絶版文庫書誌集成

現代教養文庫 【つ】

塚崎 進 (つかさきすすむ)
「笑いの誕生日本人の心にあるもの」
 (わらいのたんじょう)


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*200頁 / 発行 1960年

*カバー文
豊臣秀吉の家来に、曾呂利新左衛門という男がいた。彼は武勇がすぐれているとか、美男子であったというのではなく、今のタイコモチのように、ただやたらに秀吉をゲラゲラ笑わせて、それで給金をもらっていた男だった。そして、その笑い話こそ、じつは彼を歴史上の人物にしてしまった……。  ― 本書「うそつき」より ―

*目次
 人間が笑うとき(序にかえて)
 しあわせ
一 乙女のえくぼ / 二 笑う門には
 かけあい
一 天狗の高笑い / 二 恋のかけひき / 三 喜劇のエレジィ / 四 笑いの製作者 / 五 狂笑する法師 / 六 泣き笑いの発見
 うそつき
一 空想から嘘へ / 二 嘘をつく技術 / 三 落し噺のオチ / 四 曾呂利新左衛門
 あくたい
一 笑いの貧困 / 二 悪太郎の秘密 / 三 笑いと悪態 / 四 哄笑のみなもと / 五 笑話の誕生
 付録
一 虱の文芸 / 二 ユーモア短歌の脱落
 あとがき


土屋 清編 (つちやきよし)
「経済用語辞典」
(しんけいざいようごじてん)

 
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*281頁 / 発行 1958年 / 社会思想研究会出版部名義
*新版・289頁 / 発行 1963年



土屋 文明 (つちやぶんめい)
「万葉名歌」 
(まんようめいか)


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*252頁 / 発行 昭和31年

*カバー文
古い、新しいという時代をこえて、万葉集がわれわれ日本人に訴える力を持っているのは事実というほかない。この本のとりあげた作品の数は、必ずしも多いとはいえないけれども、その一首一首が必ず理論をこえたところで、読者とこのすぐれた日本民族の遺産とを結びつけるに足るものだと信ずる。 (著者の序文より)

*目次
 序
万葉集理解のために
 一 万葉集とはどんな書物か
 二 万葉の時代
 三 万葉の作者
 四 万葉集の何が時代につながるか
 五 注釈書
万葉名歌
 所載歌索引


都留 重人 (つるしげと)
「近代経済学の群像 人とその学説」
(きんだいけいざいがくのぐんぞう)


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*253頁 / 発行 1993年

*紹介文
代表的経済学者の生いたちと学問の遍歴から読む近代経済学の誕生と発展の背景。

*目次
プロローグ ── 近代経済学とは
第1話 メンガー ── オーストリア学派の父
第2話 ワルラス―ロ ── ザンヌ学派の始祖
第3話 ウィックセル ── マクロ経済学の先駆者
第4話 フィッシャー ── 米国「近経」の開拓者
第5話 ケインズ ── 新古典派を乗り越えた教祖
第6話 シュンペーター ── 学派を越えた非凡の教師
エピローグ ── ハーヴァード黄金時代


津留 宏 (つるひろし)
「青年期 その生活と心理」
(せいねんき)


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*213頁 / 発行 1959年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
はしがき
T 青年を理解しよう
 一 青年への関心が高まった / 二 青年期の研究が始まった / 三 どんな方法で青年期を研究するか
U 青年期の始まりと終り
 一 子供と大人との間 / 二 一人前とはどうなることか / 三 一足飛びに大人にはなれない
V 青年は社会にどう散らばっているか
 一 青年はどこにどの位住んでいるか / 二 青年はどんな仕事に従っているか / 三 青年はどんな学校に学んでいるか
W 中学生の身体と心
 一 大人の身体になる / 二 動揺とあこがれ / 三 自分がわからない / 四 理解と思いやり
X 高校生の矛盾と秘密
 一 自分を伸ばしたい / 二 内界の秘密 / 三 理想主義を育てよう
Y 大学生の思想と態度
 一 進学も生活の戦い / 二 大学生にもいろいろな型がある / 三 異性への試行錯誤
Z 働く青年の生活と悩み
 一 学歴で異る職種と待遇 / 二 勉強する暇がない / 三 深い悩みと淡い望み
[ 青年期をどう生きるか
 一 青年は時代とともに変った / 二 現代への反応 / 三 女子青年の夢 / 四 精神衛生の知識を生かそう
参考文献 / あとがき


鶴見 俊輔 (つるみしゅんすけ)
「プラグマティズム入門」
(pragmatismにゅうもん)


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*215頁 / 発行 1959年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
T プラグマティズムはどのように発達したか ── 人と学説を中心として
1 プラグマティズムの起源 ── ライトとその周辺
 出生の年月日は不明 / 地理 / 後見人 / 常連 / いかにして発表されたか / 言葉の源と思想の源 / 指南役 / プラグマティズム世に出る
2 プラグマティズムのはじめての体系 ── パースの人と思想
 パースの門 / 不遇の人 / 彼の論理 実証主義は、どんなに育てられたか / 顔かたち / 哲学への出発点 / 哲学体系 ── 方法論 / 哲学体系 ── 結論 / 哲学体系 ── プラグマティズムの位置
3 プラグマティズムの意味論 ── パースの意味
 記号の学としての論理学 / 思索の方法の種類 / トキクチの種類 / 意味の規準の提案 / プラグマティズム運動史 / 技術および技能としてのプラグマティズム
4 プラグマティズムの発展 ── ジェイムズ
 社会背景 / 思索への主観的いとぐち / 幼年期、少年期、青年期 / ジェイムズの仕事 / ジェイムズの影響
5 プラグマティズムのアメリカ政治思想への影響 ── 哲人法官ホウムズ
 共通の敵 / 判例をとおしてみた思想 / ホウムズの思想体系
6 日常性の哲学としてのプラグマティズム ── オットー
 日常生活の哲学 / 哲学とは何か / 宗教について / オットーの人柄
7 プラグマティズム年代記

U プラグマティズムとは何か
8 プラグマティズムの構造
 三つの傾向 / プラグマティズムの諸流派 / プラグマティズムとアメリカ人の哲学 / プラグマティズムと社会思想 / プラグマティズムの用途
9 プラグマティズムの位置
 現代米国哲学の見取り図 / 「言語」への関心を喚起した諸学派 / プラグマティズムの伝統 / ヴィーン学団の米国移住 / パースの再認識へ
10 プラグマティズムの可能性
 状況の中から出発する / 俗語の哲学性 / ユーモラスな見方 / 例外を愛する精神
11 プラグマティズムと日本
 哲学史における対照法 / プラグマティズムは今までどこにあったか / プラグマティズムということ / 新しい哲学の設計図
あとがき / 人名索引