絶版文庫書誌集成
河出文庫 【ふ】
福永 武彦 (ふくながたけひこ)
｢風のかたみ｣ (かぜのかたみ)
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＊416頁
＊発行 2015年
＊カバーデザイン・坂野公一(welle design) / カバー装画・松浦シオリ
＊カバー文
百鬼夜行の都は今、盗賊が跋扈し、陰陽師が名を高めていた。京に上った若侍、大伴の次郎信親は叔母の忘れ形見、萩姫を恋慕う。だが萩姫は一夜を契った男、安麻呂が忘れられない。笛師の娘、楓は次郎を一途に思う。錯綜する男女の思惑。命を懸けた恋の行方は……今昔物語に材をとった王朝ロマンの名作。 ◎解説＝池澤夏樹
福永 武彦 (ふくながたけひこ)
｢塔｣ (とう)
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＊260頁
＊発行 1984年
＊目録文
清冽な魂の遍歴をつづる｢塔｣ほか、｢雨｣｢水中花｣など、戦後文学を飾るみずみずしい処女短篇集
＊目次
塔 / 雨 / めたもるふぉおず / 河 / 遠方のパトス / 時計 / 水中花
福永 武彦 (ふくながたけひこ)
｢内的獨白｣ (ないてきどくはく)
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＊244頁 / 発行 昭和58年
＊カバー・著者自装
＊カバー文
青春時代以来、多年にわたり敬愛し続けてきた堀辰雄をめぐり、さまざまな考察を重ねた長篇エッセイ。堀辰雄の生い立ちの秘密―実の父親の存在―にかんする堀辰雄自身の認識を中心に、先達・中野重治や佐多稲子、さらに研究者らの証言、調査、論文などに綿密な考証をくわえ、孤独でしかもあたたかな魂を持つ作家の人間像を、その生きた時代に合わせ明らかにする。著者最晩年の問題作！
＊解説頁・加賀乙彦
福永 武彦 (ふくながたけひこ)
｢幼年｣ (ようねん)
＊カバー装画・著者
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＊191頁 / 発行 昭和60年
＊カバー文
思い出そうとしても思い出せない、薄明の時間。けれども夢の感触、匂い、くりかえしあらわれる情景などが、いまなお私をそこへ誘うことをやめない、源初の時 ―― 幼年。生まれたばかりで失った母への憧れを闇に辿り、死への恐れと親和とに導かれながら涯しない虚無の空間に連なる、これは記憶をつらぬいてされる純粋な溯行の旅である。福永文学を解く鍵となる作品であり、最良の結晶として輝く。
＊目次
幼年
伝説
邯鄲(かんたん)
風雪
あなたの最も好きな場所
湖上
著者ノートにかえて 母と暗黒意識 加賀乙彦
船山 馨 (ふなやまかおる)
｢幕末剣士伝｣ (ばくまつけんしでん)
＊カバー装画・三井永一
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＊266頁 / 発行 昭和56年
＊カバー文
坂本龍馬暗殺の下手人と目される見廻組の精鋭・今井信郎と渡辺吉太郎。徳川家の終幕を飾った美剣士・伊庭八郎。最後の大刺客・榊原鍵吉と無頼の天才・勝小吉。そして沖田総司、人斬り以蔵、河上彦斎など京洛に鳴り響いた刺客たち……剣という旧時代の象徴にすべてを賭けて疾風怒濤の変革期の修羅場を駆け抜けて行った男たちの人生のドラマ ―― 巨匠が円熟の歴史眼で捉えた卓抜の剣士列伝！
＊目次
第一話 今井信郎
第二話 渡辺吉太郎
第三話 岡田以蔵
第四話 伊庭八郎
第五話 秋山要助
第六話 河上彦斎
第七話 沖田総司
第八話 榊原鍵吉
第九話 勝小吉
著者ノートにかえて 修羅場を駆け抜けた男たち 清原康正
船山 馨 (ふなやまかおる)
｢幕末の女たち｣ (ばくまつのおんなたち)
＊カバー装画・三井永一
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＊261頁 / 発行 昭和56年
＊カバー文
坂本龍馬の妻となりながら、龍馬の没後三十年を失意のうちに生きたお龍。父親が龍馬の暗殺者であったことを証明するために生涯の執念を燃やして老いた女。日本最後の仇討ち“筑前黒田藩主邸事件”の影に泣いた少女お玉。周囲の非難にもめげず公然と異人を愛した江戸の町娘の心意気……日本の夜明けに咲き、散った女たちの流転の人生を深い共感をこめて描く、傑作｢幕末剣士伝｣の姉妹篇！
＊目次
冬の螢 / 谷地の花 / 刺客の娘 / 葉蔭の露 / 血風油小路 / 十三人目の刺客 / 真葛ヶ原心中 / ながれ藻 / おらんだ時雨
著者ノートにかえて 女たちの愛の歴史 清原康正
船山 馨 (ふなやまかおる)
｢落日の門｣ (らくじつのもん)
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＊232頁 / 発行 昭和60年
＊カバー装画・岡田まりゑ
＊カバー文
頼朝・頼家・実朝 ― 平家を倒し、権力の頂点をきわめた源氏三代の背後に忍び寄る北条一族の黒い影……頼朝とともに鎌倉幕府を築き、尼将軍の異名をとった政子の野望と血族への愛惜の葛藤を軸に繰りひろげられる非情な策謀と熾烈な暗闘。梶原・畠山・和田ら、源氏を支えた有力武士集団が次々と潰滅して行く果てに、源氏の大いなる落日が待受けていた ― 巨匠が心魂を注いだ長篇歴史絵巻！
＊解説頁・尾崎秀樹
古川 緑波 (ふるかわろっぱ)
｢ロッパ随筆 苦笑風呂｣ (ろっぱずいひつ くしょうぶろ)
＊カバーデザイン・市川衣梨
カバー写真提供・共同通信社
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＊211頁 / 発行 2015年
＊カバー文
都会派のインテリ喜劇王ロッパは、シネフィル、食いしん坊、そして達意の名エッセイストでもあった。ここには食談や酒話、そして映画から何から、大好物のはずのお風呂の一本まいった話、浅草、丸の内、京都、それから小咄、文芸時評などなどをつめこんだ、一冊まるごとてんこ盛りロッパ・ワールドです。
＊目次
苦笑風呂 / 初雀 / 楽天主義の躓き / 非常酒談 / 銀座友達 / 馬脚綺譚
○
ロッパ小咄 / 映画それからそれ / 映画漫談 / キーニーとチャップリン / 女優論 / 風呂の東京 / みんな仲よし / ｢おかぐら兄弟｣撮影開始 / 京都通信 / 大映印象記 / 金魚の気持 / ｢若き日の感激｣想い出 / 天国の旅 / 食べ人の記 / 歌手になるには
○
ロッパ放談 / 文芸時評
あとがき
解説 ｢まけず嫌ひの意地っぱり｣面目躍如 矢野誠一
