる「神」すら顕示されていた。それは究極の自己表現でもあった。本書は信長、秀吉ら武将たちの甲冑にまつわる奇妙な物語6編を収録、その夢、野望、そして無念の死を鮮やかに描きだす。舟橋聖一文学賞受賞作。

*目次
しぼ革 / モクソカンの首 / 角栄螺(つのさざえ) / 小猿主水(もんど) / 甲(かぶと)試し / 金時よろい / あとがき


ドウス 昌代 (どうすまさよ)
「日本の陰謀 ハワイオアフ島大ストライキの光と影
(にほんのいんぼう)


*カバー・坂田政則
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*574頁 / 発行 1994年

*カバー文
1920年、ハワイできび畑労働に従事していた日本移民が一斉に立ち上った増給ストライキと、その渦中で起きた会社側通訳・坂巻銃三郎宅爆破事件。忘れられていた二つの事件が突如スト指導者の大量検挙事件に変貌した裏には何があったのか。手に汗にぎる裁判劇と真珠湾にいたる時代の前夜を克明に描ききった傑作ノンフィクション。第23回大宅壮一ノンフィクション賞、第5回新潮学芸賞受賞作。

*目次
序章 ダイナマイト爆発 ── 一九二〇年六月三日 ハワイ島オーラア耕地
第一章 FBIファイル ── 一九八六年五月 米首都ワシントン 
第二章 ストライキ ── 一九二〇年一月 ホノルル
第三章 日本の陰謀 ── 一九二〇年二月 ホノルル
第四章 告発 ── 一九二一年八月一日 ホノルル
第五章 中国人再輸入法案 ── 一九二二年六月 米首都ワシントン
第六章 排日移民法案の通過 ── 一九二四年春 米首都ワシントン
あとがき / 参考文献


ドウス 昌代 (どうすまさよ)
「ブリエアの解放者たち」
(ぶりえあのかいほうしゃたち)


*カバー・高麗隆彦
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*374頁 / 発行 1986年

*カバー文
1944年10月7日、ドイツ国境に近いフランスの町ブリエアにドイツ兵を追って真っ先に現われた米兵の肌は黄色く目は細く吊り上っていた。第二次大戦下のヨーロッパ戦線で最も勇敢に戦ったのは日系兵士だった。祖国アメリカへの忠誠心を自らの血で立証せんとハワイの島々から強制収容所から競って激戦地へ向った。文藝春秋読者賞受賞作。

*目次
プロローグ
第一章 マウイ号の行手
第二章 ワン・プカ・プカ(100)
第三章 ゴー・フォ・ブローク
第四章 真珠湾からのモルモット
第五章 狂信的(ファナティック)な兵士たち
第六章 我らがメアリー
第七章 黒い森の黄色い米兵
第八章 「失われた大隊(ロスト・バタリオン)」救出(1)
第九章 「失われた大隊(ロスト・バタリオン)」救出(2)
エピローグ
あとがき / 取材協力者 / 参考文献 / 編成表 / 年表 / 地図
解説 草柳太蔵


土岐 雄三 (ときゆうぞう)
「わが山本周五郎」
 (わがやまもとしゅうごろう)


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*259頁
*発行 1986年
*カバー・高田千弥

*カバー文
山本周五郎にとっては、酒も女も家族も友人も、すべて小説のためのこやしでしかなかった。 ― 二十年にわたって周五郎に接し、二百四十六通もの書簡を送られた著者が、飾ることなく、この強烈な個性の作家の真の姿を書く。山本周五郎について、これほどまでに内面をえぐり、その複雑な人間性をとらえた文章があっただろうか。


富岡 多恵子 (とみおかたえこ)
「さまざまなうた ― 詩人と詩」



*カバー題字・小野十三郎
 カバー・渡辺禎雄

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*278頁 / 発行 1984年

*カバー文
詩から小説に表現の場を移したことで、詩壇意識にとらわれず詩と詩人を見つめる“健康な詩精神”がよみがえった。その自由な立場から、生まれ育った詩と詩人へのせつない思いを胸に、詩に執念を燃やす十二人のしたたかな詩人たちと、その作品を、さりげなく観察するとき、大胆でまったく新しい解釈が生まれた。 解説・稲垣達郎

*目次
詩人のふるさと ― 室生犀星
手帳と暖簾 ― 宮沢賢治
海から見た土地 ― 小野十三郎
殺された詩 ― 中勘助
詠むことと書くこと ― 會津八一
詩人のめし ― 山之口獏
勘と感覚 ― 草野心平
詩と歌詞の谷 ― 佐藤惣之助
詩人の誕生 ― 左川ちか
歌よりも声が ― 原民喜
詩的生活 ― 尾崎放哉
小説家の時世 ― 高見順
 あとがき
 解説 稲垣達郎


富山 和子 (とみやまかずこ)
「水の文化史 四つの川の物語」 (みずのぶんかし)


*カバー・油野誠一
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*299頁 / 発行 1990年

*カバー文
昔から様々な物語がウォーターフロントで繰り広げられてきた。本書は淀川、利根川、木曽川、筑後川を中心に、全国の河川の歴史と文化を解き明かす。都市づくり、町づくりが21世紀への環境問題の優先課題として論じられる今日、本書は水という最も基本的な問題を、自然と歴史と文化から見直した世評高い名著である。

*目次
淀川篇〈琵琶湖・この大いなる湖〉
一、「弥生」の川
 利根川と淀川 ― 水の都 ― 巨椋池 ― 大調整池・琵琶湖
二、日本海文化
 日本海こそ「表日本」 ― 北陸の豊かさ ― 雪の再発見 ― 北方文化とリマン海流 ― 湊川の戦い ― 安東氏と十三湊 ― 二つの海を結ぶ川
三、日本海側の山と川
 日本のライン・最上川 ― 芭蕉と子規 ― 紅花と青苧 ― 鋳物と出羽詣で ― 青森ヒバと秋田スギ
四、琵琶湖総合開発の行方
 湖北のにぎわい ― 天井川と尻無川 ― 上下流の対立 ― 琵琶湖総合開発と漁民 ― 村上茶と地場産業 ― 余呉湖

利根川篇〈日本の水問題〉
一、治水の川
 二つの顔 ― 氾濫期に水田を開く ― 見沼代用水 ― 交通の大幹線 ― 森林と水
二、水不足と水害
 舟運の衰退と治水の転換 ― 水害の激化 ― 水問題の発生 ― 二つの法則
三、柔構造と硬構造
 バイオント・ダムの悲劇 ― 多摩川水害の論理 ― 荒川河川敷の村
四、都市化の中の農業用水
 水を捨てる側の論理 ― 農水「征伐」 ― 二ヶ領用水 ― 地すべりの文化

木曽川篇〈自然保護と林業〉
一、木材の川・苛酷な川
 樹木の年表 ― 宝暦治水と三川分流 ― 『夜明け前』の世界
二、かけがえのない資源・土壌
 長良川と小豆島の水害 ― 田上山の教訓
三、山の文化
 追いつめられる山の民 ― ニホンカモシカ ― 誰が守り手か ― 草木塔 ― 日本人論の修正を ― 自然への義務
四、海岸林と砂丘
 斐井川・日野川・千代川 ― 日本の森林は米が育てた

筑後川篇〈水を作りだした歴史〉
一、ゼロからの出発
 群雄割拠の川 ― 福岡渇水
二、美林の生いたち
 九州一の都・日田 ― 焼畑の功績
三、筑後川四堰とクリーク
 大石堰と五庄屋 ― 六十二万人の大工事 ― 淡水取水 ― 完結された川・筑後川 ― 上流砂漠
四、下水を大地に返す
 米国の大転換 ― 土壌浄化法

 あとがき
 主要参考文献


豊田 穣 (とよだじょう)
「海兵四号生徒」
 (かいへいよんごうせいと)


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*283頁
*発行 1981年
*カバー・竹上正明 / カバー題字・原理

*カバー文
苛酷な鍛錬に堪えて、岐阜の“田舎中学”柔道部の優勝に貢献した盛田修平は、おのれを律するものを求め、それに堪え、そしてそれを超えることにより他をも律し得る存在たらんとして、海軍兵学校を志願した。再び続く厳格な規律と鍛錬の日々は、やがて戦いの中へ彼を導く。太平洋戦争前夜の青春群像を描く力作。

*解説頁・松永市郎