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*301頁 / 発行 1995年 *挿画・堅田信
*カバー文
日本に探偵文壇が成立した大正末期、江戸川乱歩に続いて多くの作家が次々と登場した。そうした一人に、『新青年』の探偵小説募集に「好敵手」で応じ入選した水谷準〈みずたにじゅん〉(一九〇四年)がいる。それは大正十一年十二月のことで、乱歩に先駆けること五ヶ月、まだ十八歳という早熟さであった(本人は二作目の「孤児」をデビュー作としている)。準は早大仏文科に入学したが昼は野球に興じ、夜は娯楽雑誌を読みふけるといった生活を過して右の投稿で知己を得、長らく編集者として活躍する傍ら創作に励み、昭和二十七年には探偵作家クラブ賞を受け、三十一年の長編『夜獣』の書下ろしまで乱歩と並走した。 ― 本書は「ファントマ」翻案作の他、「闇を呼ぶ声」「瀕死の白鳥」の大衆向きの三編!
*前説・解説山前譲
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