絶版文庫書誌集成

未分類絶版文庫 【れ】

『歴史読本』編集部編 (れきしどくほんへんしゅうぶ)
「カメラが撮らえた 明治・大正・昭和 皇族と華族」
(こうぞくとかぞく)
新人物文庫(株式会社KADOKAWA)



*カバー写真・梨本宮妃伊都子(青梅きもの博物館蔵)
 カバーデザイン・藤田美咲
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*320頁 / 発行 2015年

*カバー文
 明治から昭和までの3代の天皇、皇室を支えた宮家、「公家」から変貌を遂げた近代日本の貴族たち……。文明開化から世界大戦までの間に、多くの皇族・華族が、軍人や政治家、文化人などの立場で、時には時代を牽引し、時には時代に翻弄されながらも、華麗な足跡を残している。本書では、激動の時代を歩んだ貴人たちの歴史を、稀少な古写真とともに明らかにしていく。精細な肖像写真、豪勢で艶やかな宮廷衣装、日常を撮らえたオフショットなど、255枚の写真を収録。文庫化にあたり、新たに46枚の写真を追加した。「明治天皇の野球チーム」、「武家に嫁いだ宮家のお姫様」、「宮家に嫁いだ武家のお姫様」など、魅力的なエピソードも紹介する。

*目次
きらびやかな宮廷衣裳 皇室の優雅な装い
一章 天皇家 ─ 激動の時代を歩んだ三代の天皇
 明治天皇 ─ 伝統を重んじつつ「近代」創造の軸となった大帝の生涯
 大正天皇 ─ 国民と皇室との絆を深めた気さくで優しい天皇
 昭和天皇 ─ 常に「国民の幸福」を念じ自らを律し続けた天皇
 コラム 昭和天皇の野球チーム
二章 宮家 ─ 皇室を支えた皇族たちの肖像
 伏見宮家 ─ 多くの宮家の源流となった世襲親王家の筆頭
 コラム 山内(伏見宮)禎子の生涯 西沢教夫
 華頂宮家 ─ 伏見宮家から分かれ創設された宮家
 有栖川宮家 ─ 戊辰・西南戦争で活躍した四親王家のひとつ
 閑院宮家 ─ 伝統ある四親王家のひとつで陸軍の要職を歴任
 久邇宮家 ─ 昭和天皇に嫁いだ香淳皇后の実家として繁栄
 山階宮家 ─ 山階鳥類研究所を創設し多くの学者を輩出
 北白川宮家 ─ 三代続けて不慮の死を遂げた悲劇の宮家
 賀陽宮家 ─ 久邇宮から分かれ伊勢神宮の祭主を務めた宮家
 小松宮家 ─ 一代で途絶えるも陸軍に大きな足跡を残した軍人皇族
 東伏見宮家 ─ 一代で断絶するも祭祀の継承は今に続く
 東久邇宮家 ─ 憲政史上で総理大臣を務めた唯一の皇族
 竹田宮家 ─ オリンピック団体の要職を歴任したスポーツの宮様
 朝香宮家 ─ パリ留学時にアール・デコを学んだお洒落な宮様
 梨本宮家 ─ 王女が朝鮮の王族に輿入れした宮家
 コラム 梨本宮妃伊都子の生涯
三章 華族 ─ 近代日本を牽引した公家華族と親華族
 近衛公爵家 ─ 五摂家筆頭にして総理大臣も務める
 鷹司公爵家 ─ 武家とも気脈を通じた五摂家の名門
 九条公爵家 ─ 子女が孝明天皇と大正天皇に嫁いだ名門
 一条公爵家 ─ 明治天皇の后となった昭憲皇太后の実家
 中山侯爵家 ─ 幕末期に活躍した明治天皇の外祖父の一家
 柳原伯爵家 ─ 大正天皇の生母や情熱の女流歌人を輩出
 三条公爵家 ─ 尊王攘夷派公卿として活躍し太政大臣に
 岩倉公爵家 ─ 下流公卿ながら維新の元勲として右大臣に
 西園寺公爵家 ─ 最期の元老を生んだ清華家の名門
執筆者略歴 / 主要参考文献


『歴史読本』編集部編 (れきしどくほんへんしゅうぶ)
「戦国最強の水軍 村上一族のすべて」
(むらかみいちぞくのすべて)
新人物文庫(発行 KADOKAWA)


*カバーイラスト・香川元太郎画
(今治市村上水軍博物館提供)
 カバーデザイン・オフ
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*255頁 / 発行 2014年

*カバー文
天下人が恐れた村上水軍の実像とは
 織田信長を恐れさせた男がいた。瀬戸内の制海権を掌握した村上水軍の総帥村上武吉である。
 天下統一をすすめる信長に立ちはだかる石山本願寺からの救援要請をうけた武吉を総大将とする毛利水軍は、織田水軍を撃破する。だがその二年後、復讐を期した織田水軍の鉄甲船の前に大敗を喫した。
 信長に代わって天下人となった秀吉の発した「海賊禁止令」によって息の根を止められた海のサムライたちは、時代の荒波の中でやがて歴史の表舞台から消えてゆく。瀬戸内の海に君臨した海賊衆村上一族の栄光と没落の謎を追う……。

*目次
瀬戸内海賊の跳梁した海
村上武吉の名を天下に知らしめた奇襲戦
 “海の桶狭間”と呼ばれた厳島合戦
海賊大将村上武吉の栄光と没落
 怒涛の時代を駆け抜けた72年の生涯
瀬戸内の覇者村上一族の実像と軌跡
三島村上水軍徹底史跡ガイド
 能島村上氏/来島村上氏/因島村上氏
三島村上水軍関係略系図
三島村上水軍関連年表


『歴史読本』編集部編 (れきしどくほんへんしゅうぶ)
「日本の華族 その栄光と挫折の一部始終」
(にほんのかぞく)
新人物文庫(新人物往来社)


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*255頁 / 発行 2010年
*表紙カバー写真・「欧州管弦合奏之図」(明治学院大学所蔵)
 カバーデザイン・泣fザインルーム・グラフ 新保惠一郎

*カバー文
近代日本の特権階級の知られざる謎
「皇室の藩屏」として明治二年に誕生し、最大九一三家を数えた華族は、昭和二十二年の新憲法施行により消滅する。誕生当初は、五位以上の公卿(清涼殿への昇殿が許された家柄)と、幕府の支配下にあった一万石以上の旧大名など、四二七家であった。
 その後、明治十七年の華族令制定により、「公・侯・伯・子・男」の爵位が与えられ、さらに「国家に勲功ある」勲功華族として、政治家・軍人・官僚・実業家・学者が次々と叙爵していった。
 華族の義務や生活、閏閥、事件、経済などの実情を通して、華族が近代日本にどのような影響をおよぼしたのかを考察する。

*目次
謎で読み解く名家・名門
 華族の謎20 … 千田稔
  日本の華族は諸外国と比べどのような特徴を持つのか
天皇家を支えた華族
 伊藤博文[公爵] … 西原和海
  近代化のため華族制度を創出した維新の元勲
 乃木希典[伯爵] … 高橋紘
  高潔な人格を見込まれ軍人から学習院長へ
 牧野伸顕[伯爵] … 高橋紘
  天皇を立憲君主へと導いた宮中の実力者
 鈴木貫太郎[男爵] … 河原敏明
  天皇の「聖断」を演出した祖国を焦土化から救う
 木戸幸一[侯爵] … 河原敏明
  元老亡きあとの宮中を統括した最高相談役
華族の明治・大正・昭和
 南部家●伯爵家 … 高橋清明
  「皇室の藩屏」を貫いた生き方
 山川家●男爵家 … 間島勲
  各々の功績が認められた兄弟叙爵
 渋沢家●子爵家 … 上之郷利昭
  社会貢献と志した経済人の血脈
 前田家●侯爵家 … 池田公一
  伝統を活かした文化事業に大きく貢献
 西園寺家●公爵家 … 松田敬之
  「もう一つの西園寺家」の真相
 伏見家●伯爵家 … 高野澄
  臣籍に降下した軍人華族の悲劇
 鴻池家●男爵家 … 西沢教夫
  幕府・新政府を援助し続けた大富豪
 毛利家●公爵家 … 柴原直樹
  一族旧臣の英知を結集させた「家憲」
 島津家●公爵家 … 寺尾美保
  旧藩の習慣と家政の近代化との統合
 東郷家●侯爵家 … 前坂俊之
  「聖将」を輩出した軍人華族家
華族のスキャンダル
 相馬事件 開化の御家騒動 … 西原和海
 赤化華族事件 “赤き”皇室の藩屏 … 浅見雅男
 不良華族事件 伯爵夫人の醜聞 … 浅見雅男
 復活する華族社会 … 佐藤朝泰
 執筆者一覧


『歴史読本』編集部編 (れきしどくほんへんしゅうぶ)
「歴史の中のサンカ・被差別民」
(れきしのなかのさんかひさべつみん)
新人物往来社文庫


*カバー写真・「信貴山縁起絵巻」(信貴山朝護孫子寺所蔵)
 カバーデザイン・幅雅臣
(画像はクリックで拡大します)

*319頁 / 発行 2011年

*カバー文
 農耕や定住をせず、日本の山中や河原をわたり歩き、川魚漁や竹細工を生業とし、一九六〇年代には姿を消したとされる「漂泊の民」サンカ。
 彼らの起源は? 彼らはどのような人々だったのか? 三角寛や柳田国男をはじめとするサンカ研究、差別の歴史、サンカと東北の漂泊民の関連など、さまざまな視点からサンカを考察した一書。
 そして、ロマ民族、インドの「アウトカースト」、朝鮮の「白丁」など、世界の放浪民・被差別民の論考も収録し、差別を生みだす社会的システムの実態と、差別をどのように克服してゆくのかについても思索する。

*目次
第1章 サンカ・漂泊民・被差別民
 対談 サンカ、漂泊民、そして被差別民への視座 … 沖浦和光 / 朝倉喬司
 対談 差別・被差別からの解放そして、アジア的相互扶助の可能性へ … 宮崎学 / 宮台真司
第2章 サンカとは何者か?
 柳田国男と狂気の挫折 ── 山人・サンカ・被差別民への接近 … 今井照容
 サンカと東北の漂泊民 … 赤坂憲雄
 岩窟に住む家族たち ── 九州の「漂泊民」サンカ像 … 服部英雄
 我が故郷のサンカを想う … 高山文彦
 漂泊民の別天地 ── 夢野久作の小説世界 … 朝倉喬司
 “被差別からの反逆”じし「八切サンカ論」の神髄だ! … 西垣内堅佑
第3章 世界と日本の被差別民・放浪民
 ジプシー(ロマ民族)との出会いから思う随想曲 … 緒方修
 インドにおける被差別民と仏教 ── 被差別からの解放と改宗 … 保坂俊司
 「白丁(ペクチョン)」とよばれた人たち ── 朝鮮の被差別民 … 高正子
 水平社が照らす部落差別の実相 … 朝治武
 著者紹介