絶版文庫書誌集成

現代教養文庫 【く】

陸井 三郎 (くがいさぶろう)
「ハリウッドとマッカーシズム」



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*354頁 / 発行 1996年

*カバー文
 現代史の謎、マッカーシズムとは何だったのか。
 第二次大戦終結後の自由な気運と解放感にみたされていたアメリカに、突然、密告、内通、中傷、相互不信が生まれた。「赤狩り」という異端審問に立たされたのは、映画監督エリア・カザン、作家ダシール・ハメット、リリアン・ヘルマン夫妻、チャーリー・チャップリンなど数知れない。
 この異様な旋風は“ハリウッド・テン”と呼ばれることになる映画人たちを血祭にあげた後、大学、マスコミ、出版界へと及んでいくことになる。

*目次
第一章 “ハリウッド・テン”と呼ばれた人びと
 1召喚状 / 2下院非米活動委員会(HUAC) / 3FBIの監視 / 4反撃の準備 / 5一九人の立場 / 6前哨戦 / 7“非友好的”証人

第二章 “異端審問”に立つ映画人たち ―― 「ならず者の時代」はじまる
 1過酷な宗教裁判 / 2あいついで議会侮辱罪に / 3ウォルドルフ=アストリア声明 / 4第一条支持委員会 / 5世論の動向 / 6ウォルドルフ=アストリア声明以後

第三章 アルヴァ・ベッシー ―― “不服従”の名をもらった男
 1異色のシナリオ作家 / 2「強制収容所に歓迎!」 / 3『誰がために鐘は鳴る』 / 4将軍にとっていいことは…… / 5「ヒルの豪邸売ります」 / 6チャップリンを訪ねる / 7山ほどのトラブル

第四章 アイスラー一家の愛と相克 ―― “赤狩り”で引き裂かれた姉と兄弟
 1宣誓もしないまま / 2ゲアハルトの孤独なたたかい / 3エルフリーデの挫折 / 4“協力的”証人ルース・フィッシャーの登場 / 5音楽界のカール・マルクス / 6「私はナポレオンの弟子」 / 7ハンス、アメリカを去る

第五章 ベルトルト・ブレヒト ―― 亡命から亡命へ
 1亡命一五年 / 2異邦人ブレヒト / 3唯一の映画『首吊り役人も死ぬ』 / 4どうやってアメリカを出国するか / 5召喚状の受けとりかたと出頭準備 / 6脱出のための最後のハードル / 7みずから“主役”を演じる / 8ソ連への洞察 / 9自由への愛が足りなかった / 10アイスラー兄弟との出会い / 11ネイミングネイムズ

間奏曲(インターメッツオ) ベス・タッフェルの場合
 1政治への目醒め / 2亡命者たちとともに / 3シナリオ作家タッフェル / 4“第五条には問題がある”

第六章 ダシール・ハメット ―― 貫いたハードボイルドの六七年
 1名声をまったく期待せず / 2探偵工作員から作家へ / 3ハメットと政治活動 / 4ハメット、節を貫く / 5刑務所では模範囚 / 6マッカーシー登場 / 7ハメット作品、書棚から消える / 8三台のタイプライター / 9ハメットの遺言 / 10まぐさの上に座る犬 / 11真実の一端

第七章 リリアン・ヘルマン ―― 虚像と実像
 1ヘルマン召喚される / 2往復書簡をめぐって / 3混乱した応答 / 4問題多い回想三部作 / 5なぜ有期刑を免れたか / 6ヘルマンの遺言

第八章 エリア・カザン ―― 転向と屈従
 1「人間は後悔するもの」 / 2なぜカザンだけが……? / 3口供書のプロット / 4コンプレックスと孤立感

第九章 アーサー・ミラー ―― 不屈の一貫性、カザンとの訣別
 1訣別の傷痕 / 2作家は“ワニ” / 3公然と“テン”を支援 / 4二つのサロン / 5『るつぼ』の準備 / 6『転向』の真相 / 7歴史の奇妙な逆説 / 8ミラーの「提案」 / 9先例のない召喚 / 10『聞け子供たち』 / 11“欠裂”の真相 / 12共産党との関係 / 13不屈の一貫性

終章 犠牲者たち
 あとがき ―― A Bibliographical Essayをかねて
 現代教養文庫のための後記
 後注


日下 実男 (くさかじつお)
「宇宙学入門」(正続)
(うちゅうがくにゅうもん)




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*正篇204頁 / 発行 1967年
*続篇233頁 / 発行 1967年

*正篇目録文
人工衛星が飛びかう今日、宇宙の実体がどれほど知られていようか。われらの太陽系から宇宙の果てまでのベールをはぐ新しい天文学

*目次
正篇
一 太陽とその運命
 「天行健也」 / まばゆい光球 / 太陽の風景 / 熱と光の秘密 / 太陽のたどる運命
二 地球の仲間たち
 異様な水星 / きらめく金星 / 砂嵐の世界 / わざわいの星火星 / 運河と生物のナゾ / 古代火星人はいたか
三 木星型の惑星
 木星からの怪電波 / 場所によって違う一日 / 木星の中味と生物 / 不思議な衛星の国 / 土星は水よりも軽く / 金色の環と衛星 / 横倒しになった天王星 / 海王星の発見物語
四 変った惑星
 太陽系のはての星 / 第10番惑星はあるか / 小惑星のいろいろ
五 彗星と隕石と
 天界の放浪者 / 流星と大隕石 / ツングースの怪事件
六 月のすべて
 地球の副惑星 / 月の山脈と凹孔 / 月ロケットの成果 / ヴェールをぬいだ裏側
七 太陽系の成因
 星雲説や潮汐起原説 / 冷たい星間物質から / 八 銀河宇宙の姿 / 天の川の宇宙 / 銀河に浮かぶ雲 / 老若二種の星団 / 二千個のラジオ星 /
九 大宇宙の進化
 銀河宇宙の隣人 / 島宇宙の世界 / 膨張する大宇宙
あとがき

続篇
第一章 アポロ後の月世界
 とこしえの道連れ / 小さな一歩 / ガラス粒におおわれた月面 / 活躍した月面車ローバー / アポロがもたらした膨大な観測データ / 月の誕生仮説への波紋
第二章 月の地震とその運命
 「静かの基地」の地震計 / 一時間も続く奇妙な地震 / 真空世界の地震 / 地震波速度と月の内部構造 / 地球から遠ざかる月 / 月と地球の関係 ―― その未来像 /
第三章 水星のクレーターと鉄球
 ベールに包まれた内惑星 / これが水星の素顔か? / 「熱の盆地」の大衝突 / 二年も続く水星の一日 / 鉄の核を持つ月型の星
第四章 硫酸の雲の底の金星
 九〇気圧の焼けた惑星へ / 金星では太陽が西から昇る / 渦巻く炭酸ガスと高速の風 / 休みなく硫酸の雨が降る! / 通説を変えた金星の岩石 /雲の底に透明な世界が……
第五章 新しい火星の像
 火星へ飛ぶマリナー / マリネリス大峡谷と運河 / 火山とクレーターと谷 / 沸き上がる大黄雲 / 極冠の正体は大氷塊! / 二つの月・フォボスとダイモス
第六章 バイキングと火星型生命
 クリュセ平原へ着陸 / ピンクの空と赤い岩の大地 / 神秘なオリンピア山の雲海 / 生命を探った三つの実験 / 強い生物反応と深まる謎 / DNA前駆体と水の存在
第七章 知的宇宙人を求めて
 電波でなら宇宙人と交信できる / 目標はくじら座とエリダヌス座 ―― オズマ計画の意味 / 太陽系以外の惑星の生命と技術文明を推理する / 交信可能な地球外文明の数を求める公式 / 地球外技術文明の数は銀河系内で約百万 / サイクロプス計画が実現される日 / 地球から宇宙人への送信 ―― アレシボ・メッセージ


日下 実男 (くさかじつお)
「海洋の秘密」
(かいようのひみつ)


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*217頁 / 発行 1957年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
深海■暗黒の世界■
 1 隠れた深海の国 / 2 深海生物の秘密 / 3 秘山ギュヨーの話 / 4 オットセイ魚の謎
誕生■海の夜明け■
 1 海の四季と誕生 / 2 神秘な生命の発生 / 3 原始の海の生物 / 4 海が攻めてきた
怪話■不思議な物語■
 1 ミイラ船良栄丸の怪 / 2 船霊さまのお告げ / 3 奇鳥エトピリカの話 / 4 紅魚族と死の行進 / 5 底ゆうれいと死水
冐険■海のロマンス■
 1 渦まく北洋のガス / 2 時化とおいらん揺れ / 3 嵐と宿命の独航船 / 4 海を忘れた姫マス
海の幸■漁場の秘密■
 1 カニ工船・東慶丸の人 / 2 マグロとサメとミズウオ / 3 水中テレビと定置網 / 4 魚のアパートをつくる / 5 漁場と幻の海底
エネルギー■浅海の工場■
 1 大陸棚の資源 / 2 海底炭田と人工島 / 3 海底油田と開発 / 4 潮流と青い石炭
未来■明日への架橋■
 1 人間は魚になって / 2 アクアラングの夢 / 3 金銀を海から堀る / 4 海水のなかの幸
あとがき


日下 実男 (くさかじつお)
「星と空間 無限への挑戦」
(ほしとくうかん)


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*143頁 / 発行 1958年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
まえがき
T 太陽をめぐる九個の惑星
 一 母なる太陽 / 二 われらの惑星 / 三 彗星と流星と / 四 月と衛星
U 銀河一千億の星と空間
 一 天の川の正体 / 二 銀河に浮ぶ雲 / 三 星団二態 / 四 ラジオ星とは
V 拓けゆく宇宙空間の文明
 一 人工衛星 / 二 ステーション / 三 月世界旅行 / 四 惑星への旅行 / 五 恒星へ飛ぶ
W 大宇宙の進化と流転
 一 銀河の隣人 / 二 島宇宙の国々 / 三 衝突する島宇宙 / 四 大宇宙に挑む
あとがき


草下 英明 (くさかひであき)
「星座手帖」
(せいざてちょう)


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*241頁
*発行 1969年

*目録文
春、夏、秋、冬、それぞれの空をいろどる星座約六〇を、豊富な写真をそえ星座にまつわる神話を楽しく解説して案内する恰好の星座入門。


草下 英明 (くさかひであき)
「星座の楽しみ」
(せいざのたのしみ)




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*238頁 / 発行 1967年
*248頁 / 発行 1980年改訂版

*目録文
古代エジブト時代から人々に夢とロマンを与えてきた星の世界を楽しく、物語風に解説を加えた親しみやすい星座と宇宙の好手引書。

*目次
星空への手引 / 春 / 春の星座 / 不動の北極星 / 怪獣星座 / 南半球の空の星 / 星雲(小宇宙)の原 / ハレー彗星のこと / 月の岩石!? テクタイト / 星座も狂うという話 / 夏 / 夏の星座 / 天の川宇宙の中心部 / 七夕ものがたり / 北の十字星 / 太陽の奇説 / 星の色 / 火星大接近 / 真夏のシンボル ―― さそり座 / 秋 / 秋の星座 / エチオピア王家の星座 / 秋の一つ星 / 名月をめぐる話題 / クール惑星 ―― 木星と土星 / アンドロメダ小宇宙 / ミラとアルゴル / 星にあたった人 / 冬 / 冬の星座 / 王者オリオン / 犬星シリウス / 星はすばる / カノープスのみえる浜 / ラジオ星第一号 / 双子衛星ジェミニ / あとがき


草野 心平編著 (くさのしんぺい)
「賢治のうた」 (けんじのうた)


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*251頁 / 発行 1965年

*目次
オホーツク挽歌 ── 春と修羅第一集
序 / くらかけ山の雪 / 春と修羅 / 有明 / 蠕蟲舞手 / 岩手山 / 原体剣舞連 / 永訣の朝 / 松の針 / 無声慟哭 / 青森挽歌 / オホーツク挽歌 / 噴火湾(ノクターン) / 業の花びら ── 春と修羅第二集 / 五輪峠 / 牛 / 花鳥図譜 七月 / 半蔭地撰定 / 産業組合青年会 / 業の花びら / 霜林幻想 / 春谷暁臥 / 岩手軽便鉄道 七月(ジャズ) / 告別 / 野の師父 ── 春と修羅第三集 / 岩手軽便鉄道の一月 / 春 / 饗宴 / はるかな作業 / 作品一〇〇八番 / 開墾 / 札幌市 / 野の師父 / 作品第一〇四八番 / 政治家 / 作品第一〇六三番 / 県技師の雲に対するステートメント / 囈語 / 僚友 / 稲作挿話 / 和風は河谷いっぱいに吹く / 作品第一〇八八番 / 藤根禁酒会へ贈る / 停留所にてスイトンを喫す / 林中乱思 ── 春と修羅第四集 / 阿耨達池幻想曲 / 花鳥図譜 四月 / (十いくつかの夜とひる) / (それでは計算いたしませう) / 小作調停官 / 地主 / (もう二三べん) / 林中乱思 / 蕪を洗ふ / (こっちの顔と) / ながれたり ── 文語詩篇 / (土をも掘らん汗もせん) / 病中幻想 / (ひとひははかなく) / (ながれたり) / 鼓者 / 早春 / 種山ヶ原 / 早池峯山巓 / 人民の敵 / 来々軒 / (桐の木に青き花咲き) / 臘月 / 眼にていう ── 疾中 / (雨が霙に変ってくると) / (丁丁丁丁丁) / 病中 / (そのうす青き玻璃の器に) / 眼にて云ふ / S博士に / (一九二九年二月) / (ああ今日ここに果てんとや) / 雨ニモマケズ ── 手帳より / 手帳より / 十一月三日 / 牧歌 ── 歌曲 / 花巻農学校精神歌 / 種山ヶ原 / 星めぐりの歌 / イギリス海岸の歌 / ポランの広場 / 牧歌 / 宮沢賢治の人間像 / 宮沢賢治年譜


草野 心平編 (くさのしんぺい)
「現代詩の鑑賞」
(げんだいしのかんしょう)


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*361頁
*発行 1964年

*目次
まえがき / 島崎藤村 / 河井酔茗 / 薄田泣菫 / 蒲原有明 / 野口米次郎 / 石川啄木 / 北原白秋 / 木下杢太郎 / 三木露風 / 川路柳虹 / 西条八十 / 堀口大学 / 佐藤春夫 / 山村暮鳥 / 萩原朔太郎 / 室生犀星 / 大手拓次 / 日夏耿之介 / 福士幸次郎 / 高村光太郎 / 千家元麿 / 尾崎喜八 / 金子光晴 / 吉田一穂 / 宮沢賢治 / 八木重吉 / 高橋新吉 / 草野心平 / 逸見猶吉 / 安西冬衛 / 北川冬彦 / 山之口貘 / 平戸廉吉 / 北園克衛 / 西脇順三郎 / 村野四郎 / 萩原恭次郎 / 小野十三郎 / 中野重治 / 小熊秀雄 / 三好達治 / 岡本潤 / 丸山薫 / 田中冬二 / 立原道造 / 伊東静雄 / 岡埼清一郎 / 中原中也 / 佐藤惣之助 / 富永太郎


森田 草平 (もりたそうへい)
「漱石の文
(そうせきのぶんがく)


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*317頁 / 発行 1954年 / 社会思想研究会出版部名義
*新版 317頁 / 発行 1995年

*目次
漱石の文學 / 生ひ立ち / 學校時代 / 時代の背景 / 初期の代表作 / 長編時代 / 結語 / 作品の解説と鑑賞 / 『吾輩は猫である』 / 『倫敦消息』と『自轉車日記』 / 『倫敦塔』と『カーライル博物館』 / 『幻影の盾』と『薤露行』 / 『琴のそら音』と『趣味の遺傳』 / 『一夜』 / 『坊つちやん』と『草枕』 / 『二百十日』と『野分』 / 『虞美人草』と『坑夫』 / 夏目漱石年表 / 解説


草野 心平 (くさのしんぺい)
「わが生活のうた 草野心平随想集」
(わがせいかつのうた)


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*270頁 / 発行 1966年

*目録文
手づくりの野菜と動物を最愛の友とする自由人の人間的な生活をうたった珠玉随想集。酒と酒場の話、食いもの断想など90編を集める

*目次
食いもの断想
 料理寸感
 一 何でも食べてみる
 二 自己流の料理
 三 味覚巡礼
 四 中国の味
酒と酒場の話
 酒と盃
 一 名酒・銘酒・迷酒
 二 酔郷さまざま
 三 「火の車」盛衰記
 四 火の車酒談義
私のオモチャ
 私のオモチャたち
 一 花づくり野菜づくり
 二 石ころなどなど
 三 ペットたち
 四 蛙の憲法


草野 心平・大池 唯雄・富木 友治 (くさのしんぺい・おおいけただお・とみきともじ)
「新版 東北の旅」 
(とうほくのたび)


*カバー写真・奥入瀬渓谷(撮影横田正知)
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*306頁 / 発行 昭和36年

*カバー文
 はたして東北は、文化果つるところであろうか。日本海と太平洋の二つ海にはさまれた、山形・秋田・青森・岩手・宮城・福島の六県は、程度の違いこそあれ、すべて暗く冷たい。だが、ここにこそ日本人の生活があるかもしれない。本書は詩人、民俗学者、直木賞作家の三氏が心をこめて、母なるふるさと・東北の素顔をあますところなく描いた異色の旅入門である。

*目次
福島の旅 草野心平
 平市と衛星都市 / 夏井川渓谷と平伏沼 / 浜通り / 原ノ町・中村 / 白河市 / 須賀川 / 郡山市 / 二本松 / 福島市 / 裏磐梯と猪苗代湖 / 会津若松市 / 東山温泉 / 喜多方・柳津 / 田島・檜枝岐 / 奥只見

宮城の旅 大池唯雄
 伊達の大木戸 / 七ガ宿街道 / 蔵王 / 仙南平野 / 仙台近郊 / 仙台市 / 宮城野の萩 / 思い出の人びと / 七夕まつり / 秋保・作並・定義 / 塩釜街道 / 松島 / 松島の魅力 / 石巻・日和山 / 牡鹿と金華 / 三陸海岸 / 仙北平野 / 栗駒から平泉へ

山形の旅 富木友治
 板谷峠 / 米琉の里 / 飯豊と朝日と / 茂吉の故郷 / 蔵王山 / 山形と家内工業 / 立石寺 / 神町の周辺 / 尾花沢 / 猿羽根山こえ / 雪の板敷 / 酒田繁昌記 / 士族の町・鶴岡 / ミイラの寺 / 出羽三山

岩手の旅 富木友治
 清光館跡 / 北上山地と生活 / 奥南部の町々 / 岩手山麓 / 啄木の故郷・盛岡 / 霊山・早池峰 / 賢治と光太郎 / はるかなる遠野 / 山から海の町へ / 三陸フィヨルド / 胆沢の天地 / 沢内三千石 / 国見峠

秋田の旅 富木友治
 鳥海と飛鳥 / 五月雨の象潟 / 本荘名物 / 栗駒と木地山 / 酒とカマクラの町 / 雄物川に沿って / しだれ桜・武家屋敷 / 田沢湖・駒ヶ岳 / 秋田市の周辺 / 男鹿めぐり / 八郎潟・阿仁部 / 秋田マタギ / 木材と犬の町 / 伝説の鹿角 / 八幡平

青森の旅 富木友治
 十二湖 / イソメ狩 / 十三の砂山 / 太宰の生家 / 津軽の野づち / 岩木山・暗門滝 / 津軽の人情 / 本州の果・竜飛 / 悲恋の椿山 / 下北の風物 / 仏ヶ浦へ / 青森・八甲田 / 十和田湖 / ウミネコの港

東北の歴史(大池唯雄)
東北の民謡(草野心平)
東北の味覚(富木友治)
『こけし』について(大池唯雄)
東北の周遊券について(編集部)
写真提供者
あとがき(草野心平)
索引(巻末)


串田 孫一 (くしだまごいち)
「生きるための思索」
(いきるためのしさく)


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*264頁 / 発行 1965年

*目次
はじめに / 個人と社会 / 街を歩いている人たちの表情 / 家で脚をのばしているにはどうしたらよいか / ちぐはぐを感じない家 / 印刷された自分の名前が感じさせる異常な気持 / 礼儀作法は他人を充分に認める心持から出ること / 風習を変えることのむずかしさ / 若い人と老人との話し合い / 美しい友情を失わないための努力 / 死んだ人と生きている人との特殊な関係 / 孤独と夢 / 人間が一人でいるということ / 自殺者の心持からどういう戒めを知ったらよいか / 罪人が感じる苦しい孤独 / ロビンソン・クルーソーが教えてくれるいろいろなこと / ユートピアが夢の国でないために / 天国にも法令があってよいこと / 生活の技術 / 平気でつける?の恐ろしさ / 真似の仕方の上手下手 / 他人を笑わせる苦心 / テニスの上手な人の構え方 / 芸術が無用なものではないこと / 学芸は私どもに贅沢を教えるか / 演劇は危険であり、また有用であること / 古いものへの直視 / 自然はその美しさを見せてくれる / 美しい人間像 / さすらいとさまよい / 雀を育てた少年の心 / あどけなさを持った姉妹 / 新しい糧を得る必要 / 人間に課せられた仕事はまず自分を欺かないこと / おわりに ── 社会を見る公平な眼 / 後記


串田 孫一 (くしだまごいち)
「受難の花」
(じゅなんのはな)


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*211頁 / 発行 1956年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次

受難の花 / 一万光年の郷愁 / 僕の天使 / 十八年の夢 / 鉄道線路の魅力 / 本の運命 / 村のともしび / ある詩集 / たくあん事件 / この三人は誰だ / 哲学者 / 本の整形手術 / 星の声

星空への魅力 / 地下水のような音楽 / 我儘な交感 / 名優の寂しさ / 夢の中での対話 / 雲の本 / 博物の随筆 / 百科事典 / 映画製作の夢 / 玩具について

希望と野心 / ほんとうの意味の新しいということ / 学校の庭で / 現代の青年像 / 青春生活のモラル / 『潮騒』について / 十代への随想 / 結婚の夢・独身の夢 / 恋愛と結婚 / 二人の愛情

猫の目つき / 老人について / 白い頁 / 天皇と庶民 / 貯金について / 暮しの中の楽しみ / 思索の意味 / 愛のモラル / 自然の懐で

ケルン / 山の魅力 / 山で読む本 / 山へ行く人に / 女性と登山 / 第二のケルン

息づかいについて / 本の中から / 児童と読書 / 書くという習慣 / 音読すること / 話す魅力 / 私の読書遍歴

第三の性 / 若し僕が / 試験の副産物 / ロマン主義 / 原子力と思考 / ある防衛大学生の迷い / 宗教人への公開状 / 神社と逆コース / 分裂症の心配 / 精神的露出症について
あとがき


楠本 憲吉編著 (くすもとけんきち)
「戦後の俳句 <現代>はどう詠まれたか」
(せんごのはいく)


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*352頁 / 発行 1966年

*目次
戦後の俳句私観 ── 序にかえて / 本書を読む人の為に / 戦後の俳句 / 一九四五年八月十五日 / 戦いは熄んだが / 俳句雑誌の簇生と俳句否定の風潮 / 「新俳句人連盟」の発足 / 「現代俳句協会」の発足 / 「現代俳句」の創刊 / 戦後新誌群 / 「天狼」の創刊 / 混沌へ秩序を / 新人俳句 / 悠々たる虚子 / メーデー俳句と懸賞俳句 / 石橋辰之助の死 / 「草田男の犬」論争 / 「成形前後」と「屍の眺め」 / 朝鮮戦争勃発 / 「根源俳句」論争 / 富沢赤黄男 / 戦後新季題と俳句 / 女流俳句の開花 / 「馬酔木」三〇周年記念号 / 口語俳句 / 二つの俳句賞 / 「俳句」の創刊 / 松根東洋城の芸術院入り / 『石魂』と『銀河依然』 / 俳句「もの」説 / 俳句の大作時代 / 虚子、文化勲章受く / 社会性俳句の沸騰 / 「揺れる日本」 / 波郷、「読売文学賞」を受く、その他 / 草城の死 / 大政奉還説と群小雑誌整理論 / 造型俳句論争 / 「読者を持たない文学」 / 戦後俳句誌の一〇年 / 「戦後新人五〇人集」 / 虚子翁逝く / 前衛俳句の噴出 / 安保闘争と俳人 / 抒情の回復 / 現代俳句協会の分裂 / 故人星霜 / 第四世代の発言 / 現代俳句の二百人 / 久保田万太郎 逝く / 橋本多佳子 昇天 / 秋桜子芸術院賞受賞 / 松根東洋城の死去 / 戦後俳句は幻影だったか / 新芸術院会員 荻原井泉水 / 現代川柳と現代俳句 / 十代作家の登場 / 戦後の秀句 / 昭和二〇年 / 昭和二一年 / 昭和二二年 / 昭和二三年 / 昭和二四年 / 昭和二五年 / 昭和二六年 / 昭和二七年 / 昭和二八年 / 昭和二九年 / 昭和三〇年 / 昭和三一年 / 昭和三二年 / 昭和三三年 / 昭和三四年 / 昭和三五年 / 昭和三六年 / 昭和三七年 / 昭和三八年 / 昭和三九年


クードレット作 森本 英夫・傳田 久仁子訳 (もりもとひでお・でんだくにこ)
「妖精メリュジーヌ伝説」
 (ようせいめりゅじーぬでんせつ)


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*266頁 / 発行 1995年
*カバーCG・目黒詔子

*カバー文
ケルト的な妖精伝説がフランス中世の歴史と渾然となった壮大な妖精ロマン。美しい妖精メリュジーヌと人間の男レモンダンは、泉のほとりの運命的出会いの後に結婚、十人の子どもをもうけるが、夫は、タブーを破り、妻の下半身が蛇になった姿を見てしまう。別れの日、月の晩に妖精の姿にもどったメリュジーヌは、城から飛び去っていった ― 。が、子どもたちにも数奇な運命が待っていた。……
これは、ポアトゥ地方にあった、リュジニャン城とその一族の物語である。

*巻末頁
訳注
付図
訳者あとがき


窪川 鶴次郎 (くぼかわつるじろう)
「東京の散歩道 明治・大正のおもかげ」
(とうきょうのさんぽみち)


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*281頁 / 発行 1964年

*2018年発行講談社文芸文庫版カバー文
戦災から復興を遂げ、明治百年を目前に沸き立つ東京。変貌していく街並みの背後に静かにたたずむ遺構や、明治・大正期の文豪ゆかりの地、作品の舞台を訪ねて在りし日の面影を浮かび上がらせた、街歩きのための絶好の案内書。昭和初期を代表する文芸評論家が描く修業時代の体験を元にした作家たちのエピソードや、市井の人々の話にはドキュメンタリーの魅力が横溢。

*目次
第一の歩道 《本郷から上野にいたる道》
第二の歩道 《上野千駄木町から団子坂をのぼる道》
第三の歩道 《谷中と根岸をめぐる静寂な道》
第四の歩道 《下町の趣にひたる道と路地》
第五の歩道 《江戸ざかいは今は昔の街道》
第六の歩道 《伝統のおもかげを追憶する漫歩道》
あとがき


窪田 空穂 (くぼたうつぼ)
「短歌に入る道」
(たんかのはいるみち)

*193頁 / 発行 1953年 / 社会思想研究会出版部名義
*カバー画像はありません。

*目次
一 歌というものの?念とその精神
二 歌の傳統とその四期の變遷三 歌の形式
 イ、歌詞 / ロ、調 / ハ、語と調べとの關係 / ニ、萬葉調 / ホ、古今調 / ヘ、現今の調べ / ト、口語歌
四 歌の?容
 イ、歌を詠む心境 / ロ、歌はC閑の所?であるか / ハ、多忙だと歌が出來ないのは / ニ、自然と歌について / ホ、相聞の歌について / ヘ、生活の歌について
五 表現上の技巧 / 66(0035.jp2)
 イ、技巧とは何ぞ / ロ、柿本人麿について / ハ、多讀と多作について / ニ、短歌會について / ホ、課題と歌について / ヘ、旅の歌について / ト、添削にいつて / チ、上手下手ということ
短歌隨筆 / 我が國民と短歌及び俳句 / 短詩形のよしあし / 額田王の長歌一首 / 藤原定家について / 表現は自然を法とせよ / 自歌自釋
 一、故クを詠んだもの / 二、家族を詠んだもの
作歌の樂しみ / 歌に於ける主觀の現し方 / 作歌を初めた當時の思い出


クリストファ・ドーソン著・深瀬 基寛訳 (Christopher,Dawson・ふかせもとひろ)
「政治の彼方に」 (せいじのかなたに)

*156頁 / 発行 1952年 / 社会思想研究会出版部名義
*カバー画像はありません。

*目次
訳者まえがき / 一、政治の彼方に / 二、政治と国民文化 / 三、全体主義国家とキリスト教共同体 / 四、イギリス国王戴冠式に関する考察 / 五、キリスト教と政治 / 訳註 / ドウソンの学風 / 著作年表


栗林 一路 (くりばやしいちろ)
「写真スキー・スクール」
(しゃしんすきーすくーる)

*190頁 / 発行 1959年 / 社会思想研究会出版部名義
*カバー画像はありません。

*目次
序 福岡孝行 / 藤巻文司 / プロローグ / ゲレンデまでの技術 / 歩行の技術 / 滑降の技術 / 廻転の技術 / エピローグ / あとがき / この本を上手に利用していただくために


栗林 一路 (くりばやしいちろ)
「写真・登山の手帖」
(しゃしんとざんのてちょう)


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*176頁 / 発行 1960年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
カラー写真 穂高岳 / はしがき / 山へゆくまで / なぜ山が好きになったか / いろいろな山歩き / 頂上の石コレクション / どれだけのものがいるか / 七つ道具のはなし / 計画をたてる / 山岳部の準備会 / ピッケルは借りるな / なにを着てゆくか / ルック・ザックのつめ方 / 駅の階段でも遭難する / 汽車もコースのうち / 山麓にて / 駅前旅館 / 麓のほうが迷いやすい / 君は二時間ねぼけている / 低山趣味というなかれ / 道祖神と子供 / 地図は頭の中にえがけ / なにを目標としたらいいか / 歩調と呼吸 / やたらに休むな / こんなハズでなかった / 鍛冶屋さんこんにちわ / 尾根すじ路 / 靴屋の店先で / 踵になにをふむか / 道はだれがつけたのだろう / 山は生きている / ケルンは語る / 雲そして霧 / 雨もまた楽し / 天気図をみよう / ヤブこぎはつらい / 稜線の散歩 / お花畑に学ぶ / 水ばしょう(カラー) / 月と峠 / 谷をさかのぼる / 濡れる沢濡れない沢 / 徒渉のコツ / 滝と高まき / 岩を怖れるな / 流れるような身のこなし / 斜面から上体をはなせ / 雪溪とアイゼン / 頂上の感激 / 楽しき食事 / 火に原始を想う / 味噌汁とポタージュ / 小屋の朝飯 / 牛に追われる / 山の唄 / 真昼の食欲 / ウチワとタワシ / 山に寝る / ビバークは早目に / テントの柱はあとだ / シュラフの夢 / 山の花火 / 山の動物たち / 煙い小屋でも黄金の御殿 / こんなヒュッテもある / 夜を大切に / リーダーと隊員 / リーダーは横暴か / パーティの編成はこうする / どう攻めるか / ピンチと闘志 / アクシデントがおきたら / 高山病の手当て / キジをうつ話 / 孤独の必要 / 帰り途 / 未知の谷は下るな / 膝は笑う / 長すぎたルート / 夜道はこわい / 温泉は贅沢でない / お土産を忘れるな / 山からの便り / ただいま帰りました / あとがき


榑沼 光長 (くれぬまみつなが)
「信州の旅情 川をめぐる生活と風土」
(しんしゅうのりょじょう)


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*237頁
*発行 1964年

*目録文
雄大な信濃川をはじめ、梓川、高瀬川、犀川、千曲川、天龍川、木曽川と川を主題に人々の生活風俗を垣間見て信濃の旅路をめぐり歩く

*目次
一 梓川に沿うて / 二 高瀬川に沿うて / 三 安曇野周辺 / 四 犀川に沿うて / 五 千曲川に沿うて / 六 信濃川に沿うて / 七 天竜川に沿うて / 八 木曾川に沿うて / あとがき


クレメント・ウエッブ著 瀬沼 茂樹訳 (Clement・Webb / せぬましげき)
「西洋哲学史」
(せいようてつがくし)

*253頁 / 発行 1952年 / 社会思想研究会出版部名義
*カバー画像はありません。

*目次
序 / 訳者例言
第一章 哲学および哲学史
第二章 プラトンとその先唱者
 一、ミレトス学派・ヘラクレイトスとプラトン / 二、ソクラテスとプラトン / 三、ピタゴラス学派とプラトン / 四、エレア学派とプラトン / 五、アナクサゴラスとプラトン
第三章 アリストテレスおよびその他のプラトンの後継者
 一、アリストテレスとプラトン / 二、アリストテレス(その二) / 三、アリストテレス(その三) / 四、エピクロス学派 / 五、ストア学派 / 六、ロオマ・ストア学派
第四章 哲学と基督教の興隆
 一、哲学と宗教 / 二、ギリシャ古典時代の宗教 / 三、ヘレニズム時代の宗教 / 四、原始キリスト教とギリシャ哲学 / 五、キリスト教における哲学上の問題
第五章 近代ヨーロッパ未成年期の哲学
 一、アリストテレスの主権時代 / 二、スコラ哲学
第六章 近代ヨーロッパ成年期の哲学
 一、文芸復興と宗教革命 / 二、フランシス・ベイコン / 三、自然科学の勃興
第七章 デカルトとその後継者
 一、デカルト / 二、デカルト学派 / 三、スピノザ / 四、ライプニッツ
第八章 ロックとその後継者
 一、ロック / 二、バアクリ / 三、ヒュウム
第九章 カントとその同時代の哲学者
 一、純粋理性批判 / 二、実践理性批判 / 三、判断力批判
第十章 カント以後の哲学
 一、カントよりフイヒテ・シェリングへ / 二、ヘエゲル / 三、ショォペンハウエルとニイチエ / 四、進化論哲学 / 五、英米の哲学 /六、実在論の復興
人名索引


黒岩 涙香 (くろいわるいこう)
「小野小町論」
 (おののこまちろん)


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*198頁 / 発行 1994年

*カバー文
余は幸いにして、我が日本に、今より千有余年前に、日本の女子のために、活きたる手本を示した偉絶壮絶なる貞操の女神のあることを知ている、彼の女はしかも絶世の美人であった、全く女らしい点に於て総ての女に優絶した乙女である、……彼の女とは誰れぞ、姓は小野、名は小町  (「序言」よりBR>
*目録(目次)
序言
(一) 小町の出身
(二) 男に対する小町の態度
(三) 小町と恋
(四) 小町の恋人の本体
(五) 百夜通の真相
(六) 小町と深草御門
(七) 小町と藤原族
(八) 山里の侘住居
(九) 雨乞いと歌争い
(十) 小町集と小大君集
(十一) 寺参りと僧正遍昭
(十二) 老境と文屋康秀
(十三) 枯尾花の下の白骨
(十四) 種々の伝説に就て
(十五) 千古の淑媛
(十六) くさぐさの思い出
跋言
 解説 伊藤秀雄


黒岩 涙香 (くろいわるいこう)
「弊風一斑 蓄妾の実例」
(へいふういっぱん ちくしょうのじつれい)


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*203頁 / 発行 1992年

*カバー文
今や政治の変動一段落を告げ世局漸く静ならんとす、此際特に社会を驚起せしむる一記事は、来る七日より朝報紙上に現れんとす、其事たるや政治の非ず実業に非ず、最も緊急なる男女風俗問題なり社会の刮目を促す

*紹介文
本書は、明治の異色の日刊紙「万朝報」明治31年7月7日から9月27日まで連載された「弊風一斑 蓄妾の実例」510例を収録したものである。当時、男子の玩弄であった妾に対して、同情を披瀝し、妾を持つ男子に反省を促したものであった。

*解説頁・伊藤秀雄


郡司 正勝 (ぐんじまさかつ)
「歌舞伎入門」
(かぶきにゅうもん)


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*250頁 / 発行 1954年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
序 河竹繁俊
第一章 生きてゆく歌舞伎
第二章 歌舞伎の本質
 一 演劇とお芝居
 二 様式性と饗宴性
第三章 歌舞伎の歴史
 一 歌舞伎前史
  1 古代芸能 / 2 中世の芸能 / 3 人形浄瑠璃芝居
 二 歌舞伎史
  1 歌舞伎の誕生 / 2 元祿歌舞伎の展開 / 3 東漸する歌舞伎 / 4 江戸歌舞伎の爛熟頽廃 / 5 転換期の歌舞伎
第四章 歌舞伎劇場
 一 劇場の発生 ―― 劇場と芝居
 二 劇場の発達 ―― 座と芝居
 三 企業としての歌舞伎
 四 劇場構造の展開とその性格
第五章 歌舞伎の見物
 一 見物・贔屓・連中について
 二 批評と評判について
第六章 歌舞伎役者
 一 役者と俳優 ―― その起源について
 二 役者の社会生活と私生活
 三 芸術家としての役者
 四 役者の階級と制度
 五 役柄の分化と女形
第七章 歌舞伎のドラマツルギー
 一 俳優本位の脚本
 二 民衆感情の反映としての歌舞伎戯曲
 三 脚本の種類
 四 脚本の構成
 五 ドラマツルギー
 六 狂言作者の制度
 七 歌舞伎脚本の変遷
第八章 俳優術と演出
 一 歌舞伎の芸
 二 演出について
 三 せりふについて
 四 音楽と舞踊について
 五 衣裳・鬘・化粧について
 六 舞台・道具・照明について
第九章 歌舞伎と社会性

附・歌舞伎名作の鑑賞 / 純歌舞伎作品 / 義太夫狂言(丸本歌舞伎) / 舞踊劇(所作事)
あとがき / 歌舞伎の文献 / 索引


郡司 正勝 (ぐんじまさかつ)
「かぶきの美」 (かぶきのび)


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*154頁 / 発行 1960年
*カバー写真・「義経千本桜」鳥居前 狐忠信=市川段四郎 撮影・吉田千秋

*カバー文
  歌舞伎を語り、明日の演劇を考える人に  浜村米蔵
 著者は、歌舞伎の生態をとらえて、例えば「死と生のただよう瞬間をこれほど引きのばしてみせた演劇は他にあろうか」と嘆息する。このようなニュアンスに富んだ微妙な表現が、この本のいたるところにある。しかもそれが目次にあるような具体的現象的な項目の中に、王冠を飾るダイヤモンドみたいにちりばめられている。つまりポケットに入れて、時の応じて、車の中や数分の休みの時間にも読める形になっている。こんな学問的で贅沢な万人向きの本はないわけだ。

*目次
この本のしくみ
 第一部 役割の典型
  若さ(一) / 若さ(ニ) / 色盛り(一) / 色盛り(ニ) / 分別盛り(一) / 分別盛り(ニ) / 老い(一) / 老い(ニ)
 第二部 かぶきの美
  めでたさ(一) / めでたさ(ニ) / ユーモア / 華やかさ / 豪快 / 哀艶 / 怒りの様式 / 悲しみ / すねる / 驚き / いい気分 / メルヘンの世界 / 反逆の精神 / 狂気の美学 / 色模様 / エロチシズム / グロテスク / 奇跡 / 殺陣(たて) / 悔恨の芸術(一) / 悔恨の芸術(ニ) / 淫蕩の美 / 破戒 / 侠気の華 / 悪の華 / 怪異の系譜 / 歎きの形式 / 殺し(一) / 殺し(ニ) / 殺される美学 / 断末魔 / 責める / こらえる / 意見 / 復讐 / 名乗り / 別れの倫理 / 別れの義理 / 仇っぽさ / 下司っぽさ / エキゾチシズム / 愛想づかし / 死の知恵 / 妖気 / 嫉妬 / 人形美 / 悪態の姿勢 / 構成の美学 / 悪の淋しさ / 闇と沈黙と / 中性美 / 贔屓のおもしろさ
あとがき


郡司 正勝 (ぐんじまさかつ)
「新訂 かぶき入門」 
(かぶきにゅうもん)


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*282頁 / 発行 1962年
*カバー 幸四郎・半四郎舞台姿之図(勝川春章筆)

*カバー文
本書は、一九五五年度芸能選奨を受賞した「歌舞伎入門」(本文庫・既刊)の要所を書きあらため、あらたに豊富な写真・図版、ならびに年表をつけ加えて、時代の動きに即応させた新版である。

*目次
 初版への序 河竹繁俊
第一章 かぶきの生き方
第二章 かぶきの本質
 一 演劇とお芝居 / 二 様式性と饗宴性
第三章 かぶきの歴史
 一 かぶき前史
  1 古代芸能 / 2 中世の芸能
 二 かぶき史
  1 かぶきの誕生 / 2 元禄かぶきの展開 / 3 東漸するかぶき / 4 江戸かぶきの爛熟頽廃 / 5 転換期のかぶき
第四章 かぶき劇場
 一 劇場の発生 ― 劇場と芝居 / 二 劇場の発達 ― 座と芝居 / 三 企業としてのかぶき / 四 劇場構造の展開とその性格
第五章 かぶきの見物
 一 見物・贔屓・連中について / 二 批評と評判について
第六章 かぶき役者
 一 役者と俳優 ― その起源について / 二 役者の社会生活と私生活 / 三 芸術家としての役者 / 四 役者の階級と制度 / 五 役柄の分化と女形
第七章 かぶきのドラマツルギー
 一 俳優本位の脚本 / 二 民衆感情の反映としてのかぶき戯曲 / 三 脚本の種類 / 四 脚本の構成 / 五 ドラマツルギー / 六 狂言作家の制度 / 七 かぶき脚本の変遷
第八章 俳優術と演出
 一 かぶきの芸 / 二 演出について / 三 せりふについて / 四 音楽と舞踏について / 五 衣裳・かつら・化粧について / 六 舞台・道具・照明について
第九章 かぶきと社会性
付・かぶき名作の鑑賞
 純かぶき作品
 義太夫狂言(丸本かぶき)
 舞踏劇(所作事)
かぶき年表
 かぶきの文献
 あとがき
 索引