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〈一〉
*376頁 / 発行 平成2年
*カバー装画・中島千波
*カバー文
「美しゅうなったの」と会釈をすませた敷妙に虎夜叉(楠正儀)は言った。「そなたの苦労は察しておる…」
正儀の愛人・敷妙は足利尊氏の庶子・直冬の愛妾となり、高師直と対立させ足利方の乱れを誘う。
楠正成亡き後、南朝の中心となり戦う兄・正行とは性格を異にする正儀は変節漢で謎に包まれた人物。その正儀を中心に動乱うずまく南北朝を豊かな構想のもとに描いた歴史大作! 第2回直木賞受賞。
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〈二〉
*372頁 / 発行 1990年
*カバー装画・中島千波
*カバー文
高師直が引き寄せようとするのを敷妙は身をくねらせて拒んだ。四条畷の激戦で楠正行、正時兄弟の首を討ち取った師直は大和から吉野へと兵を進めていた。吉野朝廷が穴生へ御動座しているとも知らずに。もぬけの空の吉野山の炎があがった。東条城で正儀は敵陣の意表をつく策略をめぐらせていた。謎の町人唐土屋、楠八忍衆の変幻極りない活躍がいよいよ面白い第2巻。直木賞受賞作。
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〈三〉
*398頁 / 発行 1991年
*カバー装画・中島千波
*カバー文
高師直は死んだ。尊氏と直義の間は険悪になっていた。楠正儀の愛妄敷妙は再び九州の直冬のもとへ。中国の豪族・赤松則祐は南朝に降参した。直義はもはや直冬の援軍を望めなかった。尊氏は偽りの降参を南朝に乞い、直義討伐の勅命をうけ、鎌倉に下った直義を殺害した。尊氏の留守をねらう正儀。大政は南朝に還えり、京都奪還に成功したかに見えたが…。南北朝時代という歴史の空白期を描いた直木賞受賞の代表歴史大作、いよいよ佳境。
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〈四〉
*324頁 / 発行 1991年
*カバー装画・中島千波
*カバー文
京都を手中にした正儀であったが、北畠親房は病める身、頼みとする赤松側祐はいつ裏切るとも知れず、近江に落ちた足利義詮は5万の大軍をもって京都にせまっていた。正儀はついに京を捨て、北朝方の三上皇らと三種の神器を南朝方に連れ去った。一方、足利尊氏は病いに伏していた…。NHK大河ドラマ舞台・混迷をきわめる南北朝時代の戦いと愛を見事に描いた、直木賞受賞の大作。
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〈五〉
*423頁 / 発行 1991年
*カバー装画・中島千波
*カバー文
後醍醐天皇、楠正成、正行、大塔宮、高師直、足利直義はすでに他界。北畠親房、そして足利尊氏も死を迎えようとしていた……。
NHK大河ドラマの舞台・複雑な権力抗争がうずまいた南北朝! その時代を背景に、目的のため手段を選ばず、時には北朝方の武将と手を結び、時には愛人を敵方に送りこむ楠正儀の南北朝合一に命をかけた生涯を描いた直木賞受賞の歴史大作、遂に完結!
*巻末頁
鷲尾雨工年表 塩浦林也
解説 尾崎秀樹
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