絶版文庫書誌集成

新潮文庫 【え】

江國 滋 (えくにしげる)
「阿呆旅行」
 (あほりょこう)


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*294頁
*発行 昭和59年
*カバー装画、カット 村上豊

*カバー文
旅に出ないか? もうアンノン族の真似をするトシじゃない。男子一生一度の伊勢参り、新宿で出会った不良少女の友達たずねて長崎へ、素性正しき寒鰤求めて能登半島へ……。最初の旅から切符を忘れる健忘、いつも温厚篤実な亀羅氏を従え、絶妙のトリオで辿る草枕二十四次。ハンドメイドの旅の手応えが味わえますぞ。内田百閧フ名品『阿房列車』に連結する『阿呆旅行』出発進行!

*解説頁・宮脇俊三


江國 滋 (えくにしげる)
「おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒 ― 江國滋闘病日記」
(おいがんめくみかわそうぜあきのさけ)


*カバー装画・平松礼二
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*499頁 / 発行 2000年

*カバー文
俳句ブームの火付け役であり、挨拶句の名手であり、辛口ながらユーモアあふれる随筆家として人気絶頂だった著者を、病魔が襲う。「高見順です」という医師の告知が始まりだった。以来、食道癌と向き合い、克明な日記を付け、療養句を詠み続ける日々。度重なる手術、骨への移転など、過酷な病状にも執念の執筆は続くが、ついに辞世の句を遺して永眠。激しく見事な人生がここにある。

*目次
はじめに
残寒やこの俺がこの俺が癌
カーディガン、ナースはみんなやさしくて
春の闇阿鼻叫喚の記憶あり
惜春のまた傷ついてゐるこころ
目にぐさり「移転」の二字や夏さむし
四万六千日いのちかみしめ外泊す
おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒
 俳人・滋酔郎のこと 鷹羽狩行
 著者略歴


江藤 淳 (えとうじゅん)
「文学と私・戦後と私」
 (ぶんがくとわたし・せんごとわたし)


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*301頁
*発行 昭和49年
*カバー・司修

*カバー文
喧騒の時代に、精神の豊かさ、生活の愉しみとは何かを、透徹した批評眼と詩情あふれる文章のうちに味わさせてくれる珠玉のエッセイ集。批評家江藤淳が、もっともプライヴェットな憩いのなかでかわした自己との対話『文学と私』『戦後と私』『場所と私』の三部作をはじめ、名品『夜の紅茶』『漱石のなかの風景』ほか、旅の話、愛犬の話など、著者の全エッセイから選りすぐった53編を収録。