絶版文庫書誌集成
吉川英治文庫 (旧版) 41～50
42
｢新版天下茶屋｣ (しんぱんてんかじゃや)
(画像はクリックで拡大します)
＊364頁 / 発行 1977年
＊カバー装画・三井永一
＊カバー文
仇討ちものといえば赤穂義士が第一であるが、これは多くの作家が筆を染めた。天下茶屋は不思議と作家が避けた。 ― ならば天下茶屋と、著者が食指を動かした第一の理由である。第二の理由は、事件の背景となった嵐を孕む時代相である。全国を興奮の坩堝と化した関ヶ原前夜。そこに生きる人間の相(すがた)。刃を切結ぶ両者と取りまく人々の複雑な関係、さらに時代の翳。著者は幾多の創見をまじえ、悲愴な仇討ち ― 天下茶屋を見事に描いた。
＊解説頁・武蔵野次郎
45
｢剣の四君子・日本名婦伝｣ (けんのしくんし・にほんめいふでん)
(画像はクリックで拡大します)
＊348頁
＊発行 昭和52年
＊カバー文
弱小国の悲哀を身に沁みて感じた柳生石舟斎。彼が志したのは治国である。一剣治天下――彼は柳生剣をそこまで高めた。諸流のうちでも抜刀に神息を吹きこんだ特異の林崎夢想流。その創始者・甚助の独特の工夫。｢恭、慢に勝つ｣と師をして云わしめた小野忠明。彼は漂泊の武芸者から将軍指南役に就いた。兄の霊に導かれた示現の槍、幕末の名人高橋泥舟の秘話など、代表的剣人を描いた｢剣の四君子｣。他に｢日本名婦伝｣を収める。
