*カバー写真・宮寺昭男
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*598頁 / 発行 1996年
*カバー文
破れた初恋が、その生涯に落した長い影。「仮面」の創造と「他者」への転生の足跡。そして、死を賭してまで世に訴えたかったこと……。生前の深い交友を絶妙の通奏低音としつつ、創作や評論、ノート、書簡等、あたう限り三島由紀夫自身の言葉にもとづき、類いなき文学者の全体像を精緻に浮びあがらせる。スキャンダラスな曲解、伝説の数々を払拭し、「三島論」の期を画した決定版評伝。
*目次
序章 ―― 生家
雅びの棘 / 鹿鳴館の香水
T 青春 ――『酸模』から『盗賊』へ
初恋 / 恋の破局 / 失われたものへの復讐
U 自己改造をめざして ――『假面の告白』から『金閣寺』へ
「假面」の創造 / 救済の拒否 / 肉体美の「神話」 / 「他者」への転生 / 夢想の恋、新しい恋
/ 第二の人生
V 死の栄光 ――『鏡子の家』から『英靈の聲』へ
「時代」への挑戦 / 死の世界の再現 / 二つの事件 ―― 脅迫と告訴 / 「父」殺しと「父」の発見
/ NLTの結成と四部作 / 「優雅」をこえて / 叛逆の騎士
W 行動者 ――『豊饒の海』の完結
「狂気」の翼 / 集団という橋 / 訣別
あとがき / 作品名検索
解説 ロマノ・ヴルピッタ
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