絶版文庫書誌集成

講談社文庫 【て】

ディケンズ著 小池 滋訳 (こいけしげる)
「オリヴァー・トゥイスト」



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*708頁
*発行 昭和46年

*カバー文
救貧院生れの孤児オリヴァーは、周辺をとりまく悪徳と偽善の波に翻弄され、その純な心をいためるが、善なる者の出現によって慰められ、傷もいやされる。
社会派としての良心から、19世紀イギリスのさまざまな社会悪を、善との対決の場で告発するディケンズの代表的長編。

*解説頁・小池 滋


出口 京太郎 (でぐちきょうたろう)
「巨人 出口王仁三郎」
 (きょじんでぐちわにさぶろう)


*カバー写真・出口王仁三郎作の耀椀(ようわん)
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*462頁 / 発行 昭和50年

*カバー文
― 日本の近代が生んだ「巨人」と、上田正昭教授は「解説」にいう。出口王仁三郎は明治四年、京都亀岡の小農の子として生れた。「何ぞ貧者の児たるを恥んや」と、迫害や受難に屈せず、堂々たる宗教家の道を歩んだ。彼が叫び実践した「世の立直し」は、閉塞の時代に悩む現代人に感銘以上の指針を与えよう。

*目次
出口王仁三郎師の思い出 今東光
 第一部 山河草木
第一章 きさやんは八文 / 第二章 丹波霧 / 第三章 全国を制覇する長髪予言族
 第二部 東亜経綸
第一章 国家転覆の危険団体 / 第二章 『霊界物語』世に出る / 第三章 ウルトラ・ドン・キホーテ
 第三部 海洋万里
第一章 東方の聖者、馬をすすむ / 第二章 順風に帆を揚げて / 第三章 スフィンクス
 第四部 天祥地瑞
第一章 朝嵐 / 第二章 陽気なワニはうたう / 第三章 耀椀顕現す
 出口王仁三郎 年譜 / 引用・参考文献 / あとがき / 文庫版あとがき / 解説 上田正昭


寺山 修司 (てらやましゅうじ)
「思想への望郷」
(しそうへのぼうきょう)
講談社文芸文庫


*デザイン・菊地信義
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*288頁
*発行 2004年

*カバー文
「書を捨てよ、街へ出よう」に象徴される寺山の思想。時代を牽引する七人の思想者との対論により、内蔵する逆理の根源が浮彫りにされる。鶴見俊輔との対話「読書論」、三島由紀夫「抵抗論」、塚本邦雄「ことば」、別役実「わらべ歌考」、種村季弘「都市とスペクタクル」、岸田秀「物語としての“宗教”」、死を可視した寺山の希求により実現した吉本隆明との対話「死生観と短歌」、代表的対談七篇を精選収録。


寺山 修司 (てらやましゅうじ)
「ロング・グッドバイ 寺山修司詩歌選」
(てらやましゅうじしいかせん)
講談社文芸文庫



*デザイン・菊地信義
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*256頁 / 発行 2002年

*カバー文
昭和二十九年、十八歳で「短歌研究」新人賞を受賞。二十一歳の時最初の作品集『われに五月を』を刊行。「天井桟敷」の設立ほか多分野に亘って人々を魅了した寺山修司の代表的作品群を新編集。詩、短歌、俳句、物語、散文詩の五章で構成し、未刊詩集、未刊歌集、絶筆、遺稿等を含め収録。「私という謎寺山修司エッセイ選」と対をなす決定版詩歌集。

*目次
T 詩
 五月の詩 / 未刊詩集 ロング・グッドバイ / 劇詩集 銀幕哀吟
U 短歌
 初期歌篇 / 空には本
/ 血と麦 / 田園に死す / テーブルの上の荒野
V 俳句
 初期句篇 / 後期句篇
W 物語
 かくれんぼ / ケ・セラセラ / 海には言えない / 母恋春歌調 / 浪曲新宿お七
X 散文詩
 死のジャンケン / 自分だけのもの / 世界は日の出を待っている / 壁ごしのアフリカ / Dig / 少年のための「Home
Again Blues」入門 / ベットからの正しい出かた / 墓場まで何マイル?(絶筆) / 懐かしのわが家(遺稿)
 解説 齋藤愼爾