絶版文庫書誌集成

角川文庫 【そ】

袖井 林二郎 (そでいりんじろう)
「私たちは敵だったのか ― 在米ヒバクシャの黙示録」
(わたしたちはてきだったのか)


*カバー・上原徹
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*348頁 / 発行 昭和55年

*カバー文
 〈祖国日本〉に里帰り中、原爆に被爆した日系二世アメリカ人たち。かれらは終戦後、国籍を有する国・アメリカに帰るが、戦中かれらを〈非国民〉視した日本と同様、アメリカはHIBAKU−SHAを受容しようとはしない。「私たちは〈敵〉であったのか? 私たちの国・アメリカにとっても、祖国・日本にとっても……」大宅賞受賞の気鋭のライターが、〈祖国〉のいみを問い、日米および〈核〉にかかわる根を追究する。決して「過去の問題」となりうるはずのないテーマをめぐる、われらのためのドキュメント現代史!

*目次
1 広島からヒロシマへの道
2 砂漠の中の生と死
3 母国の却火が焼く
4 原子野に向かう男たち
5 来る二世、帰る二世
6 祖国は異国だった
7 絵のないジグソウパズル ― 1
8 大統領の患者が死んだ
9 「死に損ない記念日」の呼びかけ
10 発見されたHIBAKUSHA
11 お前たちは敵だったのだ
12 被爆線量を求める旅
13 絵のないジグソウパズル ― 2
14 アメリカ ―― 一九七五・八・六
15 はげましと利用と支持と……
16 医師団は来たけれど
17 ワシントンがやって来た
18 「我ら皆ヒバクシャ」
 あとがき
 主要参考文献・資料
 関連略地図
 文庫版あとがき
 解説 小中陽太郎