絶版文庫書誌集成

富士見書房・時代小説文庫 【よ】


横溝 正史 (よこみぞせいし)
「髑髏検校」 
(どくろけんぎょう)


*カバー装画・風間完
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* 429頁 / 発行 1986年

*カバー文
 文化八年元旦、豊漁に賑う房州白浜で、鯨の胎内から書状がでてきた。書状の主は長崎留学中の蘭学生・鬼頭朱之助。彼が南海で目撃した世にも不思議な不知火検校の行状は、後日、江戸中を恐怖のどん底におとしいれた怪事件の前ぶれであった…。吸血鬼髑髏検校とこれに立ち向う蘭学者鳥井蘭渓・朱之助姉弟、恋人琴絵、鯨奉行秋月数馬と将軍家息女陽炎姫など、善魔入り乱れて千変変化。そして事件は意外な結末へ…。
 怪異の極致を纒綿と描く異色時代小説、他1篇収録。

*目次
髑髏検校
神変稲妻車
 解説 中島河太郎


横溝 正史 (よこみぞせいし)
「羽子板娘自選人形佐七捕物帳」
 (はごいたむすめ)


*カバー装画・風間完
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* 326頁 / 発行 1987年

*カバー文
 羽子板のモデルにまでなった江戸三小町――音羽小町のお蝶、神田お玉が池の娘お組、時は文化十二年春、深川小町のお蓮が水死体で発見された。初七日の晩、押し絵の首を切り裂いたお蓮の羽子板が彼女の実家に投げこまれる。ついで音羽小町のお蝶が乳の下をえぐられて殺され、しかも死体のうえには首を切られた羽子板が…。そして、人形佐七の初登場―。
 女にモテすぎるのが玉に傷、美男目明かし人形佐七の初手柄話をはじめ著者自らが選んだ傑作捕物八篇。

*目次
羽子板娘
恩愛の凧
浮世絵師
石見銀山
吉様まいる
水芸三姉妹
色八卦
うかれ坊主
 解説 武蔵野次郎