絶版文庫書誌集成

河出文庫 【つ】

塚本 邦雄 (つかもとくにお)
「十二神将変」
 (じゅうにしんしょうへん)


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*269頁
*発行 1997年
*カバー装幀・間村俊一

*カバー文
ホテルの一室で一人の若い男が死んでいた。そのかたわらには十二神将像の一体が転がり……精神病理学者、サンスクリット学者、茶道宗匠、とある山麓に魔方陣をかたどった九星花苑をつくり、秘かに罌粟を栽培する秘密結社。彼らが織りなすこの世ならぬ秩序と悦楽の世界……現代短歌界に聳え立つ巨匠が、23年昔書き下ろした絢爛豪華な幻の名作ミステリーが文庫に!

*巻末エッセイ 天球の方陣花苑 中野美代子
*解説 島内賢二


塚本 邦雄 (つかもとくにお)
「定家百首 ― 良夜爛漫」
(ていかひゃくしゅ)


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*261頁
*発行 昭和59年

*カバー文
王朝末期の詩歌の輝きを一身に集めて聳え立つ天才歌人・藤原定家の作品の魅力を語りつくす見事な評釈 ――
定家自身が編んだ家集『拾遺愚草』の三千六百余首の和歌の中から、現代短歌の鬼才塚本邦雄が、秀歌中の秀歌百首を選び、一首一首に詩形式の訳を試み、鬼気さえ帯びた妖艶な美の世界を流麗明快に評釈・鑑賞した、定家和歌味到の書。「藤原定家論」併録。


辻 邦生 (つじくにお)
「パリの手記 全5巻」 (ぱりのしゅき)








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*T 229頁 / U 235頁 / V 220頁 / W 281頁 / X 297頁
*発行 1984年
*カバーデザイン・井上亜樹

*カバー文
辻邦生の最初のパリ滞在は、一九五七年十月から一九六一年二月までで、その前後にフランス船による一ヶ月の航海をともなっている。『パリの手記』はこの全時期に書かれた日記である。
ピアニストが絶えずピアノをひくように「絶えず書く」ことを自らに課しながら、小説の可能性を求めて綴ったこの手記は作家・辻邦生が誕生するための、苦闘と歓喜の記録である。

*目録文
海そして変容 ── パリの手記T
 三年間のヨーロッパ留学中に書き留められた青春の記。辻文学のエッセンス。1957年9月〜58年5月

城そして象徴 ── パリの手記U
 三年間のヨーロッパ留学中に書き留められた青春の記。辻文学のエッセンス。1958年5月〜59年1月

街そして形象 ── パリの手記V
 三年間のヨーロッパ留学中に書き留められた青春の手記。辻文学のエッセンス。1959年1月〜8月

岬そして啓示 ── パリの手記W
 三年間のヨーロッパ留学中に書き留められた青春の手記。辻文学のエッセンス。1959年8月〜60年8月

空そして永遠 ── パリの手記X
 神々の死の後に小説は如何にして可能か? 作家辻邦生の誕生を記す苦闘と歓喜のパリの手記・最終巻