絶版文庫書誌集成

旺文社文庫・日本の著作
【な】


直木 孝次郎  (なおきこうじろう)
「法隆寺の里 ― わたしの斑鳩巡礼」
 (ほうりゅうじのさと・わたしのいかるがじゅんれい)


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*250頁
*発行 1984年

*目録文
法隆寺の里・聖徳太子ゆかりの地、斑鳩の里を該博な知識と達意の文章でつづる歴史随想集。


永井 博 (ながいひろし)
「ゆっくりヒマラヤ・シェルパの里をトレッキング」



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*191頁
*発行 1984年

*目録文
世界最高峰エベレストのふもとを歩く。シェルパ族との交流を豊富なカラー・白黒写真で描く。


永井 路子 (ながいみちこ)
「歴史のヒロインたち」 (れきしのひろいんたち)


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*268頁 / 発行 1982年

*目録文
北条政子、細川ガラシャ夫人ら歴史上著名な女性二十八人についての作家・歴史学者らとの対談集。

*目次
額田王 / 持統天皇 / 光明皇后 / 孝謙天皇 / 藤原薬子 / 道綱の母 / 清少納言 / 紫式部 / 赤染衛門 / 丹後局 / 北条政子 / 建礼門院徳子 / 静御前 / 恵信尼 / 二条 / 青岳尼 / 日野富子 / 一向一揆の女たち:お市の方 / 細川ガラシャ夫人 / おねね・おまつ / 淀殿と妹たち / 山内一豊の妻・おちよ / 千姫 / 天秀尼 / 八百屋お七 / 五大将軍綱吉の母・桂昌院 / 松尾多勢子


中江 百合 (なかえゆり)
「季節を料理する」 (きせつをりょうりする)

*342頁 / 発行 1982年

*目録文
懐しい四季折々の日本の味、覚えておきたい家伝直伝の料理集。幻の名著、ここに復刊。



長沢 和俊 (ながさわかずとし)
「西安からカシュガルへ ― シルクロード踏査行」 
(せいあんからかしゅがるへ)

*290頁 / 発行 1986年

*カバー文
シルクロード史学の第一人者の、多年にわたる調査紀行を集大成。最新の西域の姿を紹介する。



永島 慎二 (ながしましんじ)
「阿佐谷界隈怪人ぐらいだあ」 
(あさがやかいわいかいじんぐらいだあ)


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*238頁
*発行 1984年

*カバー文
阿佐谷の怪人・永島慎ニの最新エッセイ、ショート・ショート、童話(カラー版)、漫画集。


中村 武志 (なかむらたけし)
「女房がつけた探偵」 (にょうぼうがつけたたんてい)

*393頁 / 発行 1987年

*カバー文
国鉄職員で"目白三平シリーズ"の作家である著者に女房が私立探偵をつけ、テンヤワンやの大騒動。



中村 武志 (なかむらたけし)
「百鬼園先生と目白三平」 (ひゃっきえんせんせいとめじろさんぺい)


*装幀・田村義也
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*347頁 / 発行 1986年

*カバー文
 尽忠の君子。
 そんな言葉を思いださせるような、本書は“ある忠僕の回想”であると同時に、目白三平なる一個の人間がたどった軌跡を、かずかずの挿話を中心に綴った自叙伝でもある。  江國 滋「解説」より

国鉄職員と、「目白三平シリーズ」の作家という“二足のワラジ”をはき続け、見事はきこなした著者が、大文章家で、大錬金術師、内田百關謳カとの関わりをユーモラスに描く。

*目次
鸛(こうのとり)が運んで来たオヤジ / 信州の山猿上京す / 就職早早クビになる / 「百鬼園随筆」との出会い / 大義名分は五百万読者 / 榜葛刺屋(べんがらや)盛衰記 / 鬼苑方丈記 / 百關謳カ弟子の代筆 / 編集編を奪われる / 百關謳カの序文をいただく / 著者は叱られる / 不義理の追加払いをする / もの書きはつらいよ / 見合いの栗饅頭を食べる / 二足のワラジをはく / 訓示しても膨張する / ホテルでつまみ洗いをする / 目白三平の沢庵石 / 目白三平の銀杏探し / 目白三平分身を追う / 自由にはき続ける一足 / ボケないうちに「こう死にたい」の記 / 百鬼園先生故郷へ帰る / 郷里岡山に文学碑建つ

口絵・「百關謳カ鍋横遺墨館」について
解説 江國 滋


中村 武志 (なかむらたけし)
「ふだん着のパリ」 (ふだんぎのぱり)

*290頁 / 発行 1984年

*目録文
パリジャン、パリジェンヌの生活、考え方などを自らの体験を通し、ユーモラスに描いたパリ案内。



中村 武志 (なかむらたけし)
「目白三平 駅弁物語」 (めじろさんぺいえきべんものがたり)



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*299頁 / 発行 1987年

*カバー文
目白三平こと、元国鉄職員の著者が、全国の“汽車・駅弁ファン”におくる旅と食べものエッセイ集。天皇陛下と駅弁のエピソードや、卒業論文に駅弁の研究を選んだ女子大生の活躍、また“目の中を汽車が通っても痛くない”ほどの鉄道マニアだった内田百間先生の奇行録など話題が満載。巻末に最新版「全国駅弁一覧」を一挙掲載。

*目次
駅弁物語
 変わった老人 / 駅弁愛好家たち / 土びんと駅弁 / 娘さんの駅弁論文
旅先の変わった話
 年の功より亀の甲 / 出羽三山あえぎ旅 / 私好みの海甘くすっぱい旅の恥
旅先の食べもの
 鯨ようかんを平らげる / 信州信濃の新そばよりも / 湯の山温泉の雉子料理
旅先で一言
 結城紬を織る里 / 女心の残り火 / こけしと天狗の湯
百間先生と汽車
 ライスカレーで耳が動く / 浴衣に靴で北海道へ / いよいよ「阿房列車」出発
おかしなおかしな鯨の国際会議
 ベトナムから鯨が出た / 鯨が人間をあわれむ時
21世紀の駅弁「鯨弁当」
 鯨は日本の国民食 / 鯨の食卓史 / 日本は食糧資源小国 / 鯨は世界を救う


中山 俊明 (なかやまとしあき)
「アメリカがつぶやく 出会いと再会の旅」

*272頁 / 発行 1984年

*目録文
ロサンゼルス、ニューヨーク、ダラス……激動するアメリカのいまのつぶやきとは?最新レポート。



中山 俊明 (なかやまとしあき)
「ルイジアナ・ママを誰も知らない スナップ的アメリカ論」


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*329頁
*発行 1983年

*目録文
留学した通信社カメラマンが見たアメリカの実態とは……。生身のアメリカを描くスナップ・エッセイ。


永山 久夫 (ながやまひさお)
「おもしろメニュー二万年」 (おもしろいめにゅーにまんねん)

*267頁 / 発行 1986年

*目録文
ナウマン象のバーベキュー、ヒミコと塩辛納豆…。゛過密列島"二万年の「食生活の知恵の営み」。



永山 久夫 (ながやまひさお)
「たべもの江戸史」 (たべものえどし)



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*264頁 / 発行 1986年
*カバー装丁・小宮山逢邦

*カバー文
納豆、そば、豆腐、天ぷら、鮨…。日本を代表するたべものは、ほとんど江戸時代の文化文政期に出揃っている。どのような土壌から、江戸食文化の創造性が出現したのか。“江戸の料理ブーム・百珍時代”“上方と江戸の食生活の違い”“江戸で人気のたべもの”“江戸一というコマーシャル”など,たべものの起源、変遷、エピソードでつづる、江戸食文化史。

*目次
好奇心と食欲 / 飯の食べ方 / 多彩な副食物 / 調味料 / 江戸の発酵食品 / 江戸で人気の食べもの / 天保時代の飽食人間たち / 大飢饉
 江戸たべもの史年表 / 参考文献 / あとがき / 文庫版・あとがき


永山 久夫 (ながやまひさお)
「たべもの戦国史」
 (たべものせんごくし)


*カバー切絵 百鬼丸
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*249頁 / 発行 1985年

*カバー文
《……本書は、”食”による”戦国サバイバル術”のすべてを網羅したものである。どのような事態に遭遇しても、的確に対応できるテクニックと方法の実用書である。》 ― 「あとがき」より ―
戦国時代の兵糧、スーパー携帯食・兵糧丸、陣中携帯の薬餌など”食”のすべてと「上杉謙信の梅干酒」「石田三成の最期」「家康の麦めし」など”食”のエピソードで構成。たべものからみた戦国時代の物語。

*目次
戦国時代以前の兵糧 / 戦国時代と兵糧 / 戦国武将の兵糧奇譚 / 戦国生き残り術 / 陣中携の薬餌 / 籠城と兵糧 / 兵糧丸の秘密 / 食生活の知恵 / 南蛮ものと煙草の大流行
 戦士・武将のたべもの史 / たべもの戦国史年表 / 主要参考文献 / あとがき / 文庫版・あとがき


永山 久夫 (ながやまひさお)
「たべもの超古代史」 (たべものちょうこだいし)

*242頁 / 発行 1987年

*目録文
一億六千万年前の恐竜時代の食糧は? サルからヒトへ移る中の食生活は? 自然食の原点を探る。

*目次
恐竜からサルへの旅 / 植物食から肉食へ / 火の驚異と火食の始まり / 氷河時代の食生活の知恵 / マンモスハンターの食生活 / ゾウの天国だった古代日本 / 縄文時代始まる / 新石器時代の主役たち



永山 久夫 (ながやまひさお)
伝統食に学ぶ 和食ものしり事典」 (わしょくものしりじてん)



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*301頁
*発行 1986年
*カバー装丁・小宮山逢邦

*カバー文
枝豆、とろろ汁、カツオのたたき、ショウガ、ほうとう、イワシ、そば、にしめ、タコ、コンニャク、納豆、ノリ、たまご、凍り豆腐、サンマ、餅、イカ、家康ライス、ワカメ、ジャガイモ、豆乳、ダイコン、お茶、山菜、鍋もの…etc.ふだん食卓にのぼる食品33種の起源、変遷をエピソードで綴る。健康に生きる「食生活の手引き」。


那須 良輔 (なすりょうすけ)
「魚と遊ぶ ― 釣りと料理」 (さかなとあそぶ)



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*175頁
*発行 1983年
*カバー・那須良輔

*カバー文
「釣りは5才の頃、生家の裏を流れる濠で、ヤンモト(カワムツ)を釣ったのが最初だから、もう60年も続いている」(『あとがきより』)
― 無類の魚好きの著者(漫画家)が“真鯛・鮪・秋刀魚・海老”などから“船上料理・包丁とまな板・釣り道具”まで海の幸の釣りと料理を薀蓄を傾けて語る画文集。


那須 良輔 (なすりょうすけ)
「釣り春秋」 (つりしゅんじゅう)


(画像拡大不可)

*215頁
*発行 1982年

*目録文
イシダイ・フグ・ウナギ・アユ……。さまざまな釣りのダイゴ味を薀蓄を傾けて語る釣りエッセイ。


ナターシャ・スタルヒン
「白球に栄光と夢をのせてわが父 V.スタルヒン」 (はっきゅうにえいこうとゆめをのせて)


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*274頁
*発行 1985年

*目録文
プロ野球界に不滅の足跡を残したV・スタルヒンの苦難に満ちた少・青年時代を愛娘が徹底取材。


夏堀 正元 (なつぼりまさもと)
「殺意の肖像」 (さついのしょうぞう)

*240頁 / 発行 1985年

*目録文
弟のコピーのような息子に、〈もしや弟の子では?〉と疑惑を深めた英司……。真相の殺意を描く七編。


夏堀 正元 (なつぼりまさもと)
「青春の鎖」 (せいしゅんのくさり)

*286頁 / 発行 1985年

*目録文
太平洋戦争末期、激戦地出陣を間近に控え苦悩する青年を描いた表題作など著者自選作品九編収録。


夏堀 正元 (なつぼりまさもと)
「幻の北海道共和国」 (まぼろしのほっかいどうきょうわこく)



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*263頁
*発行 1985年
*カバー装丁・倉橋三郎

*カバー文
旧幕臣・友部恭介は、榎本武揚の共和国思想に共鳴し、函館戦争に参加して捕らわれた。崇敬していた武揚の裏切りを知った友部は、収監された樺戸集治監から集団脱走し、稚内沖の利尻島に、わずか三十二名のミニ共和国を作ったが……。
ほかに、ロシア皇太子を襲撃者から守ったために数奇な運命にもてあそばれていく車夫・市太郎を描いた「勲章車夫」など5編を収録。

*解説頁 越智道雄


夏堀 正元 (なつぼりまさもと)
「霧笛の町」 (むてきのまち)

*227頁 / 発行 1986年

*目録文
レポ船の動向を探っていた塔野恭治は、無惨な遺体で根室に帰還した。彼は中野学校出身だった。

*目次
霧笛の街 / 白い海 / 幻影軍港 / ベトナム・死の太鼓 / 島痛びの国・沖縄



奈良本 辰也 (ならもとたつや)
「志とは何か歴史エッセイ集」 (こころざしとはなにか)

*309頁 / 発行 1981年

*目録文
歴史を動かす原動力の一つに「志」をあげ、幕末維新の代表的人物を中心にその源を明らかにする。 



奈良本 辰也 (ならもとたつや)
「風土の中の史実」 (ふうどのなかのしじつ)


*カバー写真・臼杵の石仏
 撮影・榊原和夫
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*253頁 / 発行 1985年

*カバー文
「私は、これまで旅というものが持つ日常性への反逆や、自由への志向という人間の内面にかかわり過ぎた話をつづけてきた。漂泊の魂にこだわり続けたような気がする。しかし、昔の人が旅に出たのは、しかも敢て危険を冒して旅に出たのは、その魂があったからだといわざるを得ない」 ―― 「旅」を通して日本各地の風土とそこから生まれた歴史と文化を語る好エッセイ集。

*目次
旅心の歴史的随想 ―― プロローグ
義経伝説の地を行く ―― 富来
幻の町を訪ねて ―― 草戸千軒
人物探訪の旅 ―― 国東半島
鉄砲伝来の島を訪ねて ―― 種子島
宣長のあとを訪ねて ―― 松阪
『修禅寺物語』の舞台へ ―― 修善寺
京をはずして坂本へ ―― 坂本
かくれた城下町 ―― 出石
高杉晋作挙兵の地 ―― 長府
中国の旅から坊の津へ ―― 坊の津
花匂う北方の城下町 ―― 松前
河井継之助と良寛の地を訪ねて ―― 長岡
あとがき
文庫版によせて


奈良本 辰也 (ならもとたつや)
「歴史家への道 ― 昭和史と共に歩んだ青春」
(れきしかへのみち)


*カバー構成・SALT
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*257頁 / 発行 1984年

*カバー文
「私の歴史家としての形成過程をふり返ってみると、中学校入学以来歩んだ道がつくづく偲ばれるのである。やはり私の通ってきた道は歴史家への道であった。私は、昭和の年号とともに、歴史家への成長を遂げていたのである」(あとがき)より
戦争とファシズムが支配的であった昭和前期、抑圧の時代に抗して歴史家への道を歩む著者半生の自伝。

*目次
昭和史と共に歩んだ青春
 授業よりも文学にひかれた中学時代 / 新進気鋭の軍事教官に反抗した高校時代 / きびしくなった思想の取締り / サークル活動を通じて多くを学んだ大学時代
西田直二郎先生とあの頃のこと
 西田教授を慕って京大へ / スケールの大きな歴史理論 / 理論派と実証派 / 無類の温泉好き
大学という場所で
 印象深かった先生たちのこと / 歴史学を方法をさぐる / 滝川事件五周年記念集会 / 「愛書会」での活動
豊岡中学校時代
 大学を卒業して / 大学院に残って / 先輩の後任として豊岡中学へ / 懐かしい思い出の土地
城崎温泉へ移る
 学友の検挙 / 三人の教え子たちと山田少年のこと / 「桜会」のこと / 城崎温泉へ移る / 特高に訊問される
城崎の四季
 夏休み / キャンデー事件 / 雲低き但馬に志高く / スキー始め / ふたたび京都へ
赤紙来る
 市史編纂補助員時代 / 七たび生きて国賊を滅ぼさん / 即日帰郷
紀元は二千六百年
 結婚 / 紀元は二千六百年 / あゝ戦争に突入す
戦時下の生活
 大東亜共栄圏よ / 一冊の本 / 小さな侠気
逃れる如くに故郷へ
 地震と空襲 / 故郷へ帰る / 鯛の刺身と薩摩芋
あゝ、その日は来りぬ
 ソ連軍国境を越ゆ / あゝ敗戦 / 氷嚢の代りに豆腐で
羽ばたく心
 幻想大臣 / 冬の終り / 苦悩する時代のもとで / 出郷 ―― ふたたび京都へ
あとがき / 年譜・著作目録


南條 範夫 (なんじょうのりお)
「暗殺競合」 (あんさつきょうごう)


*カバー装丁・村上豊
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*270頁 / 発行 1985年

*カバー文
維新政府の権官広沢真臣は明治四年一月九日未明、妾と同衾中に十数ヶ所の刀傷を受け惨殺された。参議として権勢を振るった広沢は、その苛烈な行動ゆえに、刑死した雲井龍雄の残党、河上彦斎一味、対露強硬論者丸山作楽一党等による複数の暗殺計画の標的となっていた。……
表題作のほか「憎悪の果て」「裏切られた反乱」「女軍事探偵」など六篇を収録した明治伝奇小説集。

*目次
暗殺競合
憎悪の果て
驀進
裏切られた反乱
政変
女軍事探偵
 解説 ― 武蔵野次郎


南條範夫 (なんじょうのりお)
「遺臣の群 (いしんのむれ)

*297頁 / 発行 1987年

*目録文
幕末維新の激動期に時代の波に翻弄されながらも新しい生活に挑む旗本・御家人たちを暖かく描く。



南條範夫 (なんじょうのりお)
「一族自刃、八百七十名」 (いちぞくじじんはっぴゃくななじゅうめい)

*267頁 / 発行 1985年

*目録文
北条高時一族滅亡の悲劇を描く表題作ほか、名作「燈台鬼」「右大将暁に死す」「悪源太奮戦」等収録。



南條範夫 (なんじょうのりお)
「慶安太平記」 (けいあんたいへいき)

*377頁 / 発行 1986年

*目録文
慶安年間、主家の改易・滅封で禄を離れた数十万の浪人を救うべく、軍学者由比正雪は大陰謀を!



南條範夫 (なんじょうのりお)
「斬首ただ一人」 (ざんしゅただひとり)

*264頁 / 発行 1986年

*目録文
小栗上野介・岩倉具視・前原一誠・榎本武揚等、幕末・維新期にそれぞれの信念に生きた男の物語。



南條範夫 (なんじょうのりお)
「刺殺」 (しさつ)



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*282頁
*発行 1985年
*カバー画・村上豊

*カバー文
五百石取りの武将を夢みて、不倶載天の仇・織田信長の密命で春日山城に潜入した伊賀忍者くも兵衛。夜陰に乗じて首尾よく上杉謙信を刺殺、無事城外に脱出したが、逃走中片腕切断の重傷を負ってしまった。ともすれば薄れがちの意識を励ましながら安土をめざすくも兵衛を待つ運命は? 表題作はじめ「梟首」「命を売る武士」「雷神谷の鬼丸」など傑作時代小説七編を収録。


南條 範夫 (なんじょうのりお)
「十五代将軍沖田総司外伝」〈上下〉 (じゅうごだいしょうぐん・おきたそうじがいでん)




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*上巻452頁・下巻397頁
*発行 1987年
*カバー装丁・村上豊

*カバー文
上巻
「十五代将軍慶喜を主人公としているが、新選組の動き、とくにその中で極めて特異な存在であった若い剣士、沖田総司の薄幸な生涯をからませて、幕末の動乱期を小説化したものである。」  (著者)
――幕末・維新の激動期を背景として、御三家・御家門中まれにみる英明の君主とうたわれた一橋慶喜の悲劇を描く傑作時代長編。
下巻
慶応ニ年、わずか二十九歳で十五代将軍となった徳川慶喜は、圧倒的武力をもって開国を迫る西欧列強による外圧や、富強化した西南雄藩の倒幕気運に抗して、徳川三百年の歴史を一身に背負い幕威の回復に努めた。しかし、歴史の流れを止めることは不可能だった。――徳川家最後の将軍慶喜の苦悩と怒りを、風雲急を告げる幕末の京洛絵図と絡めて描いた傑作時代長編。

*解説頁・石井富士弥


南條 範夫 (なんじょうのりお)
「第三の陰武者」 (だいさんのかげむしゃ)


*カバー画・村上豊
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*269頁 / 発行 1984年

*カバー文
 「ほう、郷士の小童が、大した口を利くようになったな。もう本当の三田谷城主気取りか」
 「私が、正体を悟られず、安高になり切ることが、あなたのためでしょう」
 「お前のためだ。お前がにせ者と分かれば、絞り首か、磔刑
〈たっけい〉か、穴埋めか ― 大したいい目に遭えるだろ」  〈第三の陰武者〉より
群勇争覇の戦国乱世を生きぬく武将・女性たちの無惨な生涯を、透徹した史眼で描く残酷時代小説集。

*目次
第三の陰武者 / 被虐の系譜 / 時姫の微笑 / 未完の藩史 / 飛騨の鬼姫


南條 範夫 (なんじょうのりお)
「第三の浪士」(上下) (だいさんのろうし)

*上423頁・下410頁 / 発行 1986年

*目録文
江戸から越後・会津・北海道へと、本州を縦断して北上する幕府側三浪士の血戦と恋を語る巨編。



南條 範夫 (なんじょうのりお)
「脱走」 (だっそう)


*カバー装丁・村上豊
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*344頁 / 発行 1986年

*カバー文
屈服か、抗戦か、大坂城内では関東方の無法な要求に対して議論百出の大評定が開かれていた。一方、関東方では一刻も早く情報を得るべく多数の伊賀者を潜入させていた。……冷酷非情の忍者狩りを描く表題作ほか、本能寺変で九死に一生を得た織田信長の運命を描く「残骸」、「檻の中の主君」など十二篇を収めた傑作時代小説集。

*目次
男岩・女岩 / 伴作の奇妙な生涯 / 一瞬の気怯れ / 残骸 / 脱走 / 明日になれば / 檻の中の主君 / 江戸のゴリヤートキン氏 / 不覚の一言 / 築山の上で / 再び逢う日 / 人さまざまの道 / 解説 ― 清原康正


南條 範夫 (なんじょうのりお)
「剣の舞」 (つるぎのまい)

*672頁 / 発行 1986年

*目録文
波乱万丈の生涯のうちに剣の奥義をきわめ、ついに一刀流を創始した剣聖伊藤一刀斎の生涯を描く。



南條 範夫 (なんじょうのりお)
「花開く千姫」 (はなさくせんひめ)



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*300頁
*発行 1986年
*カバー装丁・村上豊

*カバー文
関東方と大坂方の束の間の和平を保つために、大坂城に送られて秀頼と娶された千姫。人質という悲劇的宿命を背負った彼女の生活は、夫に無視され、淀君に厳しく監視される寂しい毎日だった。そうした千姫の空虚な心に一条の光を与えたのは、幼馴染の不破縫之助であった。…信長の孫、秀忠の娘に生まれながら、数奇な運命に弄ばれる千姫の恋と苦悩を描く長編時代小説。

*解説頁・石井富士弥


南條 範夫 (なんじょうのりお)
「姫君御姉妹」 (ひめぎみおんしまい)

*295頁 / 発行 1985年

*目録文
単行本未収録、最新時代小説集。「お蘭さま」「坂を上って行った男」「百日紅の下の木戸」など十編。



南條 範夫 (なんじょうのりお)
「復讐鬼」 (ふくしゅうき)


*カバー装画・村上豊
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*287頁 / 発行 1985年

*カバー文
人質として春日山城に身を寄せていた長屋宗之は、父・貝森城主左衛門尉宗綱が鍋山豊前守利景に惨殺されたことを知り故郷の飛弾国に戻った。宗之は出自を偽って仇敵・利景に巧みに取り入り、復仇の機会を窺うこと十年、やがて始まる凄惨な復讐と意外な結末……。表題作ほか「暗殺を請負う剣士」「ハナノキ秘史」など七編を収めた傑作時代小説集。

*目次
復讐鬼 / 暗殺を請負う剣士 / 女人と人形 / 傷痕 / 六弥太の報酬 / ハナノキ秘史 / 奇怪な花嫁


南條 範夫 (なんじょうのりお)
「幻の百万石」 (まぼろしのひゃくまんごく)

*267頁 / 発行 1984年

*目録文
越前宰相・結城秀康が所持する百万石のお墨付をめぐる時代推理ほか、傑作時代小説六編を収録。



南條 範夫 (なんじょうのりお)
「無惨や二郎信康」 (むざんやじろうのぶやす)



*カバー画・村上豊
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*277頁 / 発行 1984年

*カバー文
「謀叛人信康、神妙にせい」
「謀叛? 莫迦なッ」
 信康は、剛力を揮って左右の腕を自由にし、躍り上がって、御帳の方へ突き進もうとした。
「上様! 讒誣
〈ざんぶ〉、誣言〈ふげん〉でござります」
 と怒号しつつ、寄りかけた信康の背に、刃が叩き下ろされた。
― 花の御所で誅殺された一色二郎信康の謎に迫る歴史推理ほか六編を収めた戦国時代小説集。

*目次
無惨や二郎信康
奇妙な武将
戦国武士
武将奸謀
管領を狙う剣士
小少将の墓は何処ぞ
美童ありて
 解説 ― 尾崎秀樹


南條 範夫 (なんじょうのりお)
「夜叉と菩薩」 (やしゃとぼさつ)

*248頁 / 発行 1985年

*目録文
慈悲忍辱の化身清瀧尼と毒婦おたきの度重なる出踪と出現の謎に迫る表題作ほか傑作時代小説六篇。



南原 幹雄 (なんばらみきお)
「いろの罠大江戸おんな暦」
 (いろのわな)


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*324頁
*発行 1986年

*目録文
母を奪い、自分を汚した男たちに、自らの肉体を武器として復讐を誓った女の凄愴な闘いが始まる。


南原 幹雄 (なんばらみきお)
「廓祝言心中浮世草子」 (くるわしゅうげん)

*317頁 / 発行 1987年

*目録文
情炎に身をこがす男と女の悲恋を、流麗な文体で描出した心中浮世草紙。「美女獄門」など八編収録。

*目次(収録作品)
信濃死春歌 / 密通浜町川岸 / 美女獄門 / 残酷な薮入 / 心中千鳥塚 / 中洲無理心中 / 水子寺心中 / 廓祝言



南原 幹雄 (なんばらみきお)
「商道の覇者」 (しょうどうのはしゃ)

*283頁 / 発行 1987年

*目録文
奥州の雄藩伊達家を胆力と銭の力でねじふせた山片蟠桃(升屋小右衛門)の豪快な半生を描く。




南原 幹雄 (なんばらみきお)
「箱崎別れ船」
(はこざきわかれぶね)


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*358頁
*発行 1987年

*目録文
茶屋娘・仲居・酌取女・遊女など江戸下町にいきいきと生活した女たちのドラマを斬新に描く。