絶版文庫書誌集成

富士見書房・時代小説文庫 【ま】


松永義弘 (まつながよしひろ)
「おんな太閤記・おねねと秀吉(上下)」
(おんなたいこうき・おねねとひでよし)

*上521頁 / 下261頁
*発行 上1989年 / 下1990年

*目録文
織田家の一介の足軽から天下を統一して太閤秀吉となる藤吉郎と結婚したねねは、夫の出世を二の次と考える女であった。女好きの秀吉に悩まされ、亡き後は、茶々と秀頼に追われるようにして大坂城を出、剃髪し高台院となったねね。戦国を舞台に北政所の波乱にみちた一生を描いた著者の代表的傑作長編!(鈴木亨)


松永 義弘 (まつながよしひろ)
「真田一族の陰謀」
(さなだいちぞくのいんぼう)


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*260頁 / 発行 1989年

*目録文
天正九年、真田昌幸は物見楼にのぼり迷っていた。二代仕えた武田がいま滅びようとしていた。真田一族を武田と共に滅ぼしてはならない事だけはわかっていた……。戦国を舞台に小国が生き延びるため親子兄弟、敵味方に別れ、血みどろの戦いをくり広げていくさまを、真田十勇士の活躍、家康や秀吉の陰謀をまじえ描く! (志村有弘)


松永 義弘 (まつながよしひろ)
「地獄の車輪梅 ― 埋御門番衆控」
(じごくのしゃりんばい)


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*322頁
*発行 1989年

*目録文
埋御門番衆―お庭番と似た特殊な任務を持ち、番頭の采領で幕領内の失政や犯罪の調査、摘発する衆をいう。総番頭の寺本石見守は江戸城内での評定の席上、佐渡奉行所配下の者が変死をとげていることに疑念をもった。寺本石見守は番衆の一人、すご腕の小川藤兵衛をよんだ。この世の生地獄、流人、犯罪人。うごめく佐渡の金山を舞台に色と金欲がうずまく地獄に闘いをいどむ藤兵衛。

*解説頁・宮崎芳彦


松永 義弘 (まつながよしひろ)
「蜂須賀秘聞」 
(はちすかひぶん)


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*444頁 / 発行 平成3年
*カバー装画・熊谷博人

*カバー文
 徳島藩・蜂須賀忠英のお膝もと金比羅権現の裏山の楠に藁人形が打ちつけられた! 藁人形の中の紙には二代当主忠英の名が書かれていた。筆跡が江戸家老の勤めを終え国元に戻っていた海部郡鞆城城代・益田豊後のに似ており、豊後に嫌疑がかけられた。
 公儀の隠密、葦の者、美馬党らが入り乱れ、虚々実々の駆け引きが、阿波と江戸で展開する。一介の家臣が主家より独立し大名にならんとしておこった海部騒動の裏には、美しい女の命をかけた恋情が糸をひいていた……。
 史実をもとに斬新な手法で描くオリジナルの新伝奇時代小説。

*解説頁・郡順史


松永 義弘 (まつながよしひろ)
「北条政子」
(ほうじょうまさこ)

*273頁 / 発行 1990年

*目録文
建久十年一月十三日、源頼朝は五十三歳の生涯を閉じた。「これだけは憶えておいてくれ……、鎌倉幕府はまろとそなたが産んだ子だ、と」 ―― 仏間にこもり供養の毎日を過ごす政子は、天下の事を頼む、という頼朝の声を聞いた。頼朝亡き後、動揺する御家人を統率し鎌倉幕府を支えた民将軍の激しい愛と政治を描く傑作長篇。(石井富士弥)


松永 義弘 (まつながよしひろ)
「柳生一族の陰謀(正続)」
(やぎゅういちぞくのいんぼう)

*正編254頁・続編312頁 / 発行 正編1983年・続編1988年

*目録文
正編
将軍秀忠の突然の死で、次代将軍の座をめぐりあわただしく動き出した家臣たち。権謀術数をめぐらし家光を将軍の座に据えようとする柳生但馬守宗矩。一方、駿河大納言を擁立する老中土井大炊頭利勝。両者は壮絶な死闘を繰り広げ、禁中をも巻き込む。徳川三代将軍の座をめぐり柳生一族の存亡を壮大なスケールで描く。 (志村有弘)

続編
柳生十兵衛の刃に倒れた家光。身体をはって事件を収拾した柳生宗矩も十兵衛の返す刀で斬りつけられ、死を迎えようとしていた。宗矩の遺命をうけた宗冬は、松平伊豆守等とにせの家光を仕立て徳川家の安泰をはかろうとするが、兄十兵衛をはじめ多くの難敵が……。好評「柳生一族の陰謀」に続く長篇伝奇ロマン。 (石井富士弥)