絶版文庫書誌集成

角川文庫 【ら】

落語協会編 (らくごきょうかい)
「古典落語@艶笑・廓ばなし 上」
 (こてんらくご)


*カバー・和田誠
(画像はクリックで拡大します)

*280頁 / 発行 昭和49年

*カバー文
 廓というすでに失われた世界の面影を今日に伝えるもののひとつは落語であり、特殊なその世界が同じかたちでは再び還ることがないという意味で、廓ばなしは、文字どおり落語における古典である。故志ん生「お直し」、当代三遊亭円生「居残り佐平次」、当代林家正蔵「品川心中」ほか廓を描いた名作に、軽妙な艶笑落語あわせて13篇を収める。

*目次
お見立て … 三遊亭円弥
辰巳の辻占 … 三遊亭円之助
宿屋ぽぽ … 橘家円太郎
とんちき … 柳家小せん
大男の女郎買い … 橘家円喬
お直し … 古今亭志ん生
なめる … 三遊亭円生
転宅 … 柳家小三治
羽織の遊び … 古今亭今輔
蛙茶番 … 三遊亭金馬
品川心中 … 林家正蔵
鈴ふり … 古今亭志ん生
居残り佐平次 … 三遊亭円生
 語注
 演者小伝
 解説 藤井宗哲
 さし絵 和田誠


落語協会編 (らくごきょうかい)
「古典落語A艶笑・廓ばなし・下」 (こてんらくご)


*カバー・和田誠
(画像はクリックで拡大します)

*271頁 / 発行 昭和49年

*カバー文
 “女郎買いふられて帰る果報者”“傾城にかわいがられて運のつき” ― 吉原、花魁の名もなつかしいいまは失われた風俗を伝える廓ばなしは、それのみでまた貴重な資料である。「明烏」「付き馬」の周知の作に、「目薬」「故郷へ錦」など寄席でも上演の機会の少ない名品を集成する、第1巻につづく艶笑落語集の決定版。

*目次
首ったけ … 古今亭志ん生
近江八景 … 三遊亭円之助
町内の若い衆 … 古今亭円菊
つきおとし … 春風亭柳朝
熊の皮 … 蝶花楼馬楽
明烏桂 … 桂文楽(八代目)
お茶汲み … 古今亭志ん生
春の夜ばなし … 麗々亭柳橋
故郷へ錦 … 三遊亭円楽(五代目)
紙入れ … 三遊亭円弥
目薬 … 橘家文蔵
付き馬 … 柳家小せん(初代)
三枚起請 … 金原亭馬生(十代目)
錦の袈裟 … 柳家小三治
 演者小伝
 解説 藤井宗哲
 さし絵 和田誠


落語協会編 (らくごきょうかい)
「古典落語B長屋ばなし・上」 (こてんらくご)


*カバー・和田誠
(画像はクリックで拡大します)

*269頁 / 発行 昭和49年

*カバー文
 長屋が江戸の庶民を代表するものであれば、長屋を舞台にしてくりひろげられる種々の笑いは、江戸落語の花である。「今なんどきだい?」で知られる三代目桂三木助「時そば」、故志ん生が好んで演じた「火焔太鼓」、たくあんを卵焼、お茶を酒に見たてての、当代入船亭扇橋の「長屋の花見」など、おなじみの長屋ばなしを各師匠の十八番より集録する。

*目次
初天神 … 三遊亭円弥
蝦蟇の油 … 金原亭馬生
胡椒のくやみ … 柳家さん助
孝行糖 … 金原亭馬生
三軒長屋 … 柳家小さん
今戸の狐 … 金原亭馬生
長屋の花見 … 入船亭扇橋
時そば … 桂三木助
一人酒盛 … 三遊亭円生
人形買い … 入船亭扇橋
もぐら泥 … 蝶花楼馬楽
粗忽長屋 … 柳家小さん
火焔太鼓 … 古今亭志ん生(五代目)
 演者小伝
 解説 藤井宗哲
 さし絵 和田誠


落語協会編 (らくごきょうかい)
「古典落語Dお店ばなし」 (こてんらくご・おたなばなし)


*カバー・和田誠
(画像はクリックで拡大します)

*259頁 / 発行 昭和49年

*カバー文
 長屋ばなしが江戸落語の花であるとき、もうひとつ、その世界に色どりをそえるものはお店ばなしである。旦那さまあり、番頭さんあり、そして奉公人もまたここでは一篇の主人公である。当代馬楽「猿後家」、当代小三治「錦明竹」その他、笑いから人情あふれるはなしまで、広く商家の哀歓を語った作品をあつめて一巻とする。

*目次
かつぎ屋 … 三遊亭円窓
猿後家 … 蝶花楼馬楽
質屋蔵 … 三遊亭円弥
錦明竹 … 柳家小三治
味噌蔵 … 桂三木助
悋気のこま … 柳家小さん(三代目)
あんまのこたつ … 入船亭扇橋
ざこ八 … 林家正蔵
百川 … 柳家小三治
和歌三神 … 柳亭燕路
火事息子 … 三遊亭円右
ちきり伊勢屋 … 林家正蔵
 演者小伝
 解説 藤井宗哲
 さし絵 和田誠


落語協会編 (らくごきょうかい)
「古典落語F旅・芝居ばなし」 (こてんらくご)


*カバー・和田誠
(画像はクリックで拡大します)

*267頁 / 発行 昭和49年

*カバー文
 歌舞伎を庶民に近づけたのはある意味において落語であろう。深刻ぶった歌舞伎の、代表的な忠臣蔵のパロディである「六段目」「七段目」や「一分茶番」、音曲ばなしとしても有名な「芝居風呂」等、現小さん師十八番の「二人旅」、円生師の「長崎の赤飯」、ブラックユーモア落語の「一眼国」等を含めた旅・芝居ばなしの傑作14篇。

*目次
一分茶番 … 三遊亭円弥
六段目 … 金原亭馬の助
きゃいのう … 柳家小せん
芝居風呂 … 蝶花楼馬楽
猫の忠信 … 桂文治
七段目 … 三遊亭円弥
一眼国 … 春風亭柳朝
富士参り … 三遊亭小円朝
二人旅 … 柳家小さん
朝這い … 橘家円喬
田能久 … 柳家つばめ
長崎の赤飯 … 三遊亭円生
 演者小伝
 解説 藤井宗哲
 さし絵 和田誠


落語協会編 (らくごきょうかい)
「古典落語G怪談・人情ばなし」 (こてんらくご)


*カバー・和田誠
(画像はクリックで拡大します)

*283頁 / 発行 昭和49年

*カバー文
 市井の片隅で起きたささやかな出来ごとを、その時代の話芸家たちは、他人事としてとらえずあくまでわがことのようにして一編一編を聞き手へ伝えた。「心眼」「鹿政談」をはじめ、いつの時代にも聴衆の感動を呼び、今後も名作の名に恥じない「文七元結」(ぶんしち もっとい)「うまや火事」の佳編。

*目次
心眼 … 三遊亭円朝
死神 … 三遊亭円窓
応挙の幽霊 … 蝶花楼馬楽
鰍沢 … 橘家円喬
鹿政談 … 橘家円太郎
こうふい … 橘家円蔵
紫檀楼古木 … 林家正蔵
佐野山 … 金原亭馬生
ねずみ … 入船亭扇橋
うまや火事 … 柳家小三治
芝浜 … 桂三木助
ねずみ穴 … 立川談志
文七元結 … 三遊亭円生
 演者小伝
 解説 藤井宗哲
 さし絵 和田誠


落語協会編 (らくごきょうかい)
「古典落語H武家・仇討ばなし」 (こてんらくご)


*カバー・和田誠
(画像はクリックで拡大します)

*280頁 / 発行 昭和49年

*カバー文
 封建時代の権威主義にまっこうからたてつくよりも、さらっとしたからかいによって自己主張をした、それは落首ほどの辛辣さもなく、遠まわしで精一杯の抵抗でもある。四代目、すなわち品川の円蔵の名作「首提灯」をはじめ、速記本としては珍しい当代の人気者、三平・円歌の地ばなし「源平」「西行」を収録した傑作14編。

*目次
目黒のさんま … 金原亭馬生
泣き塩 … 古今亭志ん生
粗忽の使者 … 三遊亭円遊
源平 … 林家三平
高田の馬場 … 三遊亭金馬
盃の殿様 … 三遊亭円生
井戸の茶碗 … 春風亭柳朝
岸流島 … 三遊亭小円朝
西行 … 三遊亭円歌
宿屋の仇討 … 桂三木助
禁酒番屋 … 柳家小さん
山岡角兵右衛 … 三遊亭小円朝
音提灯 … 橘家円蔵
たがや … 金原亭馬生
 演者小伝
 解説 藤井宗哲
 さし絵 和田誠


上方落語協会編 (かみがたらくごきょうかい)
「古典落語I上方ばなし」 (こてんらくご)


*カバー・和田誠
(画像はクリックで拡大します)

*293頁 / 発行 昭和50年

*カバー文
 戦後まもなく、それでさえ少なかった上方落語界の巨匠連があいついで亡くなり、一時は上方落語の燈が消えたとさえいわれた。その時代に噺家になった当代米朝、松鶴、小文枝、春団治の上方落語四天王が、苦節三十年の間に上方ばなしの粋と饒舌の素晴らしさを見事に伝え残してくれた代表傑作ほか、次代をになう若手真打の枝雀の「鷺とり」、福団治の「七度狐」など佳作を含めた13編。

*目次
野崎参り … 桂春団治
天王寺参り … 笑福亭松鶴
天神山 … 桂小文枝
いかけ屋 … 桂春団治
市助酒 … 笑福亭松鶴
鷺とり … 桂枝雀
船弁慶 … 桂小文枝
七度狐 … 桂福団治
地獄八景 … 桂米朝
皿屋敷 … 桂米朝
景清 … 林家染丸
 演者小伝
 解説 藤井宗哲
 さし絵 和田誠


ラーゲルレーフ著 / 石丸 静雄訳 (いしまるしずお)
「幻の馬車」 
(まぼろしのばしゃ)


(画像はクリックで拡大します)

*163頁
*発行 昭和34年
*カバー画像・平成2年発行「リバイバル・コレクション」版

*カバー文
「ニルスのふしぎな旅」で有名なノーベル文学賞受賞作家が、現実世界と死の世界を微妙に交錯させながら、驚くべき想像力で描く、現代文学の異例の傑作。


ラフカディオ・ハーン著 / 田代 三千稔訳
「日本の面影」
 (にほんのおもかげ)


(画像はクリックで拡大します)

*245頁 / 発行 1958年
*カバー画像・平成元年発行「リバイバル・コレクション」版

*カバー文
ギリシアの血とアイルランドの血をうけたハーンは、東洋の孤島に放浪の足を止め、「日本の魂の発見者」となった。
この神秘的な浪漫詩人は、印象的な筆致で物珍しい生活と美と心を描いた。
「盆おどり」など二十三篇収録。

*目次
東洋の第一日 / 盆おどり / 子供の霊の洞窟―潜戸 / 石の美しさ / 英語教師の日記から / 日本海のほとりにて / 日本人の微笑 / 夏の日の夢 / 生と死の断片 / 停車場にて / 門つけ / 生神 / 人形の墓 / 虫の楽師 / 占の話 / 焼津にて / 橋の上 / 漂流 / 乙吉の達磨 / 露のひとしずく / 病理上のこと / 草ひばり / 蓬莱 / 訳註 / 年譜 / 解説


ラ・ロシェフコー 吉川浩 訳 (よしかわゆたか)
「人生の知恵 ― 省察と箴言」 (じんせいのちえ しょうさつとしんげん)


(画像はクリックで拡大します)

*203頁 / 発行 昭和43年
*カバー画像・平成2年刊角川文庫リバイバルコレクション版 / カバーデザイン・鈴木一誌+蒲谷孝士

*カバー文
ラ・ロシェフコー公爵は
生涯にただ一冊の書物しか残さなかった。
驚くばかりの心理分析と
人間観察に裏打ちされた
この辛辣な箴言集により、
彼はフランス文学史上
異彩を放つ存在となっている。

*目次
人生の知恵
 ラ・ロシェフコー自画像
 人間についての箴言集
 さまざまなる省察
 解説 
  ラ・ロシェフコー ― その生涯と思想
  『人生の知恵 ― 省察と箴言』について
  参考文献
  ラ・ロシェフコー年表


ランボオ著 祖川 孝訳 (そがわたかし)
「ランボオの手紙」
 (らんぼうのてがみ)


(画像はクリックで拡大します)

*206頁・旧仮名旧字体
*発行 昭和26年

*カバー画像・平成元年発行「リバイバル・コレクション」版

*カバー文
地獄の季節破棄説の真相、アラビアへの逃亡、ブラッセル事件等を中心に展開する天才詩人ランボオの書簡は、彼の生活をなまなましく露呈している。ランボオ自筆の挿絵、陳述書を折り込んだ本書は単なる書簡集ではない。