絶版文庫書誌集成

現代教養文庫 【え】

江川 紹子 (えがわしょうこ)
「冤罪の構図 『やったのはおまえだ』」
(えんざいのこうず)


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*290頁
*発行 1994年

*目録文
新聞や雑誌を賑わしたような事例ではなくある意味では些細なありふれた九つの事件を通して、冤罪がどのように作られて行ったかを、綿密な取材をもとに検証。

*目次
警察が捏造した「目撃証言」 / 遅すぎた雪冤 / 裁判所が創作した「新事実」 / 「法医学鑑定」の欠陥部分 / なぜ虐待される女性被疑者 / なお残る警察の暴力的体質 / 接見禁止が招いた虚偽の自白 / 警官の証言は信用できるか / 何のための「非公開」なのか / 今、なぜ冤罪を問うのか ―― あとがきにかえて


江崎 俊平 (えざきしゅんぺい)
「近世大名列伝」
(きんせいだいみょうれつでん)


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*300頁
*発行 1967年

*目録文
井伊直弼、柳沢吉保、田沼意次、松平定信ら二〇名の大名の一生を伝説的に描いた興味ある人物伝。巻末に大名小伝、年表などを付す

*目次
本多正純 / 土井利勝 / 松平忠直 / 黒田忠之 / 柳沢吉保 / 伊達綱村 / 浅野長矩 / 前田吉徳 / 徳川宗春 / 細川重賢 / 田沼意次 / 松平治郷 / 松平定信 / 水野忠邦 / 徳川斉昭 / 島津斉彬 / 井伊直弼 / 毛利敬親 / 松平容保 / 大名小伝 / 大名配置一覧表 / 関係年表 / あとがき


江崎 俊平 (えざきしゅんぺい)
「日本剣豪列伝」
(にほんけんごうれつでん)


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*279頁
*発行 1970年

*目録文
兵法者・武芸者と呼ばれた人は数多いが、本書では代表的な二〇人をとりあげ、巻末には各流派の始祖、達人一〇〇人の小伝を加えた。


江崎俊平 文・井上宗和 写真 (えざきしゅんぺい・いのうえむねかず)
「日本武将列伝」
(にほんぶしょうれつでん)


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*329頁 / 発行 1965年

*目録文
華やかな栄誉と過酷な戦場に生きた武将二〇名の列伝を史実にもとずいて綴った。古戦場古城などの写真、年表、地図も添える。

*目次
源頼朝 / 木曽義仲 / 新田義貞 / 太田道潅 / 毛利元就 / 武田信玄 / 上杉謙信 / 大友宗麟 / 明智光秀 / 織田信長 / 細川幽斎 / 豊臣秀吉 / 徳川家康 / 高山右近 / 蒲生氏郷 / 石田三成 / 加藤清正 / 伊達正宗 / 真田幸村 / 天草四郎 / 武将小伝
関係年表 / 地図 / あとがき


江藤 努編 (えとうつとむ)
「映画イヤーブック 1993」 (えいがいやーぶっく)



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*469頁
*発行 1993年

*目録文
一九九二年に劇場公開された邦洋画は450本。これら全作品のデータと解説。またオリジナル・ビデオ、未公開洋画ビデオまで網羅。


江藤 努編 (えとうつとむ)
「映画イヤーブック 1994」
(えいがいやーぶっく)


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*473頁
*発行 1994年

*紹介文
1993年度に劇場公開された映画は、外国映画328本、邦画151本、合計479本である。本書にはこれら全作品のデータと解説を収録、さらに映画祭、映画賞の記録、オリジナル・ビデオムービー、未公開洋画ビデオのデータに、成人映画まで網羅した。


江藤 務編 (えとうつとむ)
「映画イヤーブック1995」
(えいがいやーぶっくせんきゅうひゃくきゅうじゅうご)


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*509頁
*発行 1995年

*紹介文
1994年に国内で劇場公開された映画を全て掲載したフィルモグラフィ。外国映画・日本映画別に、公開日順に排列。製作・配給会社、スタッフ、上映時間、封切り日(外国映画の場合は製作年と国籍も)に加え、解説と評価を掲載する。外国映画劇場未公開作品およびテレビ映画ビデオ、オリジナル・ビデオムービー、映画賞受賞作品名なども掲載。既刊の91年から95年度版の掲載映画全作品索引を付す。―映画・ビデオ・映画賞など完全網羅した作品カタログの決定版。


江藤 務・中村 勝則編 (えとうつとむ・なかむらかつのり)
「映画イヤーブック1996」
(えいがいやーぶっくせんきゅうひゃくきゅうじゅうなな)


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*508頁
*発行 1996年

*目録文
95年度劇場公開の外国映画三三〇本、邦画一八四本、合計五一四本の解説とデータ。ビデオ・映画賞など完全網羅。既刊5冊の総索引付。便利な文庫初の映画年鑑。



江藤 務・中村 勝則編 (えとうつとむ・なかむらかつのり)
「映画イヤーブック1997」
(えいがいやーぶっくせんきゅうひゃくきゅうじゅうなな)


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*526頁 / 発行 1997年

*目録文
本巻は7冊目にあたる。全巻の総索引付なので、全部揃えば、90年代総合映画事典として、資料価値が一段とアップ。96年劇場公開邦洋画全作品のデータと解説。

*目次
外国映画作品
日本映画作品
独立系成人映画
ドキュメンタリー映画
外国映画劇場未公開作&テレビ映画ビデオ
オリジナル・ビデオムービー
映画賞受賞作品
91‐97年度 掲載映画全作品索引


江藤 努・中村 勝則編 (えとうつとむ・なかむらかつのり)
「映画イヤーブック 1998」
(えいがいやーぶっく)


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*527頁 / 発行 1998年

*帯文
映画・ビデオ・映画賞など完全網羅した作品カタログの決定版


エッカーマン著 秋山 英夫訳編 (Eckermann・あきやまひでお)
「ゲーテとの対話 名言珠玉集」
(げーてとのたいわ)


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*220頁 / 発行 1966年

*目次
第一部 人生の指針
 一歩一歩が目標 / 恋愛と知性 / あれこれ力を分散しないこと / 一つの分野で有能になれ / めいめいが各自の分を守ること / 攻撃を気にしないこと / 交際と自我 / 否定的なものは無にひとしい / 深入りするな / 諦念と集中 / 人は自分が愛している人からしか学ばない / 信念の偉大さ / 偉大と継承 / 自由について / 信念と確信 / 若い人たちの誘惑されやすい点 / 虚弱な体質とねばり強さ / 苦難にめげぬ人間 / 孤独と協力 / 健康と生産性 / 信仰と疑惑 / 助言について / 人生の諸段階 / 安楽と無為
第二部 知恵のことば
第三部の(一) さまざまな思想と意見
 学者について / 『ウェルテル』について / 天衣無縫 / 自然の観察について / 暴力は自然にそむく / 食卓での漫談 / 世界文学の時代 / 美は戦いのうちに育つ / 文学と理念 / 恋人の磁力 / 病院文学 / 女性について / 世の動き
第三部の(二) さまざまな思想と意見
 独創性の問題 / 哲学と宗教 / 自然の諸段階 / 古典的と浪漫的 / 名声と真実の力 / 「なんじ自身を知れ」について / 廻り道の生産性 / 永生の問題 / 『ファウスト』と魔神的人間 / 愛国心について(1) / 眼鏡嫌い
第三部の(三) さまざまな思想と意見
 個性がすべてだ / 音楽の天才 / 『ファウスト』の仕事について / 生産力こそわが神 / 魔神的なもの(1) / 魔神的なもの(2) / 永遠の愛 / 天才とは何か / 愛国心について(2)
第四部 人間像
 人間讃歌 / 若き日のゲーテ / シェークスピア / 自分をつらぬいたゲーテ / 悲劇的ゲーテ / シラー / ヘーゲル / ナポレオン讃仰 / ナポレオンについて / クロード・ロラン / モーツァルト / セントヘレナのナポレオン / 最後の別れ
解説 / 原典対照表


江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ)
「探偵小説の『謎』」
 (たんていしょうせつのなぞ)


*カバー・デザイン 阿部隆夫
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*202頁 / 発行 昭和31年

*カバー文
近代日本探偵小説の基礎を築いた巨匠、江戸川乱歩が、古今東西の作品からトリックを抽出して分類したのが「類別トリック集成」であり、世界的に貴重な業績となっている。本書は、その部分部分をわかりやすく詳細に述べることで、謎解き・推理の面白さを倍加する。

*目次
 序  ― この本のなりたち ―
1 奇矯な着想
2 意外な犯人
3 兇器としての氷
4 異様な兇器
5 密室トリック
6 隠し方のトリック
7 プロバビリティーの犯罪
8 顔のない死体
9 変身願望
10 異様な犯罪動機
11 探偵小説に現われた犯罪心理
12 暗号記法の分類
13 魔術と探偵小説
14 明治の指紋小説
15 原始法医学書と探偵小説
16 スリルの説
 「類別トリック集成」目次
 江戸川乱歩随筆評論集目録


江守 五夫 (えもりいつお)
「結婚の起源と歴史」
(けっこんのきげんとれきし)




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*283頁 / 発行 1965年
*リバイバルセレクション版 283頁 / 発行 1995年

*目次
一 結婚の起源をたずねて
 1 アダムとイブの結婚
 2 旧約聖書の伝説への挑戦
 3 歴史とともに変る結婚の形態 ── モルガンの「古代社会」について
 4 乱交とは一体なにか ── エンゲルスの考えかた
 5 原始婦人は太陽であった
 6 乱交制の理論への反撃 ── 主としてウェスターマークの一夫一婦説
二 はたして乱交制は存在したか ── 性の奇習をめぐるいくつかの議論
 1 はじめに ── 動物の性生活と人間の性生活
 2 宗教的売淫という習俗
 3 祭礼の際の性的無礼講の習俗
 4 初夜権に似た習俗
 5 婚前の自由な性交渉という習俗
三 集団婚は存在したか ── 原始人の結婚と性生活のありかた
 1 性的に接近する権利≠ニいう部族民の権利 ── 類別的な親族名称をめぐって
 2 「妻貸し」の慣習における集団的な性関係
四 家族内部での性の共有 ── 原始的な結婚関係の遺制として
 1 兄弟による妻の共有 ── いわゆる兄弟一妻婚について
 2 姉妹による夫の共有 ── いわゆる姉妹一夫婚について
 3 家父長制のもとでの集団婚 ── 主としてチベット人の結婚について
五 文明社会における性の堕落 ── 一夫一婦制の実態
 1 一夫一婦制の成立
 2 一夫一婦制のもとでの性の堕落
 3 近代人の結婚 ── 結婚は婦人を奴隷にする
六 原始人の結婚と文明人の結婚―むすびにかえて
あとがき / 索引



エリック・ロール著・白石 四郎,吉田 忠雄訳 (Erich,Roll・しらいししろう.よしだただお)
「近代経済学入門」
(きんだいけいざいがくにゅうもん)


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*293頁 / 発行 1959年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
序文 / 凡例
第一篇 経済原理と経済的世界
 第一節 定義の問題 / 第二節 経済学の定義 / 第三節 経済学の領域 / 第四節 経済構造 / 第五節 経済学の方法
第二篇 経済理論の基礎
 第一章 消費論
  第一節 経済理論と区分方法 / 第二節 欲望 / 第三節 財 / 第四節 効用 / 第五節 最大限の欲望の満足
 第二章 交換論
  第一節 交換の諸条件 / 第二節 孤立交換と独占 / 第三節 双方競争 / 第四節 独占、完全競争および不完全競争 / 第五節 貨幣 / 第六節 共通の尺度 / 第七節 交換の諸法則 / 第八節 補完財と代替財 / 第九節 均衡
 第三章 生産論
  第一節 生産論の領域 / 第二節 孤立経済における生産 / 第三節 交換経済における生産 / 第四節 単一の生産要素による生産 / 第五節 生産者余剰 / 第六節 連帯生産物 / 第七節 複合生産 / 第八節 地代 / 第九節 賃金 / 第十節 資本主義的生産 / 第十一節 利潤
第三篇 変動の諸問題
 第一節 与件の変動の性質 / 第二節 人口 / 第三節 趣味 / 第四節 技術変化 / 第五節 政策の問題 / 第六節 景気循環
結論
参考文献 / 訳者あとがき / 索引


エリス・ピーターズ 岡達子訳 (Ellis Peters おかたつこ)
「異端の徒弟」
(いたんのとてい)


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*381頁
*発行 1994年

*紹介文
聖地に巡礼に出たが旅の途中で死んだ商人の柩が修道院に着いた。死者を連れ帰った徒弟は修道院の墓地に埋葬を希望したが、折から滞在中の大司教の使者は商人の生前の考えをもとに異端者としてその願いを退けようとする。修士会で主人の疑いを晴らした徒弟は次に自分が異端者として告発される。やがて商人の家の番頭が殺され、カドフェルが乗り出すが、事件の鍵は意外なところに。


エリス・ピーターズ著 岡本浜江・岡達子・大出健訳 (Ellis Peters おかもとはまえ・おかたつこ・おおいでけん)
「修道士カドフェルの出現 ― 修道士カドフェル短編集」
(しゅうどうしかどふぇるのしゅつげん)


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*222頁
*発行 1997年

*目録文
NHK・BS放映で好評を博した「修道士カドフェル」の原作本シリーズの短編集。カドフェルが修道士になるいきさつを描いた短編他2本。イラスト13枚付。


エリス・ピーターズ著 岡本浜江訳 (Ellis Peters・おかもとはまえ)
「聖なる泥棒」
(せいなるどろぼう)


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*337頁
*発行 1995年

*紹介文
略奪されたラムゼー修道院から寄進を募るために副院長補佐と見習い修道士がやって来た。おりしも洪水で聖ウィニフレッドの聖骨箱をはじめ貴重品の避難がされたが、水が引いたときに聖骨箱が紛失していることが判明。カドフェルの調査により、正体不明の修道士にいわれてラムゼーへ送る荷馬車に運び込まれたことがわかるが、証人として修道院へ呼ばれた羊飼いはやって来なかった。


エリス・ピーターズ著・岡 達子訳 (Ellis・Peters・おかたつこ)
「デーン人の夏」
(でーんじんのなつ)


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*366頁
*発行 1995年

*紹介文
司教の使者としてマークがやってきてウェールズへの旅の供をすることになった。カドフェルにとってうれしい旅になるはずだったが。グウィネズ領主オエインや結婚を嫌うウェールズ娘ヘレズと出会うが、追放されていたオエインの弟キャドウォラダがデーン人を雇い、船でおしかけてきたという知らせが入る。その騒ぎの最中ヘレズが行方不明になり、キャドウォラダの部下が殺される。


エリス・ピーターズ著 大出健訳 (Ellis Peters おおいでけん)
「陶工の畑」
(とうこうのはたけ)


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*342頁
*発行 1994年年

*紹介文
1143年ホーモンドとシュルーズベリの修道院間で所有地の交換が行われ、後日そこを耕作しているとき鋤が女性の黒髪を掘り起こした。急遽呼ばれたカドフェルはこの女性が誰であるか調べを進める。この土地は以前、荘園主からホーモンド修道院へ寄進されたもので、今はシュルーズベリの修道士となつているルアルドが陶工として借りていた畑である、その妻が行方知れずになっていた。


エリス・ピーターズ著 岡達子訳 (Ellis・Peters おかたつこ)
「背教者カドフェル 修道士カドフェル・シリーズ ― ミステリ・ボックス」
(はいきょうしゃかどふぇる)


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*376頁
*発行 1996年

*紹介文
「オリヴィエ・ド・ブルターニュはわたくしの息子なのです」。ラドルファス院長に打ち明けたカドフェルは、捕虜になったまま所在不明の息子を捜しに、コヴェントリーで開催された和平協議に出席するヒューとともに旅立つ。カドフェルにとってそれは、背教者となる決意をしての旅でもあった。オリヴィエの居場所を突き止め、単身乗り込むカドフェルだが、戦闘に巻き込まれて……。


エリス・ピーターズ 岡本浜江訳 (Ellis Peters・おかもとはまえ)
「ハルイン修道士の告白」
(haluinしゅうどうしのこくはく)


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*266頁
*発行 1994年

*紹介文
事故で瀕死の重傷を負ったハルイン修道士は死を目前にして院長しカドフェルに告白した。若い頃恋しあった娘とその子を薬草をもって死に至らしめたと。奇跡的に回復したハルインは墓前でその罪を詫びるためカドフェルとともに旅にで、娘の母であるかつての女主人を尋ねたがていよくあしらわれる。帰路、一夜の宿を求めた館で出会った人々とそこで起こった事件の裏にあるものは?


エレン・ケイ著・平井 潔訳 (Ellen Key・ひらいきよし)
「恋愛と結婚 上下巻」
(れんあいとけっこん)

*上巻217頁 / 下巻210頁
*発行 1958年 / 社会思想研究会出版部名義
*カバー画像はありません。

*1997年刊新評論版紹介文

スウェーデンが生んだ偉大な女性解放運動家エレン・ケイ(1849~1926)の『恋愛と結婚』が装いも新たになった。原著は1903年、『生命線』として出版された第一部。「より高い性道徳を目的とした」本書は当時、「社会を崩壊させるもの」と一斉排撃にあったが海外では絶賛された。「恋愛こそ性的関係の道徳的根拠である」と主張して、自らもその主義に徹した。100年の寿命をもつ本書は21世紀を目前に控え混迷する現代のわが国の男女関係に説得力をもって語りかける。

*目次
上巻
新訳への序 石垣綾子 / エレン・ケイの人となり ― 解説にかえて ― ハヴロック・エリス / 凡例
第一章 性道徳はどのように発達してきたか
 男女関係も歴史的な産物 / 結婚の古い形式から新しい形式へ / 性道徳と一夫一婦制 / 一夫一婦制の明案 / ルーテルの結婚観 / 個人の要求から種族の生命維持へ / 魂と感覚との統一 / 愛と結婚との背反から一致へ / 道徳を感覚からきりはなすことの誤り / 情熱はどのように純化されるか / 恋愛の発展性 / 自由な恋愛の広大な展望 / 性愛の渇きと過度の充足 / 生命主義的恋愛観 / 恋愛の新しい道徳的基準 / 魂と肉体の一元論 / 愛における個人と社会
第二章 恋愛の進化
 ゲルマン民族とラテン民族 / 「女性の世紀」ひらく / 一夫一婦制と愛の起源 / ルソーとサンド / 恋愛の詩と真実 / 新しい恋愛とは / 友情から恋愛へ / 男女の個性化への歩み / 個性的魅力の誕生 / 現代女性の恋愛 / 新しい男女の出あい / 男女のくいちがい / 愛する人の過去について / 性格の上の相違 / 感覚の精神化 / 女性の特質 / 偉大な恋愛 / 芸術や宗教にも似て
第三章 恋愛の自由
 いわゆる《自由恋愛》 / 自由な結合の伝統 / 恋愛感情を育てるもの / 若すぎる結婚の弊 / 結婚の適令期 / 快楽が魂をくもらす / ひそかな結合 / 恋愛の創造力 / 非合法の結婚 / 自由恋愛でなく恋愛の自由を / 親と子 / 人生における三つの決定 / 必要な社会制度の改革
第四章 恋愛をどのようにして選ぶか
 悪質な遺伝について / 種族の質の向上 / 本能の選択力 / 恋愛形成学の誕生 / 生命のすすむべき道 / いわゆる「道徳の低下」について / 生命の増進のための「不道徳」 / 恋愛の正しい選択こそ新しい道徳 / 個性の発達と恋愛の進化 / 性格の共通と相違 / 魂の親和力 / 子供の性格の形成 / 一夫一婦制の展望
第五章 母性の権利
 産業の発達により婦人の生活が変る / 新しい女性がなぜ嫌われるか / 恋愛を尊ぶ女性 / 子供は未来を要求する / 労働の明るい面と暗い面 / 人間それじたいが目的 / 生命一元論の立場 / 生命の真の意味 / 道徳は生の否定であってはならない / 女性の性的使命 / 女性の権利 / 恋愛は創造である / 享楽的恋愛のはかなさ / 女性の個性を発揮する道 / 必要な社会問題の解決 / 人名索引

下巻
凡例 / 第六章 女性の進歩と母性の退歩 / 第七章 母性についての社会の責任 / 第八章 離婚の自由 / 第九章 新しい結婚法 / 解説 平井潔 / 索引


遠藤 紀勝 写真と文 (えんどうのりかつ)
「仮面
ヨーロッパの祭りと年中行事」 (かめん)


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*206頁 / 発行 1990年
*カバー写真・南ドイツ、バート・ヴァルゼーの魔女の仮面

*カバー文
 ヨーロッパの祭りに使われる仮面には、千年余の歴史を経てなお生きているものが多い。仮面はもともと農耕儀礼の聖具であり、土の香りがする一方、あやしげな魅力を放つ。
 本書では、百枚をこえる写真を駆使して、ヨーロッパの年中行事を紹介しながら、仮面にこめられた呪術的な意味にまで言及する。
 高度な近代文明の裏に脈々と生きつづける土俗文化に注目した著者が、度重なる取材旅行の末にまとめあげた労作である。

*目次
神と霊の支配する世界
 1 森の王国 / 2 農耕社会の自然のリズム / 3 霊を招く火−万聖節と万霊節 / 4 深まりゆく冬
太陽の誕生日
 1 火の神の訪れ−冬至祭 / 2 太陽の誕生日−クリスマス
訪れる神々
 1 十二夜 / 2 大晦日の訪れ神クロイセ
冬の追放
  1 ファスナハト(謝肉祭)/ 2 冬とのたたかい / 3 樹木に託して / 4 魔女
冬の埋葬
 1 予祝の祈り / 2 埋葬と処刑 / 3 共同体の民衆劇
生きている仮面
 1 中世民俗の生きる村 / 2 仮面の祈り / 3 神々の黄昏
甦る生命
 1 四旬節 / 2 聖週間 / 3 甦る生命−復活祭 / 4 シチリア島の復活祭 / 5 死と再生の神々 / 6 冬との訣別
豊饒の祈り
 1 五月の樹 / 2 神々の結婚 / 3 夏至祭 / 4 収穫感謝
参考文献
あとがき
付・ヨーロッパ歳時記
付・ヨーロッパの年中行事一覧