絶版文庫書誌集成

春陽文庫 【な】

中島 さと子 (なかじまさとこ)
「咲子さんちょっと」 (さきこさんちょっと)


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*446頁
*発行 昭和50年
*装画・中島侃

*カバー文
 新婚旅行から帰ってきた南条京太郎・咲子夫婦の希望にみちた新生活が始まった。
 京太郎の両親である高太郎・則子夫婦と同居の新婚生活だったが、両親も新妻咲子さんにやさしかった。戸だなの戸をしめ忘れて失敗した咲子さんに、高太郎からわら半紙に書いた絵入りの手紙がさっそく手渡された。それは「咲子は咲に口がある。京太郎は京に口がある……」といったふうのユーモアあふれる愉快な手紙であった。
 高太郎も京太郎もともに絵かきを職とする父子であり、息子の京太郎のほうは本の装丁やさし絵がとくいであった。中学時代からの親友西田君夫婦や森君夫婦もよく訪れてくる楽しい日日であった……。明るく軽妙なタッチでえがくホームドラマの決定版!


名和 弓雄 (なわゆみお)
「土と炎と城」
(つちとほのおのしろ)


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*516頁・上下二段組
*発行 昭和55年
*カバー装画・成瀬数富

*カバー文
 北信濃氷沢郷一帯を突如襲った異変は、あたり一面を血の海と化した!? 総司屋敷に集まった里人たちの前に、竜神の梓巫女がもどってきた! 今より十月十日のうち、みどり子はすべて水にせよ、との恐るべき託宣が巫女の口からはなたれた!?
 永正六年(一五〇九)の夏、藤の長者の館では美しい姫君が誕生した。高野山の高僧により、姫の名は修那羅と命名された。姫は乳兄弟の卯之助と仲よく成長していった!
 三十六人の女武者・靭姫兵を手元に養う修那羅の活躍は!? ときに信濃の国の守りは万亀城を中心に固められていたが、支城の三日月城が炎上した! 主君大井信勝の命により作事奉行大須賀弥八郎が姫の前に出現した! ―― 戦国伝奇時代長編の傑作!


南条 範夫 (なんじょうのりお)
「青雲を指す剣」
 (せいうんをさすけん)


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*284頁
*発行 1964年

*目録文
お家騒動に巻き込まれた弘大を助け、束の間の契りを結んで無惨に引き裂かれた幼馴染みの美鈴への恋慕を胸に、数多の女難・剣難を乗り越えて十年、その仏光寺千代丸が一万石大目付備前守吉成として将軍家斉の姫君を!?