絶版文庫書誌集成
旺文社文庫・日本の著作 対訳古典シリーズ


池田利夫訳注 (いけだとしお)
「堤中納言物語」 
(つつみちゅうなごんものがたり)

*234頁 / 発行 1979年

*目録文
「虫めづる姫君」等、王朝物語の優雅さと近代的機知を合せもつ洗練された味わいの短編物語集。



上田秋成著・大輪靖宏訳注 (うえだあきなり・おおわやすひろ)
「雨月物語」 
(うげつものがたり)

*380頁 / 発行 1960年

*目録文
「菊花の約」をはじめ、上田秋成の古典に対する深い素養に裏打ちされた、江戸文学中の白眉。



鴨 長明著・今成 元昭訳注 (かものちょうめい・いまなりげんしょう)
「方丈記 付・発心集(抄)」
 (ほうじょうき)

*191頁 / 発行 1981年

*目録文
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」と、仏教思想に裏打ちされた無常観を綴る。



桜井満訳注 (さくらいみつる)
「万葉集」 上中下巻 
(まんようしゅう)

*上巻568頁・中巻601頁・下巻622頁
*発行 1974年〜1975年

*目録文
古代人の激しい愛憐のこころを、その若々しい精神の息吹きを鮮やかに伝える、日本文学最大の古典。



親鸞著・安良岡康作訳注 (しんらん・やすらおかこうさく)
「歎異抄」 
(たんにしょう)

*185頁 / 発行 1974年

*目録文
他力信仰に生きた親鸞の教えを晩年の弟子唯円が記した書。宗教的・文学的に高い価値をもつ。



菅原 孝標女著 池田 利夫訳注 (すがわらのたかすえのむすめ / いけだとしお)
「更級日記」 
(さらしなにっき)


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*194頁
*発行 1988年

*カバー画・佐多芳郎

*カバー文
平安文化も漸く盛りを過ぎた頃、一人の女性が夢のように過ぎた自らの生涯を顧みていた。草深い片田舎で育った少女時代、物語に耽溺して美しい女主人公達に己の夢を託した乙女の頃。しかし宮仕えにも結婚生活にも夢は破られ、今は弥陀の世界の光明を願うのであった。「更級日記」は、現実に裏切られつつも夢を捨て切れずに孝標女が綴った、浪漫的魅力に溢れる平安朝女流日記文学の佳品である。


清少納言著・田中重太郎訳注 (せいしょうなごん・たなかじゅうたろう)
「枕草子」 上下巻 
(まくらのそうし)

*頁数不明 / 発行年不明

*目録文
芸術的感覚が至る所にきらめき、平安朝最盛期の宮廷で絢爛と花開いた女房文学の頂点を行く作品。



武石 彰夫訳注 (たけいしあきお)
「今昔物語集 本朝世俗部 (全四冊)」
 (こんじゃくものがたり ほんちょうせぞくぶ)


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*(一)505頁・(二)482頁・(三)589頁・(四)753頁
*発行 1988年

*目録文
仏教説話集。インド・中国を経て、日本で開花した仏の伝言で、人間の真実を追求した愛の文学。


近松門左衛門著・守随憲治訳注 (ちかまつもんざえもん・しゅずいけんじ)
「近松世話物集」 
(ちかまつせわものしゅう)

*390頁 / 発行 1988年

*目録文
義理に縛られた封建の世に真実を貫いて死への道を急ぐ男と女。「心中天の網島」等四編収録。

*収録内容
曾根崎心中
冥途の飛脚
心中天の網島
女殺油地獄



松尾芭蕉著・麻生磯次訳注 (まつおばしょう・あそういそじ)
「奥の細道 他四編」 
(おくのほそみち)

*246頁 / 発行 1970年

*目録文
常に風雲の思いにとらわれ、人生を旅とみなした芭蕉の「野ざらし紀行」等五編を収めた紀行文集。



吉田兼好著・安良岡康作訳注 (よしだけんこう・やすらおかこうさく)
「徒然草」 
(つれづれぐさ)


(画像拡大不可)

*490頁
*発行 1971年

*目録文
著者兼好は無常を自覚し仏道に帰依して外部を超越しようとした。中世知識人の自己観照の文学。