絶版文庫書誌集成

現代教養文庫 【も】

本明 寛 (もとあきひろし)
「処世術 心理学による人生案内」
(しょせいじゅつ)


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*300頁 / 発行 1962年 / 社会思想研究会出版部名義

*目録文
性格心理学の立場からもっとも近代的合理的な処世術を展開する。職場に家庭に恋愛に合理的でスマートな問題解決法を示す。

*目次
はじめに
第一 あたまが活発になる章
1 よく見せたい自分
 (1) 変な人 / (2) よい印象を与える能力
2 あたまをうまく使おう
 (1) 動物の知恵 / (2) 知恵のひろがりと弁別 / (3) 人間や動物の弁別力 / (4) 見通しとはなにか
3 知能と知識
 (1) 知能のなかみ / (2) 成人の知能 / (3) 成人知能検査と知能試験
【テスト1】あなたは文化向か理科向か
第二 わるい心が消えさる章
1 こんな気持になったらどうしたらよいか
 (1) 無気味さの真相 / (2) 青年は自己診断がお好き / (3) 人間とは欲求するものである
2 わるい心
 (1) やり出すと止まらない / (2) 反抗のための反抗 / (3) 逃げたい心 / (4) 邪魔者は消えろ / (5) やけくそ / (6) 暗示にかかりやすい
3 わるい心をとり去るには
【テスト2】わるい心をしらべてみよう
第三 異性との交際がうまくいく章
1 男らしさ、女らしさ
2 女は男をはやくから意識している
3 愛と結合の力学
4 相性の科学
5 女らしさとは劣等意識だという説
6 異性とうまく交際するには
 (1) ほれっぽい人は平素からの自己訓練が必要 / (2) 相談することはうち明けることではない / (3) 潔癖とは利己主義のことではない / (4) おもいやりは細かなところに向ける / (5) 女性の愛情は母性愛 / (6) 恋愛は遊戯ではなくて、テストである / (7) 恋愛は劇でもある
【テスト3】女性のための性格テスト
第四 いやな相手をまいらす章
1 怒りっぽい人は現象学派
2 いばりたがるのは劣等感のあらわれ
3 興奮している人もやがてさめる
4 ひねくれはレジスタンス
5 ハッタリも処世法
6 がんこはもうろく
7 けちんぼうはマイナスの悪循環
8 しっと、やきもち、ねたみ
9 人の心を動かす原理
 (1) 快の原理 / (2) 緊張平衡化の原理 / (3) 最小努力の法則 / (4) 効果の法則 / (5) 適応動為の原理 / (6) 行動優先の原理
【テスト4】色彩診断テスト
第五 職業がぴったりくる章
1 どんな人が要望されているか
2 職業人の条件
3 適性の意味
4 職業興味をみつけるために
5 性格と職業
インク・プロットによるテスト
【テスト5】興味の領域の診断方法
第六 よいイメージを与える章
1 話をうまくするために
 (1) 好き、好き関係 / (2) 聞き手となって聞き手をつくれ / (3) 言葉には背景がある / (4) 黙っているのは失礼か / (5) ユーモアは言葉のあやではない
2 よい態度の示し方
 (1) 低音は魅力がある / (2) スタイリストは自己満足型 / (3) 表情には初めと終わりがある / (4) 手の効用
3 処世術


本明 寛 (もとあきひろし)
「心理テスト 幸福の設計」
(しんりてすと)


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*228頁 / 発行 1960年 / 社会思想研究会出版部名義
*新版・237頁 / 発行 1973年

*目録文
自己の心理、他人の心理の把握は幸福な生活の前提である。本書は日常生活にひそむ深層心理を写真、図版を入れて詳細に解説

*旧版目次
 はしがき
第一章 奥さんはどんなおひと
第二章 姿態判別学 ── からだつきの科学
 1 太った人、やせた人
  (1) ある四月の午後 / (2) 体格と性格の関係 / (3) やせ型のなぞの男 / (4) 闘士型の人の気質 / (5) 胃腸型の人の性格 / テスト1 分裂性気質と躁うつ性気質の自己診断
 2 現代の観相学
  (1) ある働きものの話 / (2) 若い女子に多いバセドウ病 / (3) 交感神経亢進体質 / (4) 顔面体質学
 3 表情の分析
  (1) ダーウィンの表情研究 / (2) 情緒と表出の型 / (3) 表情判断の可能性 / テスト2 表情判断クイズ
第三章 表情解釈学 ── 心が見たもの、つくったもの
 1 天井のしみはこわい
  (1) すわった鼻 / (2) あいまいという条件 / (3) むらさき色の鶏 / (4) デカルコマニとインク・ブロット・テスト / (5) 運動をみることとすることとの違い / テスト3 インク・ブロット・テストによる性格診断
 2 人は欲求のかたまりである
  (1) かわいい猫をだいたお嬢さん / (2) 双子の性格 / (3) 絵や写真における物語り性 / (4) 母親は子供の性格を知っているか? / (5) 校長先生ははだかがお好き / (6) 欲求と圧力 / テスト4 欲求型か圧力型かの自己診断法
 3 かたいとは頭がわるいということ
  (1) 山下清君のこと / (2) にわとりと犬 / (3) 欲求不満と固さ / テスト5 頭の固さのテスト
第四章 行動理解学 ── どんなことをするくせがあるか
 1 うそつき
  (1) バレル嘘 / (2) 病症利得 / (3) ヒステリー / (4) ヒステリー性格 / (5) 嘘発見器のできた頃 / テスト6 ヒステリー性格の自己診断法
 2 心のエアポケット
  (1) 心のエアポケット / (2) 頭のぼんやりは精神疲労 / (3) クレペリン・内田作業検査 / (4) 事故運転手の作業曲線
 3 犬もニッコリする
  (1) めす犬にっこり / (2) コンフリクト(心的葛藤) / (3) 感染恐怖 / (4) 女子寮は花ざかり
第五章 幸福の予言


本山 桂川 (もとやまけいせん)
「写真・文学碑 忘れじの詩歌」
(しゃしんぶんがくひ)


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*363頁 / 発行 1960年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
はじめのことば / 詩碑 / 詞碑 / 歌碑 / 句碑 / 民謡・童謡碑 / 近代文学碑の生態とその鑑賞(エッセイ) / 芸術作品としての拓本のとり方(テキスト) / 近代文学碑碑主別総覧 / 近代文学碑地方別総覧


モーパッサン著 宗 左近訳 (Maupassant・そうさこん)
「女の一生」
(おんなのいっしょう)


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*366頁
*発行 1965年

*目次
女の一生
モーパッサン入門 ── 女の一生を中心に
モーパッサン年譜


森 浩一 (もりこういち)
「考古学随想 考えたり怒ったり」
 (こうこがくずいそうかんがえたりおこったり)


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*252頁 / 発行 1988年
*カバー写真 / アシナガガニの殻にえがいた魔よけの顔 三重県神島の民家の玄関にて / 撮影・森浩一 カバー装幀 / 安彦勝博

*カバー文
 古代からの知恵と技術がささえた日本の地域文化を、現代人は軽視しすぎてはいないか。古代と現代をクロスさせて、鋭く問題提起をする著者の″眼″は相変わらず厳しい。

*目次
 はじめに
第一章 若者の考古学
 青春紀行 対馬 / 若者からの手紙 / 気力を鍛える / あのころの正月 / 登呂発掘の思い出 / 夜警さんの考古学 / 四十代から五十代 / 栗の落ちた林 / 新面旧面・一見如故
第二章 知らなかった日本
 日本て何だろう / 埋もれた広い川 / 石器時代と木の文化 / 米の文化と藁の文化 / 蓮根と長寿 / 桂離宮と桂あめ / 祖谷の民家と火事 / 白川村のユイ
第三章 地域文化をさぐる
 日本人の“歩み”解明を 日本海シンポに寄せて / 日本海文化をさぐる / 日本海地域史の“証人” / 出雲の銅剣 荒神谷遺跡のもつ意味 / 荒神谷遺跡の発掘を見て / 再開された日本海シンポに寄せて / 高句麗と海の文化 高句麗文化展に寄せて / 夫婦の行商の歌 / 蛇の説話と新羅の土器 / 考古学と現代の兵庫 / 都江堰と葛野大堰 / 温泉と始皇帝陵 / 江南の人間の文化 司馬遼太郎氏の『街道をゆく 十九』を読んで / 東は東 西は西
第四章 現代のことば
 古代の精神活動と交易 / フェニキア没落の教訓 / 考古学と真贋事件 / 考古学報道に正確さを / 韓国の前方後円墳 / 天皇陵の指定替え問題 / 考古学と市民参加の新しい段階 / 考古学からの“科学”への雑感 / 阿武山古墓と電話帳 / 動物を食べる作法 / サムライと汚職 / レッテル貼りの思考 / 国立の共同研究の機関 / 壁面騒動と現地説明会 / 地方自治体と山城国 / 歩道の屋根とかくれた名刹 / 猫難 / ドブ板の上を歩く人たち / 長髪の僧と制服 / 無駄になった禅寺散策 / 嬉しかったこと 悲しかったこと / 早期解決の早朝 / 神島は狭いか / 美しい町とそうでない町 / 上野の散策 / あきない / 父のアルバムから / 美しい伝説と人の心 / 十年一昔
第五章 人と本
 めぐりあい この一冊 『ともしびをかかげて』 / また読みたくなって 烏丸鮮卑東夷伝倭人の条 / 忘れ得ぬ人 山本有三先生 / 銅鐸と宮地邦男さん / 守川正道のフィリピン史 / 古代史研究に大きな空洞 岸俊男先生の死を悼む


森 豊 (もりゆたか)
「写真・登呂遺跡」
(しゃしんとろいせき)


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*139頁 / 発行 1958年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
序 〈後藤守一〉
登呂遺跡とは
第1部 登呂遺跡をたずねて
 登呂への道 / 遺跡にたちて / 登呂の村 / 遺跡の整備 / 素朴な家々 / 発掘される家跡 / 家の中へ / 柱と礎板 / 草ぶきの屋根 / 繩と建築材 / 水への備え / 家の復元 / 鏡とハニワに見る家 / 床の高い倉 / 屋根と内部 / 鼠返し / 一木造りのハシゴ / 画に見る古代の倉庫 / かわいい井戸 / 世界的な水田 / 三十三枚の田 / 水路と堰 / アゼ路の構築 / 太古の森 / 花と実と葉と / 登呂はなぜ埋ったか / 考古館へ / 土器の部屋 / 美しいツボ / カメとハチとワン / 土器への愛 / 石の道具・角の道具 / 腕輪と首飾り / 木製品の部屋 / 舟と容器 / 高ツキと腰掛 / サジと杓子と発火器 / 織機と布 / ゲタと田ゲタと農具 / ウスとキネとツチ / 刀と弓と楯 / コト・そのほか / 木工・編物の技術 / 有度山と有東遺跡 / 古墳の群 / 安倍の市と国分寺 / 駿府城と東照宮 / 静岡を後に
第2部 登呂の発掘日記
 1 発見から戦争の暗い谷間へ / 2 再発掘・日本の登呂へ / 3 特別史跡指定・その保存 / 4 登呂の自然公園へ
第3部 登呂を中心とした日本の古代社会
 古代社会の革命 / 食物の採集から生産へ / 村の誕生・国の形成 / 新しい時代のいぶき / 鉄と銅の文明 / ガラス玉の生活
おわりに


森本 英夫訳編 (もりもとひでお)
「フランス中世艶笑譚」
(ふらんすちゅうせいえんしょうたん)


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*232頁
*発行 1984年

*目録文
中世フランスの“浮世草子”ファブリオの中から、“男と女”をあつかった笑い話、馬鹿話23篇。時には卑俗的で不道徳、そして陽気であっけらかんとした裸のドラマ!


森本 英夫訳編 (もりもとひでお)
「フランス中世処世譚」
(ふらんすちゅうせいしょせいたん)


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*220頁
*発行 1985年

*目録文
中世フランスの笑いの文学ファブリオの中から、処世術の読み取れるものを中心に18篇を訳出した。人間のおろかな振る舞いを笑いの種に陽気な笑いをふりまく。


森本 英夫訳 (もりもとひでお)
「ヨーロッパ中世ロマン バビロニアの幽閉塔」
(ばびろにあのゆうへいとう)


(画像拡大不可)

*197頁
*発行 1989年

*目録文
ふたりの愛を裂くために売り飛ばされた恋人を探し求めて、王子フロワールが冒険の旅に。謎にみちた塔に幽閉された乙女の運命は?


森安 理文 (もりやす まさふみ)
「偉大なる落伍者 坂口安吾」
(いだいなるらくごしゃさかぐちあんご)

*234頁 / 発行 1972年

*目録文
ヒロポン、アドルムなどの薬物中毒と酒の暴飲のために、凄惨な死を遂げた坂口安吾の一生を追い、彼の文学の原点を探る。巻末に生活・作品年譜を付す



森安 理文 (もりやすまさふみ)
「微笑の受難者 ― 太宰治」
 (びしょうのじゅなんしゃ・だざいおさむ)


*装幀・平昌司
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*246頁 / 発行 昭和49年

*カバー文
 不思議に思えるのは、太宰文学の、昭和文学史上の位置が、はなはだ不安定であるということである。太宰は常に正統な文学史からは、はみ出たところでとらえられている。これはおかしなことである。文学史のどこかがくるっているとしかいいようがあるまい。 (あとがき より)

*目次
一 序
二 太宰文学の魅力
三 自己劇化と劣等感
四 余計者の宣言
五 汝を愛し、汝を憎む
六 妄想の受難者
七 虚弱なギロチン
八 羞恥の狂言
九 幻想の扉
一〇 微笑の能面
一一 凄惨な擬態
一二 無頼の原点
一三 恋の革命者
一四 地獄の残光
 ○年譜・作品年譜
 ○参考文献目録
 ○重要参考文献解題(奥野健男『太宰治』 / 臨時増刊文藝「太宰治読本」 / 山岸外史『人間太宰治』 / 長篠康一郎『人間太宰治の研究』全三巻)
 ○あとがき