絶版文庫書誌集成

富士見書房・時代小説文庫 【あ】


赤木 駿介 (あかげいしゅんすけ)
「馬よ波濤を飛べ(上下)」
(うまよはとうをとべ)


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*上358頁・下389頁 / 発行 1994年

*カバー文

「なんと!純之が危険な韃靼行きの使者になったというのですか?」ゆき姫は顔色を変えて立ち上った。「近々、お前を九戸実親へ嫁入りさせようと思っている」 ― 父・晴政の言葉にゆき姫は涙した。南部藩馬役の息子・桜庭純之進は韃靼に優秀な種馬を求めて船出した。が、船は大時化にあい、難破して長門に流れ着いた。純之進の前途多難を思わせる旅立ちであった。時代小説に新機軸を拓く海洋冒険小説の誕生。

松浦水軍の一党、古江の頭領・十兵衛は、美しい眉姫を領主・松浦隆信から奪った。南の土地で日本人だけの町を作るという十兵衛の理想に共感した純之進は八幡船に乗った。マカオ、マラッカ、シンガポールに向った純之進たちを待ちうける苦難と恋。馬を通して、大スケールで戦国時代を描出した傑作時代長篇。