絶版文庫書誌集成

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別役実 (べつやくみのる)
「戯曲・赤い鳥の居る風景」 
(ぎきょくあかいとりのいるふうけい)


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*319頁
*発行 昭和49年
*カバー写真 スタジオ・ノーヴァ

*カバー文
 背後に夜を暗示して音もなくひろがる真紅の夕焼け空。 ― 別役実の戯曲では、ある種の悪夢と郷愁を誘なう、メタフィジカルな童話と寓話の世界が語られる。言語自体がかもす不安と会話の不能性によって、苛立たしい発狂状態を静かに進行させながら。
 表題作「赤い鳥の居る風景」のほか背中のケロイドを街の人に誇示する被爆者の男を、詩的なモノローグと共に描いた秀作「象」、人形劇「青い馬」「黄色いパラソルと黒いコーモリ傘」「或る別な話」を収めた初期戯曲集。

*解説頁・金井美恵子


ヘミングウェイ 永井 淳訳 (ながいじゅん)
「危険な夏 ― 他四篇」
 (きけんななつ)


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*310頁 / 発行 1971年
*平成2年刊「リバイバル・コレクション」版カバー

*カバー文
一九五九年の夏、
ヘミングウェイはスペインに渡った。
真夏の午後、
強烈な陽ざしのもとでくりひろげられる、
闘牛。
悪魔的な誇りに駆られて
危険な業を競い合うふたりの闘牛士を描き
「生のさなかの死」を浮彫りにしたルポルタージュ。

*目次
危険な夏 / 密告 / 蝶々と戦車 / 戦いの前夜 / 尾根の下で / あとがき(訳者)


ヘミングウェイ著 龍口 直太郎訳 (たつのぐちなおたろう)
「キリマンジャロの雪」
 (きりまんじぇろのゆき)


*昭和44年発行の20世紀フォックス映画化カバー
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*288頁 / 発行 昭和44年

*カバー文
アフリカで病気にかかった作家ハリーは悪夢のごとく去来する過去の回想に耽り、ついに息を引きとる。愛と死の問題に深くふれた表題作他、「ミシガン湖畔」「エリオット夫婦」「異国にて」等の代表的短編集。

*目次
北の方ミシガン州にて
たいへん短い話
エリオット夫婦
二つの心臓を持つ大川(その一)
二つの心臓を持つ大川(その二)
事の終り
殺し屋
異国にて
白い象のような丘
アルプスの牧歌
清潔な明るい場所
世の光
キリマンジャロの雪
フランシス マコンバーの短い幸福な生涯
 解説
  ヘミングウェイ ― 人と作品
  短編作品について
 年譜


ヘルマン・ヘッセ (Hermann Hesse) / 井手 賁夫訳 (いであやお)
「ガラス玉遊戯」全2巻 
(がらすだまゆうぎ)


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*上巻327頁・下巻425頁・旧仮名旧字体
*発行 昭和30年
*平成2年発行リバイバル・コレクション版上巻カバー

*カバー文
“ガラス玉遊戯”という心の遊び、
それを組立てているのは音楽で、
その基礎をなすのは瞑想だ。
本書は晩年のヘッセが十一年間、
心血を注いで完成させた生涯の決算であり、
詩人の願う
「自然と精神のあいだの生命の振動」である。


ヘレン・ミアーズ 著・伊藤 延司訳 (Heren Mears・いとうのぶし)
「アメリカの鏡・日本 完全版」
(Mirror for Americans:Japan)
角川ソフィア文庫


*カバーデザイン・國枝達也
 カバー写真・(C)共同通信社 / アマナイメージズ
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*464頁
*発行 2015年

*カバー文
GHQ労働諮問委員会の一員として来日したミアーズ。中立な立場で日本を研究してきた彼女にとって、「軍事大国日本」は西欧列強が自ら作り上げた誇張であった。ペリーによる開国を境に平和主義であった日本がどう変化し、戦争への道を突き進んだのか。日本を西欧文明の鏡と捉え、満州事変を軸に中国・韓国との関係を分析しながら、アメリカが変えんとするその未来に警笛を鳴らす。マッカーサーが邦訳を禁じた日本論の名著。

*目次
完全版刊行にあたって / 第一章 爆撃機から見たアメリカの政策 / 第二章 懲罰と拘束 / 第三章 世界的脅威の正体 / 第四章 伝統的侵略性 / 第五章 改革と教育 / 第六章 最初の教科「合法的に行動すること」 / 第七章 鷲鳥のソース / 第八章 第五の自由 / 第九章 誰のための共栄圏か / 第十章 教育者たちの資質 / 付録 1 大西洋憲章 / 2 パールハーバー / 訳者あとがき