絶版文庫書誌集成

河出文庫 【か】

海音寺 潮五郎 (かいおんじちょうごろう)
「大化の改新」
(たいかのかいしん)


*カバーデザイン・山元伸子
(画像はクリックで拡大します)

*358頁 / 発行 2008年

*カバー文
五世紀末、雄略天皇没後の星川皇子の反乱に始まる、古代史激動の二百年を活写する歴史読み物。物部氏の滅亡、聖徳太子親政、蘇我蝦夷・入鹿父子の専横と、乙巳の変〜大化の改新の政治改革、そして壬申の乱…。『日本書紀』の記述を作家・海音寺潮五郎が、わかりやすく、独自の史観で刻明に再構成する。

*目次
1 皇位継承をめぐる中央豪族と地方豪族の争い
2 平群氏の強盛と滅亡
3 皇統また見失わる
4 仁徳から継体までの日韓の交渉
5 両朝並立とヤマト政権の全国制覇
6 任那日本府の滅亡
7 三韓が思想・文物・工芸・生活に及ぼした影響
8 仏教の伝来
9 蘇我氏の進出
10 蘇我・物部の抗争
11 聖徳太子
12 蘇我氏の極盛時代
13 蘇我氏の滅亡
14 大化の改新
15 中ノ大兄皇子の苦悶
16 壬申の乱
17 天武天皇の政治
 あとがき
 文庫解説 『日本書紀』を独自の史観で読み解く 遠山美都男


海渡 英祐・石川 喬司・都筑 道夫・邦 正彦・小栗 虫太郎・中井 英夫・山田 正紀
「不思議の国のアリス・ミステリー傑作選」
 
(ふしぎのくにのありすみすてりーけっさくせん)


*カバー装幀・巌谷純介
(画像はクリックで拡大します)


*238頁 / 発行 1988年

*カバー文(アンソロジー)
不思議国に迷い込んだアリスは被害者? それともメイ探偵? 三月兎は誘拐犯? ハートの女王は殺し屋? 笑い猫は……
海渡英祐・石川喬司・都築道夫・邦正彦・小栗虫太郎・中井英夫・山田正紀らが、ルイス・キャロルの名作「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」をテーマにしたり、パロディ化した推理傑作集! 遊びに行ったらもう戻れない、謎と悪夢の迷宮ランドを一度覗いてみませんか?

*目次
死の国のアリス ― 海渡英祐(かいとえいすけ)
アリスの不思議な旅 ― 石川喬司(いしかわたかし)
鏡の国のアリス ― 都筑道夫(つづきみちお)
不思議の国の殺人 ― 邦 正彦(くにまさひこ)
方子と末起 ― 小栗虫太郎(おぐりむしたろう)
干からびた犯罪 ― 中井英夫(なかいひでお)
襲撃 ― 山田正紀(やまだまさき)
 解説 横井 司


加賀 乙彦 (かがおとひこ)
「犯罪」
(はんざい)


(画像はクリックで拡大します)

*253頁
*発行 1986年

*目録文
ある日突然、何処かでそっと殺意が芽生える……平凡な日常に隠された現代人の魂の惨劇を描く連作

*目次
大狐 / 池 / 冬の海 / 暗い雨 / 漁師卯吉の一生 / ある歌人の遺書 / 嘔気 / 十五歳の日記


各務 三郎編 (かがみさぶろう)
「ホームズ贋作展覧会」 (ほーむずがんさくてんらんかい)


*カバー装幀・巌谷純介
(画像はクリックで拡大します)

*293頁 / 発行 1989年

*カバー文
すべてのミステリー・ファンが愛読した懐かしのホームズへの、深い敬愛をこめ創作された、世界レベルの贋作傑作選! ミステリーの女王クリスティーや、あのトム・ソーヤーのマーク・トウェインなど英米の第一級の文学者・推理作家九名が技巧をこらし薀蓄を傾けて、深刻にまたユーモラスにホームズの牙城に迫ります。選り抜きの傑作ぞろい、もしかしたら、いや多分、これは原作よりおもしろい?

*目次
指名手配の男 アーサー・コナン・ドイル 日暮雅通訳
珍本「ハムレット」事件 ヴィンセント・スターリット 各務三郎訳
狙われた男 スチュアート・パーマー 大村美根子訳
コデイン(七パーセント溶液) クリストファー・モーリー 吉野美耶子訳
消えた貴婦人 アガサ・クリスティー 深町眞理子訳
怯える准男爵 オーガスト・ダーレス 田村源二訳
テルト最大の偉人 アンソニイ・バウチャー 伊藤典夫訳
〈引立て役倶楽部〉の不快な事件 W・ハイデンフェルト 高見浩訳
名探偵誕生 マーク・トウェイン 山本光伸訳
 解説 各務三郎


金井 美恵子 (かないみえこ)
「タマや」
河出文庫文藝COLLECTION



*カバー装幀・装画 金井久美子
(画像はクリックで拡大します)

*202頁 / 発行 1999年

*カバー文
元ポルノ男優のハーフ。その姉は父親不詳の妊娠中に、借金と猫を残してトンズラ。彼女に惚れてる五流精神科医はぼくの異父兄。臨月の猫は押しつけられるし、変な奴等が押しかけるし……。ユーモア冴え渡る女流文学賞受賞作。

*目次
タマや
賜物(たまもの)
アマンダ・アンダーソンの写真
漂泊の魂
たまゆら
薬玉(くすだま)
 「タマや」について ―― あとがきにかえて
 文庫本のためのあとがき
 解説 偶然の幸福な芋ヅル式の連鎖 ―― 保坂和志

講談社文庫版(サイト内リンク)


金井 美恵子 (かないみえこ)
「道化師の恋」
(どうけしのこい)
河出文庫文藝COLLECTION



*カバーデザイン・金井久美子
(画像はクリックで拡大します)

*331頁
*発行 1999年

*カバー文
若くして引退した伝説的女優颯子はオフクロの自慢のイトコ。彼女との情事を書いた善彦は、学生作家としてデビューすることになった。ありふれた新人作家に人妻との新たな恋が訪れるが、はたしてその恋は、第二作を生むのか。

*解説頁 愉悦の翻弄 江國香織


金井 美恵子 (かないみえこ)
「文章教室」 (ぶんしょうきょうしつ)
河出文庫文藝COLLECTION


(画像はクリックで拡大します)

*326頁
*発行 1999年
*カバー装幀・金美久美子

*カバー文
恋をしたから「文章」を書くのか? 「文章」を学んだから、「恋愛」に悩むのか? 普通の主婦や女子学生、現役作家、様々な人物の切なくリアルな世紀末の恋愛模様を、鋭利な風刺と見事な諧謔で描く、傑作長編小説。

*解説頁・「無限の《読み》を誘うレリーフ」三浦俊彦


川勝 正幸 (かわかつまさゆき)
「21世紀のポップ中毒者」
(にじゅういっせいきのぽっぷちゅうどくしゃ)


*カバーデザイン・松本弦人(SB)
 カバーのガイコツの絵柄は、著者が41歳の時に右肩に入れたタトゥを模写したもの、オリジナル図案は、メキシコの画家、ホセ・グアダルーペ・ポサダの作。
(画像はクリックで拡大します)

*544頁 / 発行 2013年

*カバー文
本書のために著者が自らつけたコピーは「ポップ・カルチャーは、世界のうつに風穴を開ける」。9・11以降、2000年代を覆った閉塞感の中で、パリやバンコクへと飛び、国内では菊地成孔のジャズや宮藤官九郎のドラマを追い続けたシリーズ最終作。セミ・フィクション「エロス+満腹」、下井草秀とのユニットで豪華ゲストを招いた「文化デリックのPOP寄席」など新境地もあり。

*目次
1 アフター9・11
2 王道への、回顧ではなく、回帰へ。
3 80年代の落とし前
4 素人。をディレクション
5 あの団欒の中で集まろう
6 官能帝国で考え中
7 差異を差異として楽しむ態度
8 アジアン・ビューティに首ったけ
9 エロス+満腹
10 文化デリックのPOP寄席2007
11 華麗なる加齢、過激なる華麗。
12 音楽のらせんをひとっ飛び
謝辞
解説 近田春夫 菊地成孔
年表&仕事リスト
インデックス


河出書房新社編集部編 (かわでしょぼうしんしゃへんしゅうぶ)
「デジタルガイド車窓の旅A 東海道・山陽新幹線下」
(でじたるがいどしゃそうのたび)


(画像はクリックで拡大します)

*136頁
*発行 1984年

*目録文
楽しさ倍増、新編集による新幹線集中絵地図ガイドの第二弾! 新大阪 ── 博多間553・75キロの旅


河出書房新社編集部編 (かわでしょぼうしんしゃへんしゅうぶ)
「漫画集 13人の金曜日」
(まんがしゅうじゅうさんにんのきんようび)


(画像はクリックで拡大します)

*296頁
*発行 1985年

*目録文
ついにヒトコマ漫画の時代がやってきた。当代名人13人による書き下ろし、絶対笑える二六〇点傑作

*収録作家
西村晃一 / 所ゆきよし / 千葉督太郎 / 多田ヒロシ / 矢尾板賢吉 / 山田紳 / 松本覚 / 牧野圭一 / 秋竜山 / 鮎沢まこと / 水野良太郎 / 篠原ユキオ / 森田拳次


河出書房新社編集部編 (かわでしょぼうしんしゃへんしゅうぶ)
「やまとことば ― 美しい日本語を究める」


*カバーデザイン・渋川育由
(画像はクリックで拡大します)

*249頁 / 発行 2003年

*カバー文
私たちが日頃から使っている日本語は、古代の風土が培った「言の葉」と多くの漢語・外来語によって成り立っている。
日本語の骨格を形づくり血と精霊が息づく「やまとことば」の謎に迫り、その深い味わいを解く「純日本語」論集。
「ことば」で思い考える現代に遙かな示唆を与えてくれる、日本を代表する研究家たちの珠玉のアンソロジー。

*目次
字音語考 … 丸谷才一
「合」という言葉 … 大岡信
「思う」という言葉 … 宮柊二
よういわんわ ― 古語について … 田辺聖子
もうひとつ再考 … 三國一朗
歌謡曲における格助詞について … 井上ひさし
オノマトペの先進地〈俳句〉 … 佐佐木幸綱
現代詩とヤマトコトバ … 富岡多恵子
感動詞アイウエオ・対談 … 大野晋・丸谷才一
批評用語としての大和言葉 … 久保田淳
日本語語彙 ― 固有語と外来要素 … 山田俊雄
文体(カキザマ)の事(古事記伝一之巻) … 本居宣長[大久保正訳]
漢字はなくなるか … 野村雅昭
空車 … 森?外
古語復活論 … 折口信夫
子供と言葉 … 柳田國男
南風 … 山本健吉
ことばの古代生活誌(抄) … 古橋信孝
著者紹介・出典一覧


河盛 好蔵 (かわもりよしぞう)
「巴里好日」
(ぱりこうじつ)


*カバーPHOTO・(C)P.I.A.
(画像はクリックで拡大します)

*211頁 / 発行 昭和59年

*カバー文
フランスが仏蘭西であり、パリが巴里であった、なつかしき良き時代ベル・エポック……戦前のパリ留学以来度重なるフランス滞在をふまえて語る、この街の限りない魅力! 日仏にわたる著者の広い教養に裏うちされた滋味豊かな名エッセー。

*目次
T ベル・エポック
 ベル・エポック

U パリの日本人
 パリの日本人 / 巴里籠城日誌 / ゴングールとのり巻 / 黒田清輝のパリ便り / 画家清輝の出発 / 洋行奇談・新赤毛布 / 昔の洋行費 / パリの刑務所 / ある衛生器具の話 / 日本人とユーゴー / パリの日本料理店 / クレマンソーと日本 / チップの国 / パリ嫌い / 五月革命の思い出

V パリの匂い
 スタンダール小路九番地 / メゾン・クローズ / クルチザーヌ / モンパルナスのヴィーナスたち / エロチック辞典 / 遅まきながら / 小紅亭探訪 / 思い出のコクトオ / ミラボー橋界隈 / ガランドホテル

W 食べもの飲みもの
 大デュマの『料理大辞典』 / フォワ・グラ / 野鳥料理 / ふぐは食いたし / ナポレオンの早飯 / 十八世紀の日本料理店 / 始めが大事 / 食卓での礼儀 / カフェ・リッシュ / 美食文学詞華集 / パリ食信 / ブドー酒漫談
 あとがき


川柳 川柳 (かわやなぎせんりゅう)
「寄席爆笑王 ガーコン落語一代」
(よせばくしょうおう がーこんらくごいちだい)


*カバーデザイン・山元伸子
 カバー写真撮影・武藤奈緒美
 カバーフォーマット・佐々木暁
(画像はクリックで拡大します)

*238頁 / 発行 2009年

*カバー文
昭和三十年、名人圓生に入門を許され、三遊亭さん生となる。無類の酒好きが昂じ、何度もしくじる。寄席はうけなきゃ意味ないよ、とソンブレロ姿にギターを抱え、ラテン、ジャズ、歌謡曲を織り混ぜた高座で一躍マスコミの寵児に。東宝オマンコ事件から落語協会分裂騒動まで、痛快無比の落語一代記。

*目次
前口上 伝説の人・川柳川柳と狂演す 笑福亭鶴瓶

【上席】平成の爆笑王による“ガーコン”的自叙伝
 軍国少年 / 大戦突入 / 学徒動員 / 酒屋の小僧 / 噺家入門 / しくじり前座 / 褌、ウンコ事件 / 二つ目昇進 / 若手勉強会発足 / 古典から新作へ / 落語界のアイ・ジョージ / 車と酒 / 敬愛した稲荷町の師匠 / 遠くなって行く圓生 / 加州名人会 / ようやく真打昇進 / 落語協会、分裂騒動 / 芸名返上、そして改名 / 巨星、墜つ / 最後のしくじり?

【下席】絶対放送禁止! 自作艶笑落語集
 その一 ● 川柳のヰタ・セクスアリス
 その二 ● 楽屋助平列伝
 その三 ● 間男アラカルト
 その四 ● 東宝オ××コ事件

〈解題〉顧客中心主義、川柳川柳! 塚越孝
文庫解説 その後の川柳川柳 塚越孝
文庫版あとがき 川柳川柳