絶版文庫書誌集成

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別役 実 (べつやくみのる)
「ことわざ悪魔の辞典」
(ことわざあくまのじてん)


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*236頁
*発行 2000年
*カバーデザイン・渡辺千尋

*カバー文
あなたは「ことわざ」を間違って理解していませんか? 世間で信じられている正しい用法だけが「ことわざ」ではありません。あっと驚く新解釈が毎日の生活に刺激を与えます。日々、硬直しがちな私たちの脳味噌を、絶妙な文章がモミほぐしてくれます。ただし、実際の「ことわざ」使用にあたっては、じゅうぶん御注意されますように!

*目次
まえがき / あいうえお / かきくけこ / さしすせそ / たちつてと / なにぬねの / はひふへほ / まみむめも / やゆよ / らりるれろ / わ / あとがき / 解説 べっちゃくりなるものをめぐって 青山南 / 索引


別役 実 (べつやくみのる)
「思いちがい辞典」
(おもいちがいじてん)


*カバー装画、デザイン・渡辺千尋
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*250頁 / 発行 1999年

*カバー文
情報化社会において、知識は水や空気と同様、生命活動にとって必要不可欠のものとなった。しかし、辞書・辞典類はありきたりの説明しかしていないことが多い。あらゆる人々が知識人となり、「思いちがい」をしたくても出来ない状況に取り囲まれている。本書は、「思いちがい」がいかに日常生活を豊かにしているか、その効用にも言及し、人々に「思いちがい」を促すべく策略されたものである。

*目次
 序
アネサンニョウボウ ―― 姉さん女房
ウマズメ ―― 石女
オカチメンコ ―― おかちめんこ
オテンバ ―― お転婆
オバサン ―― おばさん
オンナグセ ―― 女癖
カマトト ―― 蒲魚
カンサツヘキ ―― 観察癖
キセイチュウカン ―― 寄生虫館
キョゲンヘキ ―― 虚言癖
キロクヘキ(1) ―― 記録癖(1)
キロクヘキ(2) ―― 記録癖(2)
キンロウヘキ ―― 勤労癖
ケイコウトウ ―― 蛍光灯
コウイッテン ―― 紅一点
コウシュウベンジョ ―― 公衆便所
コウモリガサ ―― 蝙蝠傘
コクハクヘキ ―― 告白癖
ゴケ ―― 後家
コーヒー ―― 珈琲
ゴム ―― 護謨
サトウ ―― 砂糖
ジテンシャ ―― 自転車
ジャガイモ ―― 馬鈴薯
シャシンキ ―― 写真機
シュウシュウヘキ ―― 収集癖
ショウガ ―― 生姜
セイケツヘキ ―― 清潔癖
センプウキ ―― 扇風機
タオヤメ ―― 手弱女
タバコ ―― 煙草

 チクオンキ ―― 蓄音機
 ツチフマズ ―― 土踏まず
 テ ―― 手
 デモドリ ―― 出戻り
 テレビ ―― てれび
 デンキュウ ―― 電球
 デンシンバシラ ―― 電信柱
 デンワキ ―― 電話機
 トウガラシ ―― 唐辛子
 トウヘキ ―― 盗癖
 トウモロコシ ―― 玉蜀黍
 トマト ―― 蕃茄
 ハシラドケイ ―― 柱時計
 バナナ ―― 実芭蕉
 ヒコウセン ―― 飛行機
 ビコウヘキ ―― 尾行癖
 ビジン ―― 美人
 ホウカヘキ ―― 放火癖
 ホウロウヘキ ―― 放浪癖
 マジョ ―― 魔女
 マヨウイヌ ―― 迷う犬
 マンネンヒツ ―― 万年筆
 ミミ ―― 耳
 ムシメガネ ―― 虫眼鏡
 ヤシ ―― 椰子
 ユキオンナ ―― 雪女
 ラッカセイ ―― 落花生
 レイゾウコ(1) ―― 冷蔵庫(1)
 レイゾウコ(2) ―― 冷蔵庫(2)

 解説 あの顔にひそむなにものか 宮沢章夫


ベッティーナ ヒューリマン著・野村 ヒロシ訳 (Bettina H¨urlimann・のむらひろし)
「ヨーロッパの子どもの本 300年の歩み(上下)」
(よーろっぱのこどものほん)
ちくま学芸文庫


*カバーデザイン・神田昇和
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*上368頁 / 下368頁 / 発行 2003年

*カバー文

幼いころ夢中になった、忘れられない本がありますか? グリムの昔話、アンデルセン童話、長くつ下のピッピ……わくわくしながら、ときには涙を流しながら本の世界に浸った日々。子どもの心を惹きつけ、なだめ、成長させる本の秘密とは、いったい何なのか。本書にその答えがあります。国境を越えて広くヨーロッパ全体を視野におさめ、該博な知識と温かい語り口で、縦横に子どもの本の歴史と未来を論じた本書は、まさに児童文学論の古典的名著。上巻は、童謡・昔話、ロビンソン・クルーソー、アンデルセン、まんが、政治と子どもの本などをめぐって展開。

(略)下巻は、アリスを始めとするナンセンス物語、空想文学、20世紀の絵本などを語る。

*目次

 第二版のまえがき / 日本語版のまえがき
序論 ── ヨーロッパの子どもの本が歩んだ道のあらまし
第一章 子どもの魔法の角笛 ── 童謡の今昔
第二章 むかしむかしあるところに ── 昔話とその由来についての覚え書
第三章 コメニウスから現代の絵本まで ── または絵による教育
第四章 ロビンソン ── 夢と教育の手段
第五章 「鹿殺し」から「げんこつ大将」へ ── 子どもとインディアンの関係、および子どもはインディアンのイメージをいかなる本からえてきたか
第六章 ハインリッヒ・ホフマン博士 ── 「もじゃもじゃペーター」など子どもの本の作者で、ライメリッヒ・キンダーリープ(子どもの好きなへぼ詩人)とも呼ばれる人
第七章 醜いあひるの子 ── 童話の詩人ハンス・クリスチャン・アンデルセン
第八章 あぶくの言葉 ── まんがの発達について、およびヴィルヘルム・ブッシュからウォルト・ディズニーに至るまんがの功罪
第九章 一枚絵 ── どの年齢の子どもにもむくいちばん値段のやすい精神の糧
第十章 政治と子どもの本 ── 児童図書の古典がおよぼした政治的影響、政治的傾向を持つ現代の子どもの本、全体主義国家における児童図書
 上巻訳注

第十一章 ナンセンス ── 児童文学においてイギリスの特徴を最もよく表わしている要素
第十二章 空想と現実 ── ピーター・パンから長くつ下のピッピに至るナンセンスな作品
第十三章 ジャン・ド・ブリュノフ ── 世界の子どもにババール王様とセレスト、小猿のゼフィールをおくった人
第十四章 宇宙からきた小さい王子 ── アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの「星の王子さま」という人物についての試論
第十五章 写真―教育および子どもの本における新しい要素
第十六章 二十世?Iの絵本
第十七章 アメリカの子どもの本の特徴
第十八章 スイスの子どもの本の歴史から
第十九章 文学者が子どものために書けば
 子どもの本との日々 ── あとがきにかえて
 下巻訳注
 訳者あとがき / 文庫版あとがき
 解説(吉原志)
 付録 参考文献
  索引 / 年表