絶版文庫書誌集成 角川文庫 【て】 ホーム | 角川文庫目次 寺山 修司 (てらやましゅうじ) 「戯曲 青森県のせむし男」 (ぎきょくあおもりけんのせむしおとこ) (画像はクリックで拡大します) *274頁 / 発行 1976年 *カバー・林静一 *カバー文 役場の戸籍係が疾走した。大正家の争いに巻き込まれるのを恐れたのだ。大正家の女中マツは息子に犯され、赤児を産む。世間体を考えた大正家は下男にその子を捨てさせる。時が経ち、老夫婦と息子は死に、マツが主人になっている大正家に醜いせむし男が現われた! 見世物小屋のもつ怪奇幻想的雰囲気をバックに陰惨な血の因果応報を描いた表題作他、数々のグランプリを受賞した「邪宗門」等傑作戯曲四篇を収録。 *目次 青ひげ / 青森県のせむし男 / 大山デブコの犯罪 / 邪宗門 / 犬神 / 解題 寺山 修司 (てらやましゅうじ) 「戯曲 毛皮のマリー」 (ぎきょくけがわのまりー) *カバー・林静一 (画像はクリックで拡大します) *352頁 / 発行 1976年 *カバー文 著者の下宿の裏通りには街娼がよく出没した。その中の54歳の娼婦が実は男だと知り、作った表題作は都内中のゲイバーのママが総出演し、アンダーグランド・カルチャーの仇花となった。“ワイ談で、野放図で、ぶちこわし型で、その中に人間存在の根源をさがし求めてゆく”やり方は、新劇の啓蒙的近代主義へのアンチ・テーゼとなった。1960年安保闘争を描いた処女戯曲「血は立ったまま眠っている」他、戯曲と同時代のすれちがいを提示しつつ、現代寺山演劇の萌芽を内包する初期傑作戯曲集。 *目次 さらば、映画よ アダムとイヴ、私の犯罪学 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている 星の王子さま 解題 寺山 修司 (てらやましゅうじ) 「戯曲 毛皮のマリー・血は立ったまま眠っている」 (ぎきょくけがわのまりー・ちはたったままねむっている) (画像はクリックで拡大します) *342頁 *発行 2009年 *カバー写真 / モデル・華恵 / 撮影・新津保建秀 / ヘア&メイク・樅山敦 / スタイリスト・北澤“momo”寿志 / 着付・オフィスパルワ / 衣装協力・撫松庵〔新装大橋〕 カバーデザイン・鈴木成一デザイン室 *カバー文 美しい男娼マリーと養子である美少年・欣也とのゆがんだ激しい親子愛を描き、1967年の初演以来、時代を超えて人々に愛され続けている「毛皮のマリー」。そのほか1960年安保闘争を描いた処女戯曲「血は立ったまま眠っている」、「さらば、映画よ」「アダムとイヴ、私の犯罪学」「星の王子さま」を収録。寺山演劇の萌芽が垣間見える、初期の傑作戯曲集。 寺山 修司 (てらやましゅうじ) 「スポーツ版裏町人生」 (すぽーつばんうらまちじんせい) (画像はクリックで拡大します) *216頁 *発行 昭和58年*カバー・林静一 *カバー文 勝とうとしながら勝てず、怨念のうちに燃えつきていったヒーローたち。たとえば、甲子園の花形選手からプロ入りし、引退後、消息不明になった藤尾。唖のボクサー〈ぶち牛〉。生活保護法による、みすぼらしい老後を送った昭和初期の名物力士、新海。 さまざまなジャンルのスポーツの世界で、転落の人生を送った選手たちにスポットライトをあて、同時にその回りに吹き溜まりのように群がる賭け屋、情報屋などの裏街紳士たちの人生をも、作者自身の人生と重ねて描く。 *解説頁・西野ひろよし