絶版文庫書誌集成

福武文庫 【た行】
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【た】

高橋 健二
(たかはしけんじ)
「ケストナーの生涯 ドレースデンの抵抗作家」
(けすとなーのしょうがい)
福武文庫 JOYシリーズ


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*314頁
*発行 1992年
*カバー写真・PANA通信提供

*カバー文
『エーミールと探偵たち』『飛ぶ教室』など数々の名作を残した偉大な作家ケストナー。ナチス政権下、多くの作家が亡命する中、執筆を禁止され財産をさしおさえられながらも、愛するドイツに留まった強靭な精職の持ち主でもあった。―― ドイツ文学研共の第一人者が記す、ケストナーの波瀾に富んだ生涯。出生の秘密「ケストナーの父親について」も収録。



辰野 隆 (たつのゆたか)
「フランス革命夜話」 
(ふらんすかくめいやわ)


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*196頁 / 発行 1989年

*カバー文
「仏蘭西語は一語も解し得なかったが、辰野隆先生の講義が聞きたかったので、東京帝大仏文科に入学した」と太宰治に書かしめたほどの話術・座談の名手の筆が冴えわたる。フランス革命に材をとったエッセイ2篇(「革命夜話」「鬼才ボーマルシェ」)と翻訳1篇(「敗北者の運命」)を収める。

*目次
革命夜話
 革命問答 / ロベスピエール / シャルロット・コルデー / オーム(鸚鵡)は語る / ロベスピエールの死 / 断頭史サンソン / ルイ十六世の最期 / 結語(老若問答)

鬼才ボーマルシェ
 ――「泣くが厭さに笑い候」……理髪師フィガロ

敗北者の運命
 前哨戦 / 熱月九日(ル・ヌフ・テルミドール) ―― 一七九四年七月二十七日 ―― / 劇の大詰

  解説 佐藤朔


【ち





辻 邦生 (つじくにお)
「睡蓮の午後」
(すいれんのごご)


*カバー装画・渡辺可久
 カバー装丁・中島かほる
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*353頁
*発行 1994年

*カバー文
「わたしは誰のものでもなく、誰のものでもある。はいる前に、おまえはすでにここにいた。ここを去るとき、おまえはすでにここに残るであろう」ボルヘス『怪奇譚集』の一節から、全く別の作品へ仕立てられた「乗り換え駅にて」など、コクトー、ル・クレジオ、トーマス・マンらの作品に触発された12篇を収める短篇パロディ集。

*目次
墓地へゆく道 / 海の底の春 / バビロンの庭園 / 時の往還 / アッティカの白い墓 / 水の女(ウンデイーネ) / 探索者 / R(アール) / 乗り換え駅にて / 地と天の三面記事(フエ・デイヴエール) / 夜の顔 / 手 / 単行本あとがき / 解説 工藤康子




と】
外山 滋比古 (とやましげひこ)
「赤い風船」
(あかいふうせん)


*カバー写真・植村正春
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*246頁 / 発行 1986年

*カバー文
赤い風船に託されて庭先に飛んできた見知らぬ少女からの便り。うつうつとした気分を払う小さな出来事をいとおしむ心情を鮮やかに描いた表題作をはじめとする75篇の珠玉のエッセイ。

*目次
柿の秋
赤い風船
つくし
縁日
ネクタイ
あとがき
 解説 木村治美