絶版文庫書誌集成

角川文庫 【え】

エイゼンシュテイン / 佐々木 能理男訳編 (ささきのりお)
「映画の弁証法」
 (えいがのべんしょうほう)


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*263頁 / 発行 昭和28年
*カバー画像・平成元年刊「リバイバル・コレクション」版カバー

*カバー文
「戦艦ポチョムキン」の監督としてその名を知られるエイゼンシュテインは、数々の実践により、映画の基礎理論を確立した。本書は「映画の原理と日本文化」「モンタージュの方法」など彼の重要な映画理論を収録。

*目次
歌舞伎・予期しなかったもの
映画の原理と日本文化
映画の第四次元
アトラクションのモンタージュ
モンタージュの方法
知的映画
有音映画に関する「宣言」
映画形式の弁証法的考察
演劇から映画へ
映画形式 ― 新しい諸問題
力学的な正方形
撮影台本か。いや、映画小説を!
映画小説『古いものと新しいもの』
『ストライキ』の断片
 後記


永 六輔 (えいろくすけ)
「街=父と子 『父と子』三部作」
 (まちちちとこ)


*カバー・山下勇三
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*335頁 / 発行 昭和50年

*カバー文
 東京都台東区元浅草3丁目17番地。浅草永住町から元浅草3丁目などと、町名変更のおかげで味気のない名前になってしまったが、祖父も親父も僕も、もっともっと何代も前から、そこで生まれ、そこで育った。
 東京下町で、お寺の住職をする、明治生まれの父永忠順氏と、昭和生まれの、その子永六輔氏。両人の間に、世代を越えて通い合うのは、「街育ち」の気質と感覚である。
 父が子に、折々に寄せた手紙と、子による文章をとり合わせた、ユニークなスタイル。
 明治の芸人、下町風物、食べもの、お酒など多彩な話題のうちに、肉親の愛情と、下町っ子の人間像が、いきいきと躍動する。“父と子”三部作の第一冊。

*目次
 まえがき 永六輔 / ブラウン管の中の息子 / 芸人・その世界 / 明治はるあき / 明治風物誌 / 親子三代 / 街そだち / 浅草の祭り / 金鵞と伯円 / 忠順と六輔 / 親父の屁 / 親父と女房 / ヘソマガリズム / 酒について / 友田恭助のこと / 親と子のテレビ論 / 学童疎開 / 八月十五日 / 六輔について / あとがき 永忠順 / 解説 小林信彦


永 六輔 (えいろくすけ)
「旅=父と子 おやじ永忠順と訪れる見知らぬ横丁」 (たび=ちちとこ)


*カバー・山下勇三
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*282頁 / 発行 昭和50年

*カバー文
 僕にとって最初の旅は学童疎開だった。
 それ以後、知らない土地へ出発する不安と期待、その心情が麻薬のように僕を酔わせる。
 「いつでもどこかへ行きたい」男なのである。 ―
 ヨーロッパ、ソ連、ニューギニアの秘境、日本の地方のあの町、この町、そして、東京の神田、浅草。……
 ガイドブックも荷物も持たない、自由な旅に憧れる六輔氏が、外国、国内のさまざまな土地で見、心に感じたことを綴りつつ、旅とは何か?を語る、エッセイ。それについて父永順氏がもらす、卓抜な感想・批評。
 旅は人生、人生は旅である、とする親子の思想がかよい合う、“父と子”三部作の第2冊。

*目次
 まえがき / 旅……世は情け / 旅、気のむくまま / 世間は広いもの / ソ連、感じるままに / ごう・おん・まいうえい / 旅、友を訪ねて / 街を旅する / 浅草、思い出すまま / 旅、つれづれに / 解説 江國滋

*「父と子」三部作
 街=父と子
 旅=父と子
 女=父と子