絶版文庫書誌集成

角川文庫 【ほ】

北條 民雄 (ほうじょうたみお)
「いのちの初夜」
 (いのちのしょや)


*カバー・大沢泰夫
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*242頁
*発行 昭和30年

*カバー文
 東京東村山の全生病院で、24歳の生涯を終った著者は、生前、苦悩の彷徨の虚無へ沈まず、絶望によってむしろ強められた健康な精神を文学の上に遺した。わずかに3年の余命を保つのみであったが、「文学界」に「いのちの初夜」が載ると大反響を呼んだ。この作品は独訳英訳により、外国へも強い感動を与えている。

*目次
いのちの初夜 / 眼帯記 / 癩院受胎 / 癩院記録 / 続癩院記録 / 癩家族 / 望郷歌 / 吹雪の産声
 あとがき / 北條民雄の人と生活 光岡良二 / 年譜


星 亮一 (ほしりょういち)
「会津藩燃ゆ ― 戊辰の残照」 (あいづはんもゆ ― ぼしんのざんしょう)


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*255頁
*発行 昭和62年
*カバー装画・村上豊

*カバー文
 幕末 ― 会津藩主松平容保と家臣たちは京都にいた。徳川一門最強の武士団として、京都守護に任ずるためである。公武一和を目指す容保は、孝明天皇の絶大な信頼を得ていた。しかし、薩長のクーデター、鳥羽・伏見戦争と続く激動の中で、会津は一転して朝敵とされ、“容保死罪”の沙汰が下った。
動揺する老臣たち、殺気立つ藩兵。会津藩はこれからどうなるのか ―
 容保は弱冠29歳の梶原平馬に会津藩の運命を托す。梶原は薩長に対抗するため奥羽越列藩同盟を画策するが……。迫真の歴史ドキュメント!


星 亮一 (ほしりょういち)
「続 会津藩燃ゆ ― ああ白虎隊」 
(ぞくあいづはんもゆ ああびゃっこたい)


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*256頁
*発行 昭和62年
*カバー装画・村上豊

*カバー文
 会津鶴ケ城は暗雲に覆われていた。天守閣から紅葉の山塊を見つめる会津藩主松平容保と主席家老梶原平馬の眸に苦悩の色があった。薩長に対抗して奥羽越がたちあがったこの戦いは、やむにやまれぬ正義の戦いだったが、同盟軍はいたる所で敗れている。越後が敗れ、白河も敗れ、二本松も落ちた。いまや鶴ケ城が最後の砦だった。
 城下に攻め入る西軍、白虎隊の自刃、婦女子をも巻き込んだ凄惨な市街戦―連日凄まじい砲撃に晒される鶴ケ城と会津藩の運命は? 迫真の歴史ドキュメント!

*解説頁 高橋千劔破(たかはしちはや)


星 亮一 (ほしりょういち)
「箱館戦争 ― 榎本艦隊北へ」
 (はこだてせんそう)


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*285頁
*発行 1988年
*カバー装画・村上豊

*カバー文
榎本艦隊来る ―
この知らせは、あっという間に奥州の隅々に広がった。兵士が各地から続々と集まってくる。
奥羽越列藩同盟は崩壊し、鶴ケ城で決死の戦いを続ける会津藩の抵抗も時間の問題だった。
薩長を相手に苦しい戦いを続ける幕府軍の最後の砦が榎本艦隊だった。
蝦夷地に独立国を ―
榎本武揚と彼の艦隊は北を目指し、箱館の五稜郭に拠って戦うが……
維新戦争最後の戦いを描く。


星 亮一 (ほしりょういち)
「続 箱館戦争 ― 碧血の碑」 (ぞくはこだてせんそう)


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*291頁
*発行 1989年
*カバー装画・村上豊

*カバー文
江差 ― 榎本軍にとって、江差は痛恨の海である。榎本軍の希望の星であった旗艦開陽は、暴風に襲われ、ここの海に沈んだ。決死の戦いを続ける榎本軍に薩長の軍艦は容赦なく砲撃をあびせ、ついに江差は陥落した。敵は箱館五稜郭に迫ろうとしている。蝦夷地に徳川の王国を築こうとする榎本武揚の夢は、はかなく消えるのだろうか。会津藩再興の悲願を榎本に託した会津藩士たちと、新選組残党土方歳三たちの運命は? 戊辰戦争最後の戦いを描く。


ボードレール著 / 佐藤 正彰・中島 健蔵訳 (baudelaire.charles / さとうまさあき・なかじまけんぞう)
「ボードレール芸術論」
(ぼーどれーるげいじゅつろん)


*平成元年刊「リバイバルコレクション」版カバー
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*228頁 / 発行 1989年

*目録文
ボードレールの鋭利な批判精神が芸術と都市の風俗流行を論じる。

*目次
テオフィル・ゴーティエ
ヴィクトル・ユゴー
ルコント・ド・リール
マルスリーヌ・デボルド・ヴァルモル
ギュスターヴ・フローベール『ボヴァリー夫人』
ユージェーヌ・ドラクロワの制作と生涯
近代生活の画家
リヒアルト・ワグナーとタンホイザーのパリ公演
青年文学者への忠言


ボードレール著 渡辺 一夫訳 (わたなべかずお)
「人工楽園」
 (じんこうらくえん)


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*213頁 / 旧仮名旧字体
*発行 昭和30年
*カバー画像・平成元年刊「リバイバル・コレクション」版カバー

*カバー文
徹底して俗物主義に対抗し
奇矯であることにつとめた
象徴派の巨人ボードレールは、
本書で、
酒、アシーシュ、阿片等の
効果と害毒について
陶酔と覚醒のなかで記す。

*解説頁・中島健藏


ホフマン著 石丸 静雄訳 (E.T.A Hoffmann いしまるしずお)
「牝猫ムルの人生観(上下)」
(めすねこむるのじんせいかん)


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*上308頁 / 下309頁
*発行 1989年再版
*平成元年発行「リバイバルコレクション」版カバー

*目録文
音楽の無限性を撞憬して滅亡する主人。それを模倣する牝猫ムル。