絶版文庫書誌集成

富士見書房・時代小説文庫 【か】


海音寺 潮五郎 (かいおんじちょうごろう)
「哀婉一代女」〈上〉 
(あいわんいちだいおんな)


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*364頁
*発行 1988年
*カバー・蓬田やすひろ

*カバー文
 “祇園丸山西川原……、よわりがちなるお百はどこに……”と群衆に唄われた絶世の美女、京の遊女お百は藩の財用で上京していた秋田20万石佐竹の家臣で勘定方の那河忠兵衛に初めて会う。鴻池善石衛門の妾となった時である。
 たぐいまれなる美貌と才気によって、次々と男性遍歴を重ねていったお百の数奇でかつ転変な運命を歴史小説の巨匠が独自の人物史観に基づいて見事に浮き彫りにする!


海音寺 潮五郎 (かいおんじちょうごろう)
「哀婉一代女」〈下〉 
(あいわんいちだいおんな)


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*352頁
*発行 1988年
*カバー・蓬田やすひろ

カバー
 「や! そなたか!」「はい、お百でございます」お百はにこりと笑ってこたえた。那河の両腕がさっとのびて、お百の肩をつかんだ。……お百の唇は那河の唇にふさがれていた。
 江戸中期、京の遊女―鴻池善石衛門の妾―江戸役者の妻―新吉原揚屋・尾張屋の妻―那河忠左衛門の妾と流転の人生を送ったお百の姿を感動的に描いた名作完結!
 硬派の歴史小説家として名声を得ている著者がとらえた理想の女性像。

*解説頁・磯貝勝太郎


海音寺 潮五郎 (かいおんじちょうごろう)
「海と風と虹と」 (上下巻) (うみとかぜとにじと)




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*上巻428頁・下巻466頁 / 発行 1981年
*カバー・御正 伸

*カバー文
上巻
 身のたけ六尺ニ、三寸、諸仏守護の天界の神将を想わせる体躯に、やや憂鬱の色を湛えたりりしい顔を持つ、その人物、名は、平将門。
 坂東下総の住人で、官位を求めて京に上り、公家の専横と、盗賊・夜盗跋こする都の退廃を目にしたが、その武勇と剛直な人柄に刮目した藤原純友は朝廷転覆の驚くべき野心を、彼にもらした。
 純友は、伊予大津の豪族。知略にたけて色を好むが、つとに官途への望みを絶ち、力による天下改革を夢見ていた。
 伊予掾に任じられて都を去る純友、西海の海賊追捕の兵に加わって功名を求める将門。 純友は、海賊の首領に通じて、ひそかに将門の無事を画策した。……
下巻
 海賊追捕に際立つ功なく、鬱欝とする将門に、純友は、朝廷の官位の無価値を説き、帰国を勧めた。
 が、東国で将門を待ち受けていた、一族争闘の運命。
 東西呼応して乱を起すことを望む純友は、争いの拡大をひそか工作、彼自身もまた、天下万悪の責任は中央にあり、と公言して、海賊大将軍となった。
 やがて、もたらされた将門叛乱の報。機は熟した!
 純友は、一気に都を攻略すべく、淀川河口に大船団を集結させた。
 東西両雄の夢を象徴するかのように、遠い空にかかった、一筋の巨大な虹。

*解説頁・尾崎秀樹


海音寺 潮五郎 (かいおんじちょうごろう)
「王朝」
 (おうちょう)


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*469頁
*発行 昭和62年
*カバー装画・東啓三郎 / カバーデザイン・熊谷博人

*カバー文
 武蔵の住人秩父次郎季高は、京都嵯峨の山荘で高貴な謎の女と一夜を契り、逢瀬を重ねる。やがて季高は検非遺使少尉に任命されるが、女は季高の前から姿を消す。京の町に跳梁する盗賊団を捕えるべく、その巣窟に向かった季高が見たものは、紅い水干に白絹の袴、舞楽の面で顔を覆い、女のようになまめかしくしなやかな賊の姿だった……。
 名作「まぼろしの琴」をはじめ、数奇な運命にもてあそばれる平安人物群像を、豪壮・優婉に描く傑作王朝絵巻。

*解説頁・武蔵野次郎


海音寺 潮五郎 (かいおんじちょうごろう)
「戦国風流武士」 (せんごくふうちゅうぶし)


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*281頁 / 発行 平成二年
*カバー装画・蓬田やすひろ

*カバー文
 小田原城の陣中で秀吉はやつしくらべを行った。家康は遊女屋の亭主、前田利家は野菜を売る農夫に仮装した。利家が引っ込み、小鼓の音が聞えたかと思うと赤い頭巾に赤い袖無、裁着袴の男が唄をうたいながら悠々と出て来た。が、その肩にとまっているのは猿であった……! 猿まわしに扮したのは前田慶次郎利太だった。
 前田利家の兄蔵人利久の子である前田慶次郎は戦国一の快男子。武芸、文学、茶の湯等の芸に通じ、途方もないいたずら者で自由濶達に生きた慶次郎の一生涯を描いた秀作。巨匠の人間美学あふれる歴史小説。

*解説頁・磯貝勝太郎


海音寺 潮五郎 (かいおんじちょうごろう)
「盗賊大将軍」
(とうぞくだいしょうぐん)


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*377頁 / 発行 1987年

*目録文
大江孝高は天才児のほまれたかく若年にして陸奥の国へ黄金の使者としてつかわされる。だが、京への帰途、路上に倒れていた女を助けたことから女と結ばれ、歓喜に燃えながら坂東の緑の曠野を旅するうち、ある夜、盗賊に襲われる。賊の中に舞楽の面をかぶった女がいた。京に帰りついた孝高は女を忘れることができず、都から姿を消す。そして、十年が経って…。前途有能な青年武士が激しい愛欲ゆえに盗賊の首領に身を落としてゆく数奇な運命を余韻嫋々と描く表題作ほか八篇の傑作王朝絵巻。

*目次
半蔀女(はじとみめ) / 妻を奪わる / 盗賊大将軍 / 雲のかけ橋 / 嫗(おうな)物語 / 筑波嶺(つくばね) / 隼人族の叛乱 / 大江山 / 解説 武蔵野次郎


海音寺 潮五郎 (かいおんじちょうごろう)
「梅花の契」 (ばいかのちぎり)


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*282頁 / 発行 昭和63年
*カバー装画・蓬田やすひろ


*カバー文
“玉垣の庭の梅が香ゆかしみて深山出でこし鴬の声”と書かれた短冊を梅の枝に見つけた大名家の養女、百合子は初めて燃えるような恋を知った。相手は百合子の側にいたいという一念で全てを捨て庭番となった香取三十郎。身分の違い故にかなわぬ愛……。駆け落ちし至高の愛を貫ぬこうとする二人を待っていたものは?
 表題作他、封建時代にけなげにも生きる女の情愛を描いた傑作短篇集。

*目次
木に花咲く頃 / 浅き夢見し / はやり唄五千石 / 玉瀾母娘 / 奥方切腹 / 室の梅ヶ枝 / 梅花の契 / 解説 磯貝勝太郎


海音寺 潮五郎 (かいおんじちょうごろう)
「風流才媛伝」 (ふうりゅうさいえんでん)


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*262頁 / 発行 1988年
*カバー装画・蓬田やすひろ

*カバー文
“私が春日局になるはずだった……”才女として知られる小野ノお通と三代将軍家光の乳母として大奥に絶大な勢力をもったお福の方――春日局との確執と運命を描いた話題作!
 又、家宣時代、江戸城を舞台に幕府財政担当、勘定奉行の荻原重秀と貸幣改鋳に反対する新井白石の争いにからむ大奥の恋模様を描いた傑作、絵島の恋を併録。

*目次
風流才媛伝
本朝女風俗
 解説 尾崎秀樹


海音寺 潮五郎 (かいおんじちょうごろう)
「明治太平記」 
(めいじたいへいき)


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*481頁
*発行 1986年
*カバー装画・東啓三郎

*カバー文
 元会津藩士の青年滝山修平は昼は車夫、夜は福沢塾へ通う苦学生。ある日、客の護衛で出むいた横浜のフランス商館で同郷旧知の通詞石川金之助に再会、南部藩尾去沢銅山の採掘にまつわる疑惑の話をきく。やがて司法省の役人となった修平は、大物黒幕の究明にのりだすのだが……。
 修平をめぐる女たち――元幕臣の娘で吉原の白拍子となっている梨影、年増のおりん、混血の美少女茉利。そして西郷吉之助、桐野利秋をはじめ明治の歴史を飾る史上実在の英雄たち。これら多彩な登場人物のおりなす波瀾のドラマを香りたかくうたいあげる異色歴史小説。

*解説頁・武蔵野次郎


海音寺 潮五郎 (かいおんじちょうごろう)
「柳沢騒動」 
(やなぎさわそうどう)


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*326頁
*発行 平成元年
*カバー装画・蓬田やすひろ

*カバー文
 柳沢吉保はその妻を五代将軍綱吉の枕席に侍せしめた。吉保夫人は吉里を産み、吉保は吉里を徳川家の後継にしようとしたが、綱吉夫人鷹司氏が綱吉を刺し自らも自殺した ― この俗説「柳沢騒動」の真相は一体何であったのか?
 世継ぎ問題をめぐって側用人牧野成貞と柳沢吉保の若き日の様子、綱吉と水戸光圀の熾烈な葛藤を描き、俗説を正した本格的歴史小説!

*解説頁・尾崎秀樹


笠原 和夫 (かさはらかずお)
「真田幸村の謀略」
(さなだゆきむらのぼうりゃく)

*249 / 発行 1985年
*カバー画像はありません。

*目録文
関ヶ原での敗戦後も、真田幸村はあくまでも打倒徳川をめざし、戸沢白雲斎の残した「道名帖」を頼りに十勇士を集め、大坂城に入城する。併し夏の陣を迎え戦い利あらず。大坂方の諸将は次々に討死にする。最後の決戦を挑む真田幸村は、家康の本陣を襲い、只一時逃げる家康を追いつめる……。映画にもなった歴史ロマンの力作。(笠原和夫)