絶版文庫書誌集成

旺文社文庫・日本の著作
【む】


虫明 亜呂無 (むしあけあろむ)
「シャガールの馬」 
(しゃがーるのうま)


*カバー装丁・倉橋三郎
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*261頁 / 発行 1985年

*カバー文
スポーツは恋愛に似ている。僕はスポーツを理解することで、恋愛に惹かれ、恋愛をとおして人間のふしぎさに思いあたった。恋愛とか、スポーツのように変転をくりかえし、離反してやまないもののなかに、人はなぜ恒常のものを求めるのであろうか。  ― 著者のことば ―
競馬をテーマにした表題作はじめ、マラソン、サッカー、テニスなどを題材にしたスポーツ小説八編。

*目次
海の中道
連翹の街
黄色いシャツを着た男
タンギーの蝶
アイヴィーの城
ふりむけば砂漠
シャガールの馬
ベケレットの夏


村島 健一 (むらしまけんいち)
「幕末酒徒列伝」 (ばくまつしゅとれつでん)

*319頁 / 発行 1987年

*目録文
坂本龍馬、伊藤博文、岡田以蔵…。幕末に活躍した志士、大名、刺客等の飲みっぷり。゛維新裏面史"。

*目次
高杉晋作 ― 誇り高き“インテリ酒”の美学
山内容堂 ― 英傑・賢侯の“イヤミ酒”
勝海舟&西郷隆盛 ― 幕末2大下戸の江戸“無酔”開城
後藤象二郎 ― 官費豪遊“社用酒”の巨魁
岩倉具視 ― 自分ひとりが無礼講
伊藤博文 ― 酒は口説きの起爆剤
岡田以蔵ら ― 「人斬り」のあとの宿酔
アーネスト・サトウ ― 青い目をしたノンベー志士
松平容保 ― 会津の酒は土魂酒
唐人お吉 ― たった3日で“酒害”の標本
佐久間象山 ― 天下第一人者の“卑しめ酒”
成島柳北 ― “風流酒”ここに極まれり
清水次郎長 ― 豹変また豹変の“酒わり酒”
新選組 ― 非ノンベーを上司にもつ不幸
坂本龍馬 ― タダ酒嫌いのプラトニック・ドリンカー



村山 孚 (むらやままこと)
「中国権謀術数の人間学」 
(ちゅうごくけんぼうじゅつすうのにんげんがく)

*252頁 / 発行 1986年

*目録文
"ライバルを始末する方""中傷の技法とその防ぎ方"など中国の史書から学ぶ生存競争の技術。

*目次
序章 権謀術数とはなにか
第一章 相手を看破する術
第二章 先読み・先取りの術
第三章 人を動かす“兵法”
第四章 戦国策士の人間操縦術
第五章 人の力を利用する法
第六章 ライバルを始末する法
第七章 中傷の技法とその防ぎ方
第八章 人目をくらます“韜晦の術”
第九章 禍を防ぐ“保身の術”
第十章 群雄割拠のなかの遊泳術
終章 人間関係にへこたれぬ心得



室生 犀星著 / 山室 静編 (むろうさいせい/やまむろしずか)
「室生犀星詩集」
 (むろうさいせいししゅう)


*カバー・深尾庄介
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*261頁 / 発行 1969年

*カバー文
 ふるさとは遠きにありて思ふもの
  そして悲しくうたふもの
犀星の詩を口ずさみ、詩人の生涯をたどる者は、新たな情感の湧き出ずることを禁じ得ない。詩人として世に出、詩人として逝った犀星の「愛の詩集」「抒情小曲集」など代表作約一五〇編を収め、注釈をほどこした。

*目次
抒情小曲集 / 青い魚を釣る人 / 鳥雀集 / 愛の詩集 / 第二愛の詩集 / 寂しき都会 / 星より来れる者 / 田舎の花 / 忘春詩集 / 高麗の花 / 故郷図絵集 / 鶴 / 鉄集 / 鉛筆詩集 / 哈爾浜詩集 / いにしへ / 美以久佐 / 動物詩集 / 山ざと集 / 日本美論 / 旅びと / 木洩日 / 逢ひぬれば / 昨日いらつしつて下さい / 乙女抄 / 晩年
 室生犀星の人と詩業 山室静
 父・犀星と庭 室生朝子
 代表作品解題
 参考文献
 年譜
 あとがき


室生 犀星 (むろうさいせい)
「幼年時代 他三編」 (ようねんじだい)



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*306頁 / 発行 1967年

*カバー文
父は死に、母は行方知れず、深い寂しさのうちに、少年は隣の住職の養子にもらわれていく。そんな中で唯ひとり心のよりどころであった心の優しい義姉も結婚して去って行き、深い寂しさにつきおとされる。犀星の自伝的色彩のこい文壇的処女作「幼年時代」、他に「性に目覚める頃」「あにいもうと」他を収録。

*目次(収録作品)
幼年時代
性に目覚める頃
或る少女の死まで
あにいもうと
 解説 結城信一 室生犀星の人と文学 / 作品の解説と鑑賞
 永遠の文学 奥野健男
 小粒のダイヤモンド 室生朝子
 代表作品解題 / 参考文献 / 年譜
  挿絵 風間完