絶版文庫書誌集成

新潮文庫 【む】

武者小路 実篤 (むしゃのこうじさねあつ)
「愛慾・その妹」
 (あいよく・そのいもうと)


(画像はクリックで拡大します)

*236頁
*発行 昭和26年
*カバー・題字 武者小路 実篤

*「解説」(進藤純孝)より
『その妹』は、大正四年三月、『白樺』に、『愛慾』は、大正十五年一月、『改造』に発表された戯曲。 『その妹』の主人公、野村広次は、画家だったのだけれども、戦争で盲目になり、今は作家として立とうとしている。 『愛慾』の主人公、野中英次も画家である。

*解説頁・進藤純孝


武者小路 実篤 (むしゃのこうじさねあつ)
「論語私感」 (ろんごしかん)

*298頁 / 発行 昭和29年

*目録文
永遠に眞實な言葉。二千年の風雪に耐えた孔子の言葉が著者の感激をとおして新鮮に響く


村松 剛 (むらまつたけし)
「三島由紀夫の世界」
(みしまゆきおのせかい)


*カバー写真・宮寺昭男
(画像はクリックで拡大します)

*598頁 / 発行 1996年

*カバー文
破れた初恋が、その生涯に落した長い影。「仮面」の創造と「他者」への転生の足跡。そして、死を賭してまで世に訴えたかったこと……。生前の深い交友を絶妙の通奏低音としつつ、創作や評論、ノート、書簡等、あたう限り三島由紀夫自身の言葉にもとづき、類いなき文学者の全体像を精緻に浮びあがらせる。スキャンダラスな曲解、伝説の数々を払拭し、「三島論」の期を画した決定版評伝。

*目次
 序章 ―― 生家
  雅びの棘 / 鹿鳴館の香水
T 青春 ――『酸模』から『盗賊』へ
  初恋 / 恋の破局 / 失われたものへの復讐

U 自己改造をめざして ――『假面の告白』から『金閣寺』へ
  「假面」の創造 / 救済の拒否 / 肉体美の「神話」 / 「他者」への転生 / 夢想の恋、新しい恋 / 第二の人生

V 死の栄光 ――『鏡子の家』から『英靈の聲』へ
  「時代」への挑戦 / 死の世界の再現 / 二つの事件 ―― 脅迫と告訴 / 「父」殺しと「父」の発見 / NLTの結成と四部作 / 「優雅」をこえて / 叛逆の騎士

W 行動者 ――『豊饒の海』の完結
  「狂気」の翼 / 集団という橋 / 訣別

   あとがき / 作品名検索
 解説 ロマノ・ヴルピッタ



室生 犀星 (むろうさいせい)
「舌を噛み切った女」
 (したをかみきったおんな)


(画像はクリックで拡大します)

*209頁
*発行 昭和32年
*カバー・山口蓬春

*目次
舌を噛み切った女
野に臥す者
はい墨
鞄(ボストン・バック)
汽車で逢った女
餓人伝


 解説 小谷恒


室生 犀星 (むろうさいせい)
「随筆 女ひと」
 (ずいひつおんなひと)


(画像はクリックで拡大します)

*230頁 / 発行 昭和33年
*カバー装画・山口蓬春

*カバー文
「夏になると女の人の声にひびきがはいり、張りを帯びてうつくしくなる」。声、二の腕、あくび、死顔、そして蛇。老作家が抱き続ける「女ひと」への尽きぬ思いを、哀しみとおかしみを交えて軽やかに綴る。晩年の犀星ブームを導いた豊潤なエッセイ集。

*目次
えもいわれざる人 / 為すなきことども / 手と足について / 童貞 / 二の腕の美しさ / 映画の中 / 季節の声 / 詩のあわれ / 君は一たい何を言っているのだ / 廃墟の学問 / 情婦を拾う / 君が墓べに / 明治の暮雪 / さらばえる / くちなわの記 / 解説 森茉莉


室生 犀星 (むろうさいせい)
「我が愛する詩人の伝記」 
(わがあいするしじんのでんき)


(画像はクリックで拡大します)

*254頁 / 発行 昭和41年
*カバー・山口蓬春

*カバー文
北原白秋、高村光太郎、萩原朔太郎、釈迢空、堀辰雄、立原道造、津村信夫、山村暮鳥、百田宗治、千家元麿、島崎藤村など、日本の近代詩に大きな足跡を遺した詩人たち――著者が親しく交友を結び、語り合った彼らの在りし日の姿を刻み、その作品をひもときながら、著者自らの詩作活動をも回顧して、明治・大正・昭和に至る日本近代抒情詩の流れを伝えた異色詩人論である。

*目次
北原白秋 / 高村光太郎 / 萩原朔太郎 / 釈迢空 / 堀辰雄 / 立原道造 / 津村信夫 / 山村暮鳥 / 百田宗治 / 千家元麿 / 島崎藤村 / 後書 / 解説 伊藤信吉