絶版文庫書誌集成

春陽文庫 【さ】

相良 俊輔 (さがらしゅんすけ)
「続・素浪人横丁」
 (ぞくすろうにんよこちょう)


*カバー装画・水戸成幸
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*229頁・上下二段組頁 / 発行 昭和54年

*カバー文
 江戸のふきだまり権兵衛長屋にひとり住む浪人橘迪之介は三州西尾松平藩の藩士であったが、親友三宅伝八郎を殺害した中間鎌十を討つべく、家老栗田内記の命により出府していた。
 迪之介がなじみとなった吉原『吉水楼』の遊女静香の手びきにより、今は根津の道場で師範代岡十郎に変身している鎌十を、迪之介はいよいよ討つことになった! 〈第一話・逢魔ガ辻の決闘〉 橘迪之介が去ったあと、権兵衛長屋に現れた浪人は千種耕太郎であった。無法折助をみごとな手並みで一蹴した深川の小寿賀姐さんを揶揄した耕太郎は貧乏所帯へ、なんと小寿賀姐さんが飯炊きから洗濯と家事をやってやるべく乗り込んできた! 勘定奉行の罪をかぶって浪人した耕太郎の行く手には!? 〈第二話・片意地剣法〉――佳篇全七話収録!

*目次
第一話・逢魔ガ辻の決闘
第二話・片意地剣法
第三話・行水の女
第四話・江戸の夕映え
第五話・臆病者
第六話・輪廻
第七話・辻斬り異聞


佐々木 味津三 (ささきみつぞう)
「右門捕物帖」 全四巻 
(うもんとりものちょう)


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*上下二段組頁
*発行 1982年
*カバー装画・東啓三郎

*カバー文
 人呼んで“むっつり右門” ― 親代々の八丁堀同心で、本名を近藤右門という! 独身、二十六歳の好男子、武芸は草香流柔術の達人である! いたって無口なことからこの異名があり、いつも黒羽二重の素袷にニ尺三寸は細身の蝋鞘を落とし差しにし、素足に雪駄ばき、という粋な身形で苦み走った表情をその面に宿し、颯爽縦横に江戸の街を歩き回っている! 従うのは、これはご主人さまとは対照的に無類のおしゃべり屋、岡っ引きの伝六であった!
 それに、あばたの敬四郎など、たのしい人物もからんで……大江戸は八百八町に発生する怪事件のかずかずをめでたく解決する名推理を展開していく短編シリーズ作、全三十八話!
  ― 「半七捕物帳」にづぐ五大捕物帳の一つ、佐々木味津三不朽の名作編、全四分冊!


佐々木 味津三 (ささきみつぞう)
「旗本退屈男」
(はたもとたいくつおとこ)


*装画・堂昌一
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*398頁・上下二段組頁 / 発行 昭和57年

*カバー文
 時は江戸の泰平がいま絶頂という元禄の中ごろ、場所は色里吉原中之町、時刻は嫖客さまよう春の宵は五ツ(八時)前、ときならぬ野暮な騒ぎに割って入ったのが、本所長割下水に屋敷を構える直参旗本、無役ながら千二百石、剣の奥義は篠崎竹斎の諸羽流正眼崩し、額に三寸余りの三日月の刀痕はご存じ“旗本退屈男”の異名をもつ早乙女主水之介(さおとめもんどのすけ)であった!
 妹菊路の恋人が突如行方不明と聞かされ、久しぶりに退屈の虫が鳴きだした!(第一話)“余が承知しても、この眉間の三日月が承知せぬわ”とばかり、庶民の味方として大剣劇を展開するスーパー・ヒーロー旗本退屈男の東は仙台、西は京を舞台の活躍で描く全十一話!
―― 同作者の『右門捕物帖』と共に最も映像化されることの多かった大衆小説の代表作!

*目次
第一話 旗本退屈男
第二話 続旗本退屈男
第三話 後の旗本退屈男
第四話 京へ上った退屈男
第五話 三河に現れた退屈男
第六話 身延に現れた退屈男
第七話 仙台に現れた退屈男
第八話 日光に現れた退屈男
第九話 江戸に帰った退屈男
第十話 幽霊を買った退屈男
第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男


沢木 欣一 (さわききんいち)
「沢木欣一 自選三百句」 (さわききんいちじせんさんびゃくく)
俳句文庫


*カバー装画・佐藤廣喜「ガマズミ」
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*202頁 / 発行 1991年

*目次
対話 わが俳句を語る 沢木欣一/村上護
第一期 塩田
 雪白 塩田
第二期 地聲
 地聲 赤富士
第二期 沖縄吟遊集
 沖縄吟遊集 二上挽歌
第四期 遍歴
 遍歴 往還 往還以後
わが師、わが結社
句集・著作一覧
沢木欣一略年譜
初句索引