絶版文庫書誌集成

河出文庫 【ほ】

星 新一 (ほししんいち)
「祖父・小金井良精の記」上下
 (そふこがねいよしきよのき)




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*上巻417頁・下巻383頁
*発行 2004年
*カバー装幀・山元伸子

*カバー文
上巻
小金井良精は安政五年(一八五八)、越後長岡藩士として生まれた。戊辰戦争を指揮して新政府軍に敗れた河井継之助や、「米百俵」で名を馳せる小林虎三郎とは姻戚関係にあった。会津への敗走行を経験して維新を迎え、東大医学部の前身に入学、ドイツ留学など、苦学力行して解剖学の草創期を築いた。森鴎外の妹との結婚、アイヌの人骨研究など、前半生を描く。

下巻
小金井良精の解剖学の関心は、人類学、考古学の方へも及び、退官後も先住民族、古事記の研究などに尽力し、晩年まで大学に通った。さまざまな出会いも広がり、娘婿星一、考古学者大山柏、政府の黒幕杉山茂丸、そして名もない市井の人々との交情を大切に、戦争へと向かう明治・大正・昭和の歴史を、時代に翻弄されずに誠実に生きた。著者畢生の大河小説。

*解説頁(下巻収録) 作家・星新一のルーツ ― 長山靖生


堀 淳一 (ほりじゅんいち)
「地図を歩く」
(ちずをあるく)


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*306頁 / 発行 1984年

*目録文
紀行、地図評論、地図と鉄道の話など、地図にまつわるさまざまの話題を集めた著者会心のエッセイ集

*目次
一 地図に遊ぶ
二 地図を考える
三 地図を歩く
四 幻の鉄路を歩く
あとがき / 文庫版あとがき