絶版文庫書誌集成

未分類絶版文庫 【ゆ】

柳 周鉉著 (ユチュヒョン) 朴 容九訳 (パクヨング)
「小説 朝鮮総督府」
 (しょうせつちょうせんそうとくふ)
徳間文庫



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*703頁
*発行 1995年
*カバーデザイン・鈴木祥之

*カバー文
1910年の日韓併合から45年の日本敗北の瞬間まで、36年間朝鮮半島に君臨した「朝鮮総督府」。足がために乗り込んだ伊藤博文から寺内正毅、長谷川好道ら八人の総督が存在した。語られることの少ない“日韓併合時代”を大韓帝国滅亡に立ち合う悲運の国王高宗と純宗、暗躍する親日派高官、生命をかける抗日志士のそれぞれの生きざまを軸に展開する。知られざる歴史 ― 日韓の悲劇を描く壮大な近代史ドラマ。

*解説頁・橋谷弘


結城 昌治 (ゆうきしょうじ)
「志ん生一代 上下」
 (しんしょういちだい)
朝日文庫



*カバー装画・村上豊
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*上308頁・下362頁 発行 1980年

*中公文庫版カバー文
上巻
十歳になるやならずで酒と博奕を覚えた孝蔵(後の志ん生)が、唯一夢中になれたものが落語だった。二十歳で弟子入り、芸を磨くに余念はないが、飲む打つ買うの三拍子にずぼらな性分が加わり、周囲に迷惑のかけ通し。師匠の羽織を飲みつぶし、酔いつぶれて寄席の高座をすっぽかし……。芸の方はいっこうに芽が出なかったが、いつかは立派な芸人になってやる、という思いは本物だった。
下巻
酒のしくじりで寄席に出られなくなった孝蔵は、落語以外に自分の生きる道はないと痛感。高座復帰後は少しずつ人気も上昇し、昭和十四年、念願の五代目古今亭志ん生を襲名。戦後は名人・文楽と並び称される存在になり、飲む打つ買うは相変らずながら生活も安定していくが、逆に下積み時代の仲間が次々とこの世を去っていき、脳出血で倒れた志ん生も次第に高座から遠ざかってゆく……。


結城 昌治 (ゆうきしょうじ)
「森の石松が殺された夜」
 (もちのいしまつがころされたよる)
徳間文庫



*カバーイラスト・村上豊
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*219頁 / 発行 1988年

*カバー文
森の石松は親分・清水の次郎長の代参で金比羅参りを無事済ませた帰途、江州の貸元・御幸山鎌太郎から頂った大金を懐に、兄弟分の小松村七五郎を訪ねた。だが、石松はなぜか清水へ帰ろうとしない。そして、ある日、石松の無惨な死体が……。土地の貸元のしわざとの噂が流れるが。次郎長はなぜ数ある子分の中から、問題児石松を代参に選んだのか!? 従来の通説をくつがえした石松殺しの意外な真相と結末!

*目次
森の石松が殺された夜
野州矢板の喜三郎
下総我孫子の島吉
 博徒ざむらい ― あとがきに代えて
 解説 菊池仁