絶版文庫書誌集成

講談社文庫 【ふ】

福島 正実編 (ふくしままさみ)
「千億の世界 海外SF傑作選」
 (せんおくのせかい)


*カバー装画・斎藤和雄
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*295頁 / 発行 昭和50年

*カバー文
高度の知性をもつ宇宙人と地球人が遭遇すれば……。SFの長い歴史で最も伝統を誇り輝ける作品群をうんだ宇宙SF。

*目次
宇宙翔けるもの  イワン・エフレーモフ
最初の接触  マレイ・レンスター
宇宙の漂泊者  アレクサンドル・コルパコフ
創世記  H・ビーム・パイパー
黒い破壊者  A・E・ヴァン・ヴォクト
逃亡者  クリフォード・D・シマック
 解説 福島正実


福永 武彦・中村 真一郎・丸谷 才一 (ふくながたけひこ・なかむらしんいちろう・まるやさいいち)
「深夜の散歩 ― ミステリの愉しみ」
 (しんやのさんぽ)


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*279頁
*発行 1981年
*カバー装画・和田誠

*カバー文
密室。指紋。足跡。凶器。さまざまに仕掛けられたトリックのナゾを、デュパンが探る、ブラウン神父が追う、ポワロが解く、マーロウが暴く――語りつくせぬ外国ミステリの不滅の魅力・醍醐味を、自他ともにマニアをもって認ずる知的作家が、三人三様、縦横に論じきって、ファン必携のバイブルとまで目される名著。


福永 武彦 (ふくながたけひお)
「辰雄・朔太郎・犀星 ― 意中の文士たち(下)」
(たつお・さくたろう・さいせい)
講談社文芸文庫 現代日本のエッセイ


*装幀・菊地信義
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*250頁 / 発行 1994年

*カバー文
作家としての福永武彦が、現代にふさわしい小説を書こうと意図したとき、たくまずその脳裏に浮かんだ先達ともいうべき作家たち ── 彼らへの「感謝の現れ」、オマージュとして捧げたのが「意中の文人たち」である。本書にはその下巻 ── 福永が最も親炙(しんしゃ)し敬愛した堀辰雄、その魂の内面の表現に深く共感を寄せた萩原朔太郎・室生犀星についてのこよなく優れたエッセイを収めた。

*目次

堀辰雄の作品
堀辰雄と外国文学との多少の関係について
堀辰雄の「荷風抄」
萩原朔太郎の肖像
室生犀星小伝
室生犀星の詩集
 初出一覧


福永 武彦 (ふくながたけひこ)
「塔」 
(とう)


*カバー装画・南桂子
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*263頁 / 発行 昭和59年

*カバー文
春の蝶に誘われた少年の「僕」は、冒険を求めて、曠野の中に聳え立つ塔に行く。塔の中にある部屋々々を遍歴した僕は、権勢を掌握し、不可思議を探り、豪奢に酔い、人間の智慧を極める。次いで愛を得、最後の部屋に到達した時、僕の前に開けた運命は? 鮮やかな幻想世界を構築した「塔」他、初期の作品六編を収録。

*目次


めたもるふぉおず

遠方のパトス
時計
水中花
 解説 白井健三郎


福永 武彦 (ふくながたけひこ)
「夜の三部作」
 (よるのさんぶさく)


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*428頁
*発行 昭和46年

*カバー文
人間を内面から動かしている眼に見えない悪意のようなもの ― 暗黒意識を幻覚化し、死の強迫観念と、それから逃れるための願望としての生への燃焼を基軸に、独自の抽象世界を構築した福永文学の傑作『冥府』『深淵』『夜の時間』三部作の決定版。

*解説頁 長田弘


復本 一郎 (ふくもといちろう)
「芭蕉の言葉 『去来抄』〈先師評〉を読む」
(ばしょうのことば きょらいしょう せんしひょうをよむ)
講談社学術文庫


*カバーデザイン・竹元良太
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*304頁 / 発行 2016年

*カバー文
芭蕉が門人に語り残した俳諧観の数々、それが『去来抄』中の“先師評”である。俳聖が求めてやまなかったものとはなにか。実際の句作に即して具体的に述べられる一語一語は、時空を超えて読む者の心を突き刺し、ゆさぶる。いまを生きる俳人が古典を読み解く喜びを示し、現代俳句に活を入れる。付録に江戸期の田辺文里『去来抄解』の一部を載せた。

*目次
 はじめに
1 発想の機構 / 2 発句(俳句)の条件 / 3 名勝俳句の詠み方・読み方 / 4 主宰者たるものの姿勢 / 5 肯定、評価された「俗情」 / 6 表現の「いやしさ」の排除 / 7 主宰の出身地への影響力 / 8 類句のこと / 9 釈教句の詠み方 / 10 着眼点の摸倣 / 11 発句(俳句)の条件・続 / 12 内面世界の形象化 / 13 作者と作品 その一 / 14 作者と作品 その二 / 15 新奇な言葉への警告 / 16 一句の働き / 17 作りものとしての俳句の面白さ / 18 「さび」の美のバリエーション / 19 主観句と客観句 / 20 鑑賞ということ / 21 時と情(こころ) / 22 句の構造 / 23 <手柄>ということ / 24 発句の余情 その一 / 25 発句の余情 その二 / 26 心余りて詞(ことば)たらず / 27 作品を理解するということ / 28 俗談平話 その一 / 29 俗談平話 その二 / 30 俳意 / 31 ふれる・ふれぬの論 / 32 句のはしり・心のねばり / 33 フィクション俳句 / 34 付合(つきあい)の要諦 / 35 歳旦三つ物の脇(さいたんみっつもののわき) / 36 「手帳」その一 / 37 「手帳」その二 / 38 素材の吟味 / 39 花の定座(じょうざ)のこと その一 / 40 花の定座のこと その二 / 41 位(くらい)のこと その一 (修練) / 42 位のこと その二 (未練) / 43 甘味(かんみ) ── 恋の座 / 44 長(たけ)高い発句 / 45 算用を合わせた発句
 あとがき / 付 田辺文里著『去来抄解』<先師評> / 講談社学術文庫版あとがき


冨士 信夫 (ふじのぶお)
「私の見た東京裁判(上下)」 (わたしのみたとうきょうさいばん)
講談社学術文庫



*カバーデザイン・蟹江征治
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*上510頁・下604頁 / 発行 1988年

*カバー文
上巻
東京裁判とは、いったい何だったのだろうか。著者は元海軍少佐。終戦後、第二次復員省の戦争裁判関係の事務を処理する大臣官房臨時調査部の法廷係として、東京裁判を傍聴し、概要を調査部に伝える任務をあたえられた。東京裁判の開廷から立証、論告、判決にいたる全審理を傍聴人席から冷静な眼で見守り続けた著者は、当時の克明な観察記録と法廷速記録の引用をもとに、ここに見事にその姿を再現した。東京裁判の真実を明かす必読の書。

下巻
読者は先ず目次にも眼を通して頂きたい。通例の書物の目次に対するのとは少しく違った、然るべき注意を以てそれを読み、東京裁判なるものの全体の枠組と経過とを先ず把握し、その上で、その各段階でどの様な事が起り、論ぜられ、判断され、認識されたのかという次第を虚心に追求してみて頂きたい。傍聴人席から見た東京裁判。

*目次
上巻
まえがき
一 はじめに
 1 偶然に関わり合った世紀のドラマ / 2 東京裁判とは
二 開廷、罪状認否、裁判所の管轄権を巡る法律論争
 1 開廷 / 2 罪状認否 / 3 裁判所の管轄権を巡る法律論争
三 検察側の立証を追って
 1 キーナン首席検察官の冒頭陳述 / 2 「日本の政治及び輿論の戦争への編成替」に関する立証 / 3 「満州における軍事的侵略」に関する立証 / 4 「満州国建国事情」に関する立証 / 5 「中華民国の他の部分における軍事的侵略」に関する立証 / 6 「南京虐殺事件」に関する立証 / 7 「日独伊関係」に関する立証 / 8 「日ソ関係」に関する立証 / 9 「日英米関係」に関する立証 / 10 「戦争法規違反」に関する立証 / 11 被告の個人責任に関する追加立証
四 公訴棄却に関する動機
五 一般問題に関する弁護側立証
 1 清瀬弁護人の冒頭陳述 / 2 一般問題に関する立証 / 3 満州及び満州国に関する立証 / 4 中華民国に関する立証 / 5 ソ連邦に関する立証 / スミス弁護人永久除外

下巻
六 被告の個人立証
 1 木戸幸一被告 / 2 嶋田繁太郎被告 / 3 東郷茂徳被告 / 4 東條英機被告
 ウエップ裁判長の一時帰国
七 検察側反駁立証
八 弁護側再反駁立証
九 検察側最終論告
 1 キーナン首席検察官の序論 / 2 被告の責任に関する一般論告 / 3 被告の責任に関する個人論告
十 弁護側最終弁論
 1 審理過程に見る論告と弁論の相違 / 2 鵜沢弁護人の総論 / 3 一般弁論中の事実論 / 4 各被告の個人弁論
一一 弁護側最終弁論に対する検察側回答
一二 判決を待つ間
 1 天皇の戦争責任と退位問題 / 2 刑の量定についての報道 / 3 米人弁護人罷免問題 / 4 法廷内の改装等に関する報道 / 5 判決時期の予測に関する報道
一三 判決
 1 判決公判の経過を顧みて / 2 裁判所の本判決 ― パル判決と対比しつつ ―
一四 刑の執行とその後
 1 米大審院への訴願 / 2 刑の執行とその後
一五 おわりに
 参考文献等
 解説 … 小堀桂一郎


藤枝 静男 (ふじえだしずお)
「空気頭・欣求浄土」 
(くうきあたま・ごんぐじょうご)


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*269頁
*発行 昭和48年
*カバーデザイン・亀倉雄策 / カバー装画・駒井哲郎

*カバー文
結核を通して肉体というものの業と、性的人間に於ける業といったものを医者の見地から追及。コラージュ的手法により畸型な世界を創造し、真の自己表現に到達した芸術選奨文部大臣賞受賞作「空気頭」と、穢土を厭離しようと願う痛切な思いをこめた「欣求浄土」を収録。精神の領域への果敢な探検家による最高の成果。

*解説頁・川村二郎


藤原 審爾 (ふじわらしんや)
「花氷」〈上下〉
 (はなごおり)




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*上巻306頁・下巻277頁
*発行 昭和53年
*カバー装画・中村直人

*カバー文
上巻
雪子、風子、鳥子は父母に先だたれ、きびしい生活のうずに巻きこまれた。しかし、風子は風子の、鳥子は鳥子の、それぞれの愛をはぐくみ、また雪子も妹たちの行末を気づかいながら自分の愛を温める。美貌の姉妹がたどった愛、しっとりとふくよかな愛の相を、落着いた武蔵野の風光を背景に展開する感動の長編。

下巻
画家との平穏ならぬ生活を続ける風子、現代的で向う見ずな鳥子、二人の妹たちは姉の雪子が心配するほど姉を思ってくれない。彼女たちのいかにも頼りなげな愛の行末を気づかい、思いわずらいながら、雪子もいつかひそやかな愛をはぐくんでいった。……美貌の三姉妹がそれぞれにたどる愛の運命を描く長編ロマン。

*解説頁・江國 滋


二木 謙一 (ふたきけんいち)
「合戦の文化史」 (がっせんのぶんかし)
講談社学術文庫


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*272頁
*発行 2007年
*カバー図版・大阪夏の陣屏風図(大阪城天守閣所蔵)
 カバーデザイン・蟹江征治


*カバー文
時代の最先端の技術が集約される戦争において、古代より武器・武具はどのように進化し、戦闘法はどう変わったのか。また、勇壮な舞台の裏側で死を覚悟した武士は何を思ったのか。「晴れの場」であった戦場における武士のいでたちと戦い方から、死者の葬礼・供養など儀礼にいたるまで、有職故実研究の第一人者が、合戦の知られざる背景を明らかにする。

*目次
学術文庫版まえがき
1 日本における武器の発生
  スタートの遅い日本の武器使用 / 攻撃用利器 / 飛道具 / 馬の戦闘使用 / 日本の武器のルーツ
2 古代日本の軍事体制
  危機のなかの軍制改革 / 徴兵制度 / 地方の軍団 / 宮廷護衛兵 / 日本列島防衛体制 / 兵士の一日 / 古代日本の軍事力
3 坂東の「兵」たち
  武者の世の胎動 / 馬と弓と坂東武者と / 「兵」たちの系譜 / 「兵」の館 / 物語に描かれた「兵」の世界 / 「兵」から武士団へ
4 源平武将出陣のいでたち
  源平武将の武者ぶり / 直垂 / 鎧と兜 / 太刀 / 矢と弓 / 従者の腹巻と胴丸 / 戦場の美学
5 鎌倉武士と武芸
  鎌倉幕府の武芸奨励 / 頼朝の巻狩 / 流鏑馬 / 笠懸賞と挟物 / 犬追物 / 鎌倉幕府の正月的始 / 兵法故実の整備
6 室町幕府の京都防衛と将軍親衛隊
  足利政権のしいた背水の陣 / 京都の治安維持にあたった侍所 / 将軍親衛隊の整備 / 足利将軍を守った「儀礼」の防壁 / 落日の幕府の防波堤
7 戦国時代の武器と戦闘
  転換期の戦争 / 威力が強まった殺人兵器 / 甲冑の変化 / 戦場のはなやかな小道具 / 戦国大名の強兵策 / 戦国武将と兵法 / 日本武将の実力
8 戦国武将と死の覚悟
  生死の淵に立つ乱世の武将 / 壮烈な武将の死にざま / 名誉の戦死で優遇される子孫 / 戦国武将出陣の胸中 / 戦国武将の死生観
9 戦国時代の葬礼と供養
  死者にむける乱世武将の心 / 敵の首に礼をつくした首実検 / 荘厳な武将の葬礼 / 死者に敵味方なし / 戦国武将のヒューマニズム
10 天下統一期の軍紀と刑罰
  信長・秀吉軍団の兵士統帥 / 武断的な戦国の掟 / 命令下達の徹底 / 軍令違反と制裁 / 非人道的な乱世の刑罰
11 江戸幕府の軍事制度
  江戸開幕と軍制改革 / 将軍親衛隊の拡充 / 江戸幕府の防衛体制 / 軍役規定の確立 / 泰平とともに弱まった軍事力
12 江戸時代の武術と兵法学
  現代武道の原点 / 達人武芸者の輩出 / 兵法学の勃興 / 武術・兵法学諸流派の続出 / 「術」から「芸」、そして「道」へ
13 幕末における洋式軍事研究
  海防論の高まり / 軍事研究に熱中した先覚者たち / 開国と幕府の再軍備 / 幕末の軍事研究と日本の近代化
14 維新政府の軍事改革
  丸腰でスタートした天皇政権 / 軍事力保持に苦慮した維新政府 / 天皇直属軍の設置と廃藩置県 / 軍事力の拡大と徴兵制施行 / 武士の世の終わり

主要参考文献
あとがき


舟橋 聖一 (ふなはしせいいち)
「芸者小夏」
(げいしゃこなつ)
講談社文芸文庫


*デザイン・菊地信義
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*368頁
*発行 2013年

*カバー文
温泉芸者の子に生まれ、水商売の中で育った夏子。この宿命の絆を断ち切りたいと希いながらも外に道はなく、夏子は十五で芸者小夏となった。純情を捧げた初恋の教師に裏切られ、夏子は日ましに“女”になっていく ―― 。若き日に色町に親しみ男女の情愛の機微を知る著者が戦後の脂の乗りきった時期に書き継ぎ、「夏子もの」として人気を博した連作小説の第一作。

*巻末頁
 解説 松家仁之 / 年譜 久米勲 / 著書目録 久米勲


舟橋 聖一 (ふなはしせいいち)
「悉皆屋康吉」
(しっかいやこうきち)
講談社文芸文庫


*デザイン・菊地信義
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*320頁
*発行 2008年

*カバー文
呉服についての便利屋であり、染色の仲介業者でもある「悉皆屋」の康吉は、職人としての良心に徹することで、自らを芸術家と恃むようになる。大衆の消費生活が拡大する大正モダニズム期には、華美で軽佻な嗜好を嫌い、二・二六事件の近づく昭和前期には、時代の黒い影を誰よりも逸早く捉える男でもあった。著者が戦時下に書き継ぎ、芸術的良心を守った昭和文学史上の金字塔と評される名作。

*巻末頁
 解説 出久根達郎
 年譜 久米勲
 著書目録 久米勲


古山 高麗雄 (ふるやまこまお)
「小さな市街図」
 (ちいさなしがいず)


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*227頁
*発行 昭和49年
*カバー装画・桂ゆき

*カバー文
朝鮮の新義州にあった旧日本人町の市街図作りを発端にして、未知の男女の心に甦る植民地時代の日々 ― 。敗戦につぐ引き揚げという動乱の時代を共有しながら、今はそれぞれの生を抱いてすれちがう。したたかな視点で現代史の一断面をとらえ、人生の無常を描破した傑作。芸術選奨新人賞受賞。

*解説頁・日野啓三


フラナー・ジャネット著 吉岡 晶子訳 (Janet・Flanner よしおかあきこ)
「パリ点描 1925ー1939」
(ぱりてんびょう)
講談社学術文庫


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*421頁
*発行 2003年
*カバー写真・パリのカフェ「ドーム」 / カバーデザイン・蟹江征治

*カバー文
知的で革命的な芸術運動、シュールレアリスムの最盛期。一九三〇年前後、喧噪渦巻く華の都、パリ。そこには、ジョイス、コクトー、ラヴェル、そしてピカソがいた。馴染みの人々の消息、また、文学・演劇・舞踏会の様子から政治問題やスキャンダルまで、パリを彩る出来事を満載。パリを愛した『ニューヨーカー』の女性特派員が、明快でエレガント、やや辛辣な筆致で綴るパリ便り。


フランクリン著 斎藤 正二訳
「フランクリン自伝」



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*380頁
*発行 1973年

*カバー文
貧しい印刷工から身を起こした著者は、勤勉と向上心を信条にして、人々の信望を得、ついに指導的人物になった。常に市民の側に立って発言・行動し、人間の向上を目指したフランクリン――その生涯の自伝は、人生の指針と知恵を授ける"永遠の教科書"である。「冨にいたる道」も併せた新訳。


ブラントーム著 鈴木 豊訳 (すずきゆたか)
「好色女傑伝 (上)」 (こうしょくじょけつでん)


*カバー装画・三井永一
(画像はクリックで拡大します)

*発行 1980年

*カバー文
偉大なる名家に生まれ、青年時代から特異な読書癖をもったブラントームは、ラブレエやモンテーニュの著作に劣らぬ「好色女傑伝」を著した。16世紀上流社会の男女の情事から閨房のひめごと、さらには糞尿譚に至るまで赤裸々に、しかしながら、おおらかで健康的に、そしてユーモラスに描いた不朽の名著である。

*目次
第一講 よろめき婦人とコキュにされる宿六について
第二講 情事でもっとも心みち足らせるものはお触りの楽しみか、見る楽しみか、喋る楽しみか
 ヴァロワ王朝系譜(1)
 ヴァロワ王朝系譜(2)
 訳注
 解説 鈴木豊

*上下巻全二冊


ブラントーム著 鈴木 豊訳 (すずきゆたか)
「好色女傑伝 (上)」 (こうしょくじょけつでん)
講談社文芸文庫


*カバーデザイン・菊地信義
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*455頁 / 発行 2002年

*カバー文
一五四〇年頃、南フランスの名門貴族の家に生まれたブラントームは軍人としてヨーロッパ各地を転戦し見聞を広めた。四十歳過ぎに落馬事故に遭い故郷に隠退すると、余生をもっぱら回想録の執筆に費した。当時のフランス宮廷や貴族社会の色模様をおおらかで健康的に、しかもユーモアたっぷりに描いた本書は、艶笑文学の古典的名作として広く読み継がれてきた。

*目次
第一講 よろめき婦人とコキュにされる宿六について
第二講 情事でもっとも心みち足らせるものはお触りの楽しみか、見る楽しみか、喋る楽しみか
 訳注
 解説 鈴木豊

*上下巻全二冊