絶版文庫書誌集成

現代教養文庫 【の】

野口 雨情著・雨情会編 (のぐちうじょう・うじょうかい)
「十五夜お月さん 野口雨情童謡選」
(じゅうごやおつきさん)


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*192頁 / 発行 2002年

*出版社内容情報
野口雨情生誕一二〇年記念企画
 北原白秋、西條八十と並び称される童謡、民謡詩人の、美しい「にっぽんのことば」、二一世紀に残したい「にっぽんのうた」選で、いつも上位を占めるのは童謡・唱歌で、なかでも雨情の童謡の多くが必ずそこに含まれます。真っすぐな〈美しいことば〉とけがれない〈童心〉への懐かしいメッセージは、聞く人が思わず口ずさんでしまう魅力をもつからです。
 雨情はけっして〈戦争〉を詩にしませんでしたし、童謡は、〈物質文明〉一辺倒から脱却するための、次世代を担う子どもたちの心の打ち水だという姿勢を終生貫きました。雨情の詩情と思想が、今甦らさるべきゆえんです。
 収録童謡114。楽譜29曲。

童謡は童心性を基調として、真、善、美の上に立ってゐる芸術であります。
童謡の本質は知識の芸術ではありません。童謡が直(すぐ)に児童と握手出来るのも知識の芸術でないからであります。
童謡が児童の生活に一致し、真、善、美の上に立って情操陶冶の教育と一致するのも超知識的であるからであります。 ── 金の星編輯部にて  雨情

*目次・収録作品一覧(◎は楽譜付き)
十五夜お月さん
◎蜀黍畑 / 豊作唄 / 日傘 / ◎信田の藪 / 虹の橋 / 雲雀の子とろ / 十六角豆 / 鵞鳥 / 山椒の木 / 烏の小母さん /  母さん里 / 闇夜 / 堂鳩 / 汐がれ浜 / 鈴虫の鈴 / ◎四丁目の犬 / 柿 / 人橋 / こほろぎ / ◎十五夜お月さん / 百弗 / ◎帰る雁 / ◎青い空 / 地臓さん / 河童の祭 / 猫の髯 / ◎七つの子 / 雪降り小女郎
青い眼の人形
◎青い眼の人形 / ◎赤い桜ンぼ / 乙姫さん / 西吹く風 / 千代田のお城 / 上野のお山 / ◎呼子鳥 / ◎屋根なし傘 / 二つの小鳥 / 帰る燕 / 一つお星さん / さらさら時雨 / 柱くぐり / 和歌の浦 / 姨捨山 / 重い車 / 雀の酒盛り / 鈴なし鈴虫 / 鼠の米搗き / 秋の夜 / 磯の千鳥 / ◎赤い靴 / くたびれこま / ◎河原の河童 / 海女が紅 / 五つの指 / おぼろお月さん
蛍の燈台
よいよい横町 / ◎雨降りお月さん / ◎俵はごろごろ / 田甫の鳥追ひ / 兎が来い / 茶柄杓 / 粉雪 / ◎カッコ鳥 / 高野山 / おめめとおてて / ◎箱根の山 / 鼠の嫁入り / かもめ / かくれんぼ / 機織り / 海坊主小坊主 / 影踏み / 秋の月 / こほろぎ遊び / ◎鶯の夢 / チックリ虫 / 子鳩の歌 / 赤とんぼ / お母さんと一緒 / 山ほととぎす / ◎兎のダンス / ◎夜明け烏 / 羊来い / 田螺のお家 / 兎と狸 / 河原鶸 / あの山蔭 / ひとり旅 / ねむの木 / 蛍の燈台 / 牛舎の仔牛 / こんこん狐
朝おき雀
田舎の正月 / 田螺の泥遊び / ひよこ / 子守唄 / どんと波 / 豚のお鼻
その他(未収録)
鶏の番 / 水引きとんぼ / 鼬の火の玉 / ◎シャボン玉 / 貰ひ子 / ◎黄金虫 / ◎木の葉のお船 / ◎証城寺の狸囃子 / ◎あの町この町 / ねこねこ楊 / キューピー・ピーちやん / ◎春の唄 / ◎蛙の夜廻り / 足柄山 / ◎南京言葉 / ◎ペタコ
 野口雨情略年譜 / 雨情の絶唱(浜田廣介) / 編纂後記(雨情会理事長 浜田廣介) / 解題(西條和子) / 改訂・増補を終えて(西條和子)



野添 憲治 (のぞえけんじ)
「開拓農民の記録 ― 日本農業史の光と影」
(かいたくのうみんのきろく)


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*278頁 / 発行 1996年

*目録文
江戸時代の開拓行政から掘り起こすとともに、近代以降の開拓地50余を探訪し、労苦と格闘した農民たちの足跡を追う。「開拓政策」とは何かを問う労作。

*目次
開拓とは
明治期の開拓
大正期の開拓
昭和期の開択 ― 戦前・戦時
戦後開拓
戦後開拓の光と影


野添 憲治 (のぞえけんじ)
「ドキュメント出稼ぎ 農業棄民の現場から」
(documentでかせぎ)


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*265頁 / 発行 1994年

*紹介文
農業問題を中心に据えて出稼ぎが内蔵する問題点等、体験を通してつづる。

*目次
1 陸の孤島に暮らす ─ 北海道常呂郡置戸町 / 2 秩父山系の飯場生活 ─ 長野県南佐久郡川上村梓山 / 3 底辺生活者の愛と恨み ─ 奈良県吉野郡下北山村池峰 / 4 豪雪の高原に生きる ─ 長野県下高井郡堺村五宝木 / 5 北国の詩情と人生 ─ 北海道勇払郡占冠村湯の沢 / 6 飯場の革新者たち ─ 長野県下高井郡堺村北野 / 7 雪国に生きる人々 ─ 福島県岩瀬郡天栄村 / 8 屈辱と憤怒にまみれて ─ 北海道勇払郡占冠村下トマム / 出稼ぎとその社会的背景


野添 憲治 (のぞえけんじ)
「花岡事件の人たち ― 中国人強制連行の記録」
 (はなおかじけんのひとたち)


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*280頁 / 発行 1995年
*カバーデザイン・平昌司 / 絵は『木刻連環画集・花岡ものがたり』(野添憲治=編、新居宏司・滝平二郎・牧大介=刻、御茶の水書房=刊)より

*カバー文
 多くの人が直視したくないような過去の「負い」の部分を共有の財産にすることによって、中国人強制連行や花岡事件は、はじめて個々の体験から思想へとひろがることができるのである。……想像もつかないような厖大な犠牲者をだした花岡事件が、わたしたちにとってなんであるかということも、こうした作業をつづけることによって、いっそう明確になっていくのである。その作業の一つとして、わたしはここに聞き書きの一部を提供する。 ― 本書より

*目次
 はじめに
T 中国人強制連行とは
U 中国から花岡鉱山へ
V 過酷な労働の中で
W 蜂起する中国人
X 戦後の日本で生きる
Y 日本人からの証言
   中山寮事務員として=越後谷義男 / 医師の立場から=高橋実 / 遺骨送還に参加して=武田武雄
Z 花岡事件から引き継ぐもの
 あとがき / 花岡事件、その後 ― 文庫のためのあとがき
 中国人強制連行、花岡事件関係文献目録


野田 高梧等著 (のだこうご)
「シナリオ入門」
(scenarioにゅうもん)


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*197頁 / 発行 1955年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
はしがき
シナリオの方法・野田高梧
シナリオの構成・小林勝
シナリオの書き方・倉田文人
脚色について・新藤兼人
戦後の作品解説・長江道太郎


野間 宏等著 (のまひろし)
「写真中國の顔 文学者の見た新しい国」
(しゃしんちゅうごくのかお)


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*179頁 / 発行 1960年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
序(野間宏)
広大なる光のなかで・写真と文・野間宏
 八達嶺の長城 / 万里の長城、女牆と?台 / 北京第一実験小学校 / 壁と石の上のスローガン / 家鴨は行進する / 養魚池のほとりで / ポプラ並木、電柱、石馬 / 洪秀全の妹の砦 / 珠江の朝 / 蘇州拙政園 / 黄浦江外灘 / 中国の作家

見たこと感じたこと ── 中国訪問ノートの一節 ── スケッチと文・亀井勝一郎
 有弁法、有希望の国・写真と文・松岡洋子 / 「夫妻同進出」 / 主婦のつくった工場 / 北京の働く主婦 / 駅べんやさん / 生産と政治と休養と / 反美帝 / 女工さん三十五年 / 上海の少年宮 / 民族文化 / 昔と今 / 中国らしい風景 / 革命のはじめ

新しいものと古いもの・写真と文・竹内実
 新しいものと古いもの / 巨大な列柱 / 素朴な式典 / ひるね / 天安門前 / 魯迅の家 / 中国で会った人たち / 北京の六月

陸と人と物・写真と文・開高健
 北京の朝 拳法・剣舞 / 街頭寸景 ロバ / 寒山寺 境内と鐘・眼鏡橋 / 壮大な悪 昆明湖 / 死んだ不可解さ てん足の老婆 / 流動する文化 上海の映画スタジオ / 「物」から「人間」へ 南京路の一角 / 子供天国 人民公社の男の子 / 絶望の虚妄 魯迅の家の窓 / 万里の長城 世界中の落書き / 万里の長城 大学生たちがトランプ / 中国のピラミッド 明十三陵内部

中国の若い人たち、子供たち・写真と文・大江健三郎
 蘇州の美しい女の子(1) / 蘇州の美しい女の子(2) / 広州の人民公社で子守りする子供たち / 馬橋人民公社の子供(1) / 馬橋人民公社の子供(2) / 鋼鉄工場の少女 / 北京、王府井の子供 / 広州の子供(1) / 広州の子供(2) / 蘇州の刺?工場の娘さん(1) / 蘇州の刺?工場の娘さん(2) / 中国にきていたイラクの子供

中国訪問日本文学代表団の三十八日の旅・白土吾夫


野呂 信次郎 (のろしんじろう)
「名曲物語」
(めいきょくものがたり)


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*350頁
*発行 1969年

*目録文
名曲は作曲家の生活を写した鏡であるといわれる。本書は、名作曲家の代表的作品の解説と鑑賞を中心に作曲家の愛と人生を著わす。