絶版文庫書誌集成

現代教養文庫 【ら】

ラ・フォンテーヌ / ギュスターヴ・ドレ / 窪田 般彌
「ドレ画 ラ・フォンテーヌの寓話」
 (らふぉんてーぬのぐうわ)



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*365頁
*発行 1987年
*カバー・ギュスターヴ・ドレ

*カバー文
人の心やいとなみは、300年のむかしも今もそれほど変わりはないらしい。17世紀の詩人により書きつづられた寓話のもつユーモアや諷刺が、今なお生き生きと感じられるゆえんであろう。ここには、なまけ心、恋心、名誉心、欲望、ぺてん、争い、ないものねだり、富や貧困、権力…が、あるいは動物の性格や行動になぞられて、簡潔かつ軽妙に語られている。19世紀の高名な画家ドレによる挿絵が、なおいっそうの興を添える。


ラ・フォンテーヌ著 三野博司・寺田光徳・木谷吉克訳
「ラ・フォンテーヌの小話(コント)」


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*262頁 / 発行 1987年

*カバー文
『寓話』でその名を不朽ならしめたラ・フォンテーヌだが、彼は『寓話』よりも早く『小話(コント)』の執筆をはじめていた。浮気女や寝とられた亭主、好色坊主などが、愛の騙し合いやアバンチュールの技を競うといった、ボッカチオやラブレーに素材を借りた風流小話が大部分ながら、さすが才気にあふれる巧妙な口調で語られ、独特の魅力にあふれた艶笑譚となっている。『寓話』作家の快楽主義者としての本性を存分に発揮した作品である。

*目次
ジョコンダ ― ロンバルディア王との魅力くらべ
リッチャルド・ミヌートロ ― 恋の手並み
殴られて喜んだコキュ ― 貞潔な奥方との忠実な従僕のペテン
聴罪司祭に化けた亭主 ― 浮気女房が一枚上手
シャトーティエリで起こった事件 ― 三人ともに得するためには
アテナイオスによる小話 ― 美しい娘の父親はどちら?
アテナイオスによる小話(その2) ― 食いしんぼう
※※※についての小話 ― 赤ん坊を産んだ修道女
メールの判事 ― 判決はくじ引きで
領主に逆らった農夫 ― 踏んだり蹴ったり
『恋愛判決集』による模作 ― 恋心に応じない美しい婦人
耳作りと型直し ― おなかの赤ん坊の仕上げ
カタロニアの修道士 ― 婦人たちが支払った十分の一税
揺りかご ― 娘と女房を寝取られた宿屋の亭主
馬丁 ― 王を欺くしたたかさ ―
聖ジュリアーノの祈り ― 災難転じて至福となる
無罪を立証された小間使い ― 妻を欺いた男の話
三人の仲のよい女たちの賭け ― 夫を欺く悪だくみ
老人たちの暦 ― 満たされない若い妻
貪欲な女と山師 ― 亭主の金を女房の贈り物に
人の考えることには限界がある ― 焼き餅焼き男の女房の手口
子牛を捜す村人 ― 若者が驚嘆した眺め
ハンス・カルヴェルの指輪 ― 老境の夫と若い妻
罰を蒙ったガスコーニュ男 ― 恋人と同衾してちぢみ上がる
隠者 ― 教皇の母となるべき娘との勤行
ランポレキオの間抜け男 ― 九人の修道女をもてなす
フィリップ爺さんの雁 ― 女や欲望や愛の存在を知らない息子
鷹 ― 愛のあかしに財産をすべて捧げた男
恋する娼婦 ― 厳しい試練ののちに手にした果実
鞍 ― 浮気のしるし
接吻のお返し ― 忠実に守られた約束
金銀宝石をもたらす女 ― 妖精からの贈り物
 解説(訳者)


ラフカディオ・ハーン著 池田 雅之訳 (Lafcadio Hearn いけだまさゆき)
「おとぎの国の妖精たち ― 小泉八雲怪談集」 
(おとぎのくにのようせいたち)


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*334頁 / 発行 1995年
*カバー装画・1899年に出版されたちりめん本 The Goblin Spider(化け蜘蛛)より

*カバー文
アイルランドの血をひくハーン(小泉八雲)の眼で見ると、日本のおとぎ話は、あたかもケルトの妖精物語のようであったのかもしれない。
「妖精の仙境」を向こう見ずに訪れるおとぎ話の流浪者にも似て、日本の幻に永遠にとりつかれている ― とハーン自身述べている。
本書は、超自然の力を主題にした作品31編と、エッセイ4編を収め、ハーンの再話文学の世界のほぼ全容をつかめるよう編まれたアンソロジーである。

*目次
 まえがき
第一章 おとぎの国の妖精たち
 ちんちん小袴 / 団子をなくしたおばあさん / 化け蜘蛛 / 猫を描いた少年 / 若がえりの泉
  

 むじな / 力ばか / ひまわり
第二章 ユートピアへの夢想
 浦島伝説 / 安芸之介の夢 / おしどり / お貞の話 / 蓬莱
第三章 怪異と愛のユートピア
 島妻 / 泉の乙女
  

 織女(ちにゅう)の伝説 / 孟沂(もうぎ)の話
  

 忠五郎の話 / 伊藤則資(のりすけ)の話
第四章 愛の裏切りと激情
 雪女 / 和解 / 振り袖伝説 / 因果話 / 茶わんの中 / 耳なし芳一の話
第五章 樹木と物に宿る妖精たち
 青柳の話 / 鏡の乙女 / 衝立ての乙女 / 葬られた秘密 / 十六夜 / 乳母桜
  

 永遠の憑きもの
第六章 永遠の女性像について
 永遠の女性像について / 妖精文学 / 文学における超自然の価値
 ラフカディオ・ハーン略年譜 / 収録作品の原題と出典 / あとがき


ラフカディオ・ハーン著 池田 雅之訳編 (Lafcadio Hearn いけだまさゆき)
「おとぎの国の妖怪たち 小泉八雲怪談集2」
(おとぎのくにのようせいたち)


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*350頁 / 発行 1996年

*カバー文
怪奇怪談の名作と自伝風エッセイ。夢か真か魔性か―怪奇伝説や荒唐無稽な説話など、主に男の妖怪や幽霊の話34篇を収録。

*目次
第1章 霊の日本への旅 / 第2章 おとぎの国の妖怪たち / 第3章 霊の転生 / 第4章 霊との交感 / 第5章 恋の因果 / 第6章 『怪談』の誕生まで / ラフカディオ・ハーン略年譜

*細目
子捨ての話 / 小豆磨ぎ橋 / 水飴を買う女 / 鳥取の布団の話 / 帰ってきた死者 / 倩女の話 / 幽霊滝の伝説 / ろくろ首 / 食人鬼 / 死体にまたがった男 / 果心居士の話 / 僧興義の話 / 普賢菩薩の伝説 / 常識 / 天狗の話 / 大鐘の霊 / 鏡と鐘と / お亀の話 / 蠅の話 / 雉子の話 / 策略 / 願真卿の帰還 / 梅津忠兵衛の話 / 鮫人の恩返し / 菊花の契り / 破られた約束 / 生霊.死霊 / 愛の伝説 / 天女バカワリ / 最初の音楽家 / 弁天の感応 / 牡丹灯籠 / 天の川叙情 / 私の守護天使 / 夢魔の感触 / ゴシックの恐怖 / 亡霊