絶版文庫書誌集成

富士見書房・時代小説文庫 【と】


土橋 治重 (どばしじじゅう)
「武田信玄」
(たけだしんげん)

*270頁 / 発行 1987年
*カバー画像はありません。

*目録文
父信虎を駿河に追放して甲斐国当主となった若き武田晴信は天下雄飛の野望に燃え、まず隣国信濃を攻め、諏訪・小笠原・村上氏を倒し、やがて信濃一円を手中にする。そして宿敵上杉謙信と川中島に激突、持久戦の末にこれを破る。戦国末期の不出世の英雄の生涯を山本勘助や真田一党など多彩な人物軍を配して描く。 (武蔵野次郎)



戸部 新十郎 (とべしんじゅうろう)
「妖説五三ノ桐」
 (ようせつごさんのきり)


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*302頁 / 発行 昭和63年
*カバー装画・村上豊 / カバーデザイン・熊谷博人

*カバー文
 茶臼山本陣は朝から戦勝の気色であふれていた。次々と家康の前に大坂将士の首があがってくる。「真田左衛門佐のお首級」と読み上げられ、家康は首の座の前に歩み寄った。が、高潮したほおからは血の気が失せ唇は紫色に変わった……。
 大坂城落城の際、秀頼と九州に落ちのびた真田幸村は実は猿飛佐助によって“断末魔の術”を施され再生した影であった。
 忍び者、剣豪の凄絶な闘いを通して“秀頼の薩摩落ち”伝説にせまる痛快な長篇伝奇小説!

*解説頁・石井富士弥


富田 常雄 (とみたつねお)
「坂本竜馬 
土佐海援隊」 (さかもとりょうま)


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*214頁
*発行 1991年
*カバー装画・東啓三郎 / カバーデザイン・熊谷博人

*カバー文
 竜馬の胸に身内のふるうような感激が湧いてきた。無意識に袴の膝をごしごしこすっていた…。今日、熱烈な攘夷論者の竜馬は、勝麟太郎と会い、少年の頃から抱いていた海への夢が広がるのを感じていた。海の豪商と海軍建設の夢!
 混乱の幕末、暁暗の星のごとく現われ、時代の開拓者として維新回天の軌道をつくり、明治の夜明けと共に光りの彼方に消えた男の豪快で波乱に満ちた実像に迫る傑作長篇。

*解説頁・野瀬光二