絶版文庫書誌集成

角川文庫 【と】

東郷 隆 (とうごうたかし)
「定吉七番シリーズA ロッポンギから愛をこめて」
 (さだきちせぶん)


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*304頁
*発行 昭和60年
*カバー、挿絵・泉晴紀

*カバー文
 汎関東主義(パン・イースタニズム)秘密結社“NATTO”の殺人組織、駅弁王・幕内弁助(まくのうちべんすけ)が率いる“KIOSK”は、たび重なる失敗と西側の工作により苦境に立たされていた。この情勢を一気に挽回すべく、彼らが選んだ新たな犠牲(いけにえ)は、関西一の殺人丁稚、大阪商工会議所情報部員定吉七番であった。
 二重、三重に仕掛けられた罠におびきよせられた定吉は、絶体絶命のピンチにどう立ち向かう!?
 大好評、書下しドタバタ・アクション・シリーズ、情無用の第二弾。

*解説頁・川又千秋


時実 新子 (ときざねしんこ)
「恋歌ノート」
(こいうたのーと)


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*211頁
*発行 平成6年
*カバー・原研哉

*カバー文
句集「有夫恋」でベストセラーを放ち、「熱の舌しびれるように人を恋う」「愛はそのとき物乞いに似たるかな」などの激しい恋の歌で知られる川柳界の第一人者・時実新子が、百人一首の中から好きな恋歌を選び出し、自作の川柳をからめて古今の恋心を解釈した新しい恋愛論。

…それにしても、百人一首には来ぬ人を待つ歌の多いこと。そういう私も人を待ちつづけた季節があるにはあったが…。 〜本文より〜

*解説頁・塚本邦雄


トマス・マン著 竹山道雄訳 (たけやまみちお)
「マリオと魔術師 ― 他一篇」 
(まりおとまじゅつし)


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*158頁・旧仮名旧字体 / 発行 昭和30年
*カバー画像・平成元年刊「リバイバル・コレクション」版カバー

*カバー文
いかなる深淵にも
恐れることなく降りゆく
果敢な冒険者、マン。
本書は、ロマン主義の鬼子ナチスの影が
しのびよるドイツで、
魂の深層に潜む前理性的なものの
巧妙な利用を描いた「ファシズムの心理学」である。

*目次
マリオと魔術師
混亂と稚き惱み
 譯註
 あとがき


朝永 三十郎 (ともながさんじゅうろう)
「決定版 近世における『我』の自覺史新理想主義とその背景」
 (きんせいにおけるがのじかくし)


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*215頁 / 発行 昭和27年

*目次
 序 / 新版序 / 改訂版序 / 決定版序 / 文庫版のために 朝永振一郎
一 近世における「我」の自覺史
 一 「ルネッサンス」における「我」の發見
 二 中世における教權中心主義
 三 「我」と教權 ― ~祕説(宗教改革及び「理想の哲學」の先驅)
 四 「我」と國家 ― 立憲政治運動
 五 「我」と理知 ― 主知主義、及びこれに對する反動
 六 「我」と自然 ― 機械觀的人生觀及び世界觀
 七 多數個「我」間の紐帶の喪失
 八 超個人「我」の發見 ― カント
 九 超個人「我」の絶對化 ― 「ロマンティック」期
 一〇 「我」の自律の否定 ― 理想主義の没落 ― 自然主義の跳梁
 一一 「我」の自律の囘復 ― 新理想主義
 一二 ドイツにおける新理想主義 ― 西南ドイツ派
 一三 要約 ― 理性我の自律
二 自然必然的、精~必然的、及び目的觀批判的
 註
 解説 三井浩
 年譜
 索引


トルストイ著・中村 融訳 (tolstoy・なかむらとおる)
「芸術とは何か」
(げいじゅつとはなにか)


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*260頁
*発行 1952年
*平成2年刊「リバイバル・コレクション」版カバー / カバーデザイン・鈴木一誌

*目録文
思想転換の苦悩の末、新キリスト教の立場から美の本質を問う名著。

*目次
第一章〜第二十章(結論) / 原著附録 / 本書の要約 / 解説


トロツキー著 山西 英一訳 (やまにしえいいち)
「ロシア革命史」【全三冊】
(ろしあかくめい)

*発行 昭和29年

*カバー文
ペレストロイカが進むソヴィエトで復権が噂されるトロツキーが二年の歳月をかけて執筆した本書は、帝政ロシアの?落に
始まるロシア革命の本質を明らかにした他に類を見ない感動的な革命の絵巻物である。【全3冊】

 *カバー画像・平成元年刊「リバイバルコレクション」版 / カバーデザイン・鈴木一誌 (画像はクリックで拡大します)