絶版文庫書誌集成

河出文庫 【ま】

正岡 容 (まさおかいるる)
「圓太郎馬車 ― 正岡容寄席小説集」
(えんたろうばしゃ)


*カバーデザイン・松岡史憲
(画像はクリックで拡大します)

*405頁 / 発行 2007年

*カバー文
「正岡の小説は、正岡が、自分自身の書いた小説の声を『きいている』感じで書かれてある。読者はそれを、わずかな時差をもって追体験する」(いしいしんじ/解説より)。
表題作他、三遊亭圓朝の若き日の追想「圓朝花火」、古今亭志ん生が自らの半生を重ねたという「寄席」など、今もって新鮮な四篇を収録。

*目次
初看板
園太郎馬車
圓朝花火」
寄席
 解説 いしいしんじ


正岡 容 (まさおかいるる)
「小説 圓朝」
(しょうせつえんちょう)


*カバーデザイン・松岡史恵
(画像はクリックで拡大します)

*392頁 / 発行 2005年

*カバー文
落語史に燦然と輝く明治の大名人、三遊亭圓朝にも長い長い修業時代があった。その意外に知られていない挫折の日々を、明治生まれの作家・正岡容は、詳細な資料と落語への深い愛情をもとに描きだす。今では、“落語の神様”とまで崇められる圓朝のイメージを爽やかに裏切る、昭和十八年刊の傑作が復活!

*目次

第一話 初一念 ── 泣き虫次郎
第二話 芸憂芸喜 ── 師匠と弟子と
第三話 続 芸憂芸喜 ── 青の芸
第四話 拾遺 芸憂芸喜 ── もつれた糸
第五話 五彩糸 ── 扇一本舌三寸
 我が圓朝研究
 あとがき
 解説 桂米朝


正岡 容 (まさおかいるる)
「寄席囃子 ― 正岡容寄席随筆集」
(よせばやし)


*カバーデザイン・松岡史恵
(画像はクリックで拡大します)

*266頁
*発行 2007年

*カバー文
消えた芸人、忘れられないあの芸……大正から昭和にかけて寄席に通い詰めた著者が、その風景、芸人たちの姿を克明に記した貴重な記録。表題作他、「寄席風俗」「わが寄席青春録」などの名随筆から、さらに寄席・落語にまつわる逸品を選りすぐり。

*目次
随筆 寄席囃子
随筆 寄席風俗
艶色落語講談鑑賞
寄席行燈
わが寄席青春録
 解説 坂崎重盛


真継 伸彦 (まつぎ のぶひこ)
「鮫」
(さめ)


(画像はクリックで拡大します)

*261頁
*発行 昭和55年
*カバー原画・一字蓮台法華経(福島・龍興寺) / デザイン・多田進

*カバー文
越前・三国湊近くの海辺に非人の子として生まれ、〈鮫〉と呼ばれて飢えと差別のなかで育った若者は、母の死を契機に京に上る。時は中世、応仁の大乱たけなわの頃であった。人肉を喰らい犯した女を殺し悪逆の限りをつくして生きる〈鮫〉の前に現われた蓮如上人の娘・見玉尼 ―― 宗教と政治の相剋を通して、人間の極限を描き、萬屋錦之介らの主演で東映より映画化された文藝賞受賞の力作長篇!