絶版文庫書誌集成

富士見書房・時代小説文庫 【の】


野村 胡堂 (のむらこどう)
「赤い紐 銭形平次捕物控〈一〉」
 (あかいひも)


*カバー・玉井ヒロテル
(画像はクリックで拡大します)

*281頁 / 発行 昭和56年

*カバー文
 神田祭の宵宮、金沢町内一の容貌良しお春が殺された。銭形平次は子分の八五郎を伴って下手人探しに奔走する……。
 金持ちの娘たちに侮辱されて自害した娘の敵討ちをする父親に寛大な裁きをする平次。江戸の風物詩を織り込んだ「赤い紐」他八篇収録。
 “銭形平次”名作選第一弾!

*目次
赤い紐 / 傀儡名臣 / お藤は解く / 玉の輿の呪 / 金の鯉 / 飄箪供養 / 金の茶釜 / 活き仏 / 権八の罪 / 解説 武蔵野次郎

*資料 野村胡堂「銭形平次捕物控」作品年表


野村 胡堂 (のむらこどう)
「花見の果て 銭形平次捕物控〈二〉」 
(はなみのはて)


*カバー・玉井ヒロテル
(画像はクリックで拡大します)

*274頁
*発行 昭和56年

*カバー文
 夜桜見物の行楽客でにぎわう両国橋。突然、恐ろしいうめき声とともに、欄干に崩折れた人形があった。悪徳金貸しで名高い菊屋伝右衛門が左胸を刺され、下半身を生血で染めて死んでいた。通夜の翌日、今度は、菊屋の下女お市が何者かに首を締められて……。銭形平次とガラッ八の八五郎のコンビで綴る捕物シリーズ第二弾! 他七篇収録。

*目次(収録作品)
花見の果て / 生き葬い / 小便組貞女 / 遠眼鏡の殿様 / 妾の貞操 / 猿蟹合戦 / 艶妻伝 / 夕立の女

*資料 野村胡堂「銭形平次捕物控」作品年表


野村 胡堂 (のむらこどう)
「濡れた千両箱 銭形平次捕物控〈三〉」 
(ぬれたせんりょうばこ)


*カバー・玉井ヒロテル
(画像はクリックで拡大します)

*269頁
*発行 昭和56年

*カバー文
 清養寺の庫裡から三千両が消えた!
 銭形平次の言いつけで八五郎が駆けつける。寺の墓地に新墓の掘り返されたあとがあり、消えた千両箱が三つ埋められていた。手柄をたてた八五郎。だが、中はなんと砂利と古金屑ばかり。平次の奔走で春木屋の番頭源助が犯人としてあがるが……。

*目次(収録作品)
猫の首環 / 月待ち / 八五郎の恋人 / 百草園の娘 / 飛ぶ若衆 / 井戸端の逢引 / 雪丸の母 / 八五郎子守唄 / 濡れた千両箱

*資料 野村胡堂「銭形平次捕物控」作品年表


野村 胡堂 (のむらこどう)
「刑場の花嫁 銭形平次捕物控〈四〉」 (けいじょうのはなよめ)


*カバー装画・玉井ヒロテル
(画像はクリックで拡大します)


*267頁
*発行 昭和57年

*カバー文
 「親の遺言を果たすため、処刑(おしおき)前に小三郎と祝言させてください」白無垢に綿帽子の花嫁姿の美乃が歎願する ―
 廻船問屋の大旦那久兵衛殺しの犯人にされた養子小三郎。銭形平次は、許嫁美乃の小三郎を慕うけなげな願いで、彼の当日の身の証をたてるべく東奔西走する。果たして、小三郎を怨む手代幾松の浅知恵から真実が暴かれる……。

*目次(収録作品)
正月の香り / 麝香の匂い / 十七の娘 / 笑い茸 / 刑場の花嫁 / 火遁の術 / 青い帯 / 酒屋忠僕 / 隠し念仏

*資料 野村胡堂「銭形平次捕物控」作品年表


野村 胡堂 (のむらこどう)
「幽霊の手紙 銭形平次捕物控〈五〉」 (ゆうれいのてがみ)


*カバー・玉井ヒロテル
(画像はクリックで拡大します)


*260頁
*発行 1982年

*カバー文
 深川の材木問屋佐原屋の支配人専三郎が殺された! 五年前、先代主人殺しの科人(とがにん)として死んだ筈の甥彦太郎の一人娘筆に専三郎殺しの容疑がかかる。だが、筆は突然姿を消す。そんな矢先、佐原屋の騒動を聞きつけた平次のもとに筆の生命の危機を訴える投文が届く……。佐原屋の身代と先代主人が隠し持っていた一万両を乗っ取ろうとした強欲な男に平次の得意の投銭がとぶ。

*目次(収録作品)
幽霊の手紙 / 名馬罪あり / 庚申横町 / 迷子札 / 平次屠蘇機嫌 / 敵討果てて / 紅筆願文 / 白紙の恐怖

*資料 野村胡堂「銭形平次捕物控」作品年表



野村 胡堂 (のむらこどう)
「雪の精 銭形平次捕物控〈六〉」 (ゆきのせい)


*カバー・玉井ヒロテル
(画像はクリックで拡大します)

*255頁
*発行 1982年

*カバー文
 昼頃から降り続いた雪に薄月の射す宵、越後屋佐吉の女房お市が殺された! 雪の降る夜に八朔〈はっさく〉の白無垢姿で佐吉の家を訪れる幽霊の正体とは? 平次は子分八五郎に手柄をたてさせるべく、佐吉夫婦の過去をあらうが……。
 十数年間、強欲な主人に虐待されつづけ、怨みをいだいて死んでいった姉の仇討ちをする妹に捕物名人銭形平次の情けが光る。他八編収録。

*目次(収録作品)
仏喜三郎 / 桐の極印 / 浮世絵師 / お舟お丹 / 針妙の手柄 / 痣の魅力 / 雪の精 / くるい咲き / 買った遺書

*資料 野村胡堂「銭形平次捕物控」作品年表


野村 胡堂 (のむらこどう)
「雛の別れ 銭形平次捕物控〈七〉」 (ひなのわかれ)


*カバー・玉井ヒロテル
(画像はクリックで拡大します)

*267頁
*発行 昭和57年

*カバー文
 雛祭りが終った翌日、岡崎屋の支配人半九郎の娘が不可解な死を遂げた。ひと月前、岡崎屋の主人は病死し、遠縁にあたる支配人の半九郎が身代のすべてを取りしきっていた。家督相続者である長男安之助は勘当されたまま、一人娘のお琴も病身だったからだ。そんな矢先、下女が突然暇を出される……。誤って実の娘を殺し下女に罪を被せようとした狡猾な男が、平次の鋭い追及に思いあまって自殺するという、後味の悪い捕物の幕切れとなる。

*目次(収録作品)
捕物仁義 / 禁制の賦 / 忍術指南 / 二人浜路 / 雪の夜 / 雛の別れ / 娘の役目 / 子守唄 / 権三は泣く

*資料 野村胡堂「銭形平次捕物控」作品年表


野村 胡堂 (のむらこどう)
「花見の仇討 銭形平次捕物控〈八〉」 
(はなみのあだうち)


*カバー・玉井ヒロテル
(画像はクリックで拡大します)


*260頁
*発行 1982年

*カバー文
 行楽でにぎわう飛鳥山で巡礼姿の若い男が虚無僧に斬られる! 騒然となった現場にかけつける銭形平次。殺されたのは茶番劇の仇討を演じる出雲屋の若主人宗二郎だった。虚無僧に扮した兼吉が犯人にあがる。だが、兼吉にはアリバイがあった。聞き込みを続ける平次は意外な事実をつかむ……。男に騙され子供を道連れに自害した女の仇討をする親娘に平次の情が光る。

*目次(収録作品)
花見の仇討 / 蜘蛛の巣 / 妹の扱帯 / 歎きの幽沢 / 腰抜け弥八 / 恋をせぬ女 / 弱い浪人 / 苫三七の娘

*資料 野村胡堂「銭形平次捕物控」作品年表



野村 胡堂 (のむらこどう)
「十手の道 銭形平次捕物控〈九〉」 (じゅってのみち)


*カバー・玉井ヒロテル
(画像はクリックで拡大します)

*259頁
*発行 1983年

*カバー文
 肥前島原高力藩三万七千石の藩士志賀内匠(たくみ)が行方不明になった! 母と妻が八五郎に伴われて平次の家を訪ねる。主君高力左近太夫高長は典型的な暴君で、志賀家長玄蕃(げんば)は左近太夫の怒りをかい手討ちになったばかりだと言う。だが、町方の岡っ引平次には武家の内証事に立入ることはできなかった。間もなく、安否を気遣う母のもとに内匠自筆の手紙が届き、妻が突然行方知れずになる……。
 無法な主君に仕える若侍の悲痛なまでの武士魂を岡っ引銭形平次の十手が救う。

*目次
 南蛮秘法箋 / 結納の行方 / 十手の道 / 遺書の罪 / 六軒長屋 / 第廿七吉 / 詭計の豆 / 尼が紅 / 凧の糸目

*資料 野村胡堂「銭形平次捕物控」作品年表


野村 胡堂 (のむらこどう)
「鉄砲の音 銭形平次捕物控(十)」
 (てっぽうのおと)


*カバー・玉井ヒロテル
(画像はクリックで拡大します)

*285頁
*発行 昭和58年

*カバー文
 米屋の主人竹田屋半兵衛が鉄砲で撃たれ死ぬ!
 すがすがしい初夏の朝、のんびりと堀切の菖蒲を見物しようと支度している銭形平次のもとにガラッ八の八五郎が駆け込む。半兵衛に無理無体に弄ばれ自害した許嫁の敵討ちだという竹田屋の下男、助十を犯人として捕えた平次。そんな矢先、半兵衛殺しを自供した遺書を残し、自害した娘の老父が自殺する……。
〈銭形平次捕物帳控全十冊完結〉

*目次
鉄砲の音 / 厩の火 / 宿場の女 / 敵討設計書 / 地中の富 / 美男番付 / 五月人形 / 美しき鎌いたち / 屠蘇の杯

*資料 野村胡堂「銭形平次捕物控」作品年表