絶版文庫書誌集成

ちくま文庫 【う】

ウイリアム・サローヤン著 (William Saroyan) 関 汀子訳 (せきていこ)
「ヒューマン・コメディ」


(画像はクリックで拡大します)

*274頁
*発行 1993年
*カバー装画・和田誠

*カバー文
第二次大戦下のアメリカ、カリフォルニア。マコーリー家では父が死に、兄も戦場へ向かった。家のために、十四歳のホーマーは電報配達の仕事を始めた。働くことは新鮮で楽しいけれど、戦死の報を届けるのはあまりにも心が痛む。ある日、兄の戦死を知らせる電報がホーマーの手に渡されて……。きびしい現実に身をさらしながら大人になっていく、少年期のせつなさ、いとしさを描くサローヤンの代表作。改訂版による新訳。

*解説頁・青山南


【松葉家主人】宇佐美 辰一 (うさみたつかず) 【聞き書き】三好 広一郎 / 三好 つや子  (みよしこういちろう/つやこ)
「きつねうどん口伝」
 (きつねうどんくでん)


*カバー装画・森英二郎
(画像はクリックで拡大します)

*225頁 / 発行 1998年

*カバー文
きつねうどん発祥の店「松葉家」は、今も昔ながらの大阪うどんの味を守る数少ない店のひとつである。その二代目主人は、電話一本で全国どこからでも物が届くこの時代に、新しい素材を求めて産地を歩き、素材をよりよく知るために農業試験所や大学まで出かける。粉はもちろん、醤油やかつお節、水、そして釜やこね鉢など道具に至るまで。主人の「こだわり」を引き出した一冊。

*目次
 はじめに
序章 きつねうどんの誕生
第一章 うどんとだし
 手もみうどん / 玉つくり / 足踏み / ねかし / のばし / 切り / ゆでる / だしづくり
第二章 うどんの合縁気縁
 きつねうどん / おじやうどん / たねもんいろいろ
第三章 素材の本質を知る
 材料探し / 昆布 / 節 / 小麦粉 / 水 / 塩 / 砂糖 / みりん / 酢 / 醤油 / 天ぷら油 / うどんの五適
第四章 仕事と道具
 うどん屋の店構え / 竹笊・振り籠・箸・濾し布 / こね鉢・麺台・麺棒 / 包丁・砥石・まな板 / うどん鉢
第五章 船場の思い出
 松葉家は船場のうどん屋 / 商いの町の始末の精神 / うどんが御馳走 / 松葉家の暮れと正月 / 船場の休日
第六章 出会い、そして今
 子ども時代 / 父について / 母の死から禅の道へ / うどんづくりの修行 / 結婚と二代目 / 師との出会い / 二八会 / 出店の話 / うどんとワイン

 おわりに / 聞き書きを終えて / 文庫版あとがき / 解説 佐々木幹郎


内田 百 (うちだひゃっけん)
「爆撃調査団 ― 内田百闖W成 12」
(ばくげきちょうさだん)


(画像はクリックで拡大します)

*370頁
*発行 2003年
*カバーデザイン・吉田篤弘 吉田浩美

*カバー文
『もともと質素の御布令に反抗して出来た鮨であるから豪奢を以って自慢にする。鯛や鰆は云う迄もなく季節季節の野菜の走り、初物を具にして入れる。……珍らしい物や高価な物を入れなければ納まらない。それが岡山鮨の本領である。』(『お祭鮨 魚鮨』)おから、お祭鮨、シュークリーム、牛乳、地震、雷、文鳥……好きな食べものや気になるもの、百關謳カのこだわりが満喫できるものづくし随筆集。

*巻末頁
 解説 南條竹則
 随筆 内田百閨@高橋義孝


内田 百 (うちだひゃっけん)
「百鬼園日記帖 ― 内田百闖W成 20」
(ひゃっきえんにっきちょう)


(画像はクリックで拡大します)

*389頁
*発行 2004年
*カバーデザイン・吉田篤弘 吉田浩美

*カバー文
「此頃の取りとめのない死の不安が腹の底で此帳面を書けと云ったらしい、それから又創作の心覚えにしようとも考えた。これは真面目であり役にたつ。先生がこういう帳面をつけていたので私も夫にならうのである。」(『百鬼園日記帖』より)
死の不安や身辺交友の不調に加え、借金による生活の破綻に懊悩する百鬼園先生。大正六年から十一年に至る『百鬼園日記帖』『続百鬼園日記帖』を併せて収録。
解説 坪内祐三


内田 百 (うちだひゃっけん)
「百鬼園写真帖 ─ 内田百闖W成 24」
(ひゃっきえんしゃしんちょう)


(画像はクリックで拡大します)

*262頁
*発行 2004年
*カバーデザイン・吉田篤弘 吉田浩美

*カバー文
「一体写真と云う物は横暴である。どの位私の寿命が薄くなったか量り知ることが出来ない」とおっしゃる百關謳カ。とは云ふものの、あれやこれやと集めてみたら、奇妙、珍妙、謹厳、実直、酔態、笑態なるご尊影がなんと190点余。全体から抜粋した百關謳カの名文やこの写真帖のために寄せられた、阿川弘之・久世光彦・石田千各氏の随筆を味わいつつとくと御覧あれ。新発見資料、百闥学時代のノート=「随感録」の写真と内容の一部も収録。


内田 百 (うちだひゃっけん)
「百鬼園俳句帖 ― 内田百闖W成18」
(ひゃっきえんはいくちょう)


*カバーデザイン・吉田篤弘 吉田浩美
(画像はクリックで拡大します)

*244頁 / 発行 2004年

*カバー文
「木蓮や塀の外吹く俄風」「河童忌や棟に鳴き入る夜の蝉」「夕闇に馬光り居る野分哉」「滾々と水湧き出でぬ海鼠切る」(「百鬼園俳句帖」より)
表題作品の『百鬼園俳句帖』、「俳句全作品季題別総覧」など俳句全作品をはじめ、六高時代の恩師素琴先生や俳諧一夜会の想い出を綴った随筆、漱石俳句の鑑賞、座談会による「俳句帖漫評会」など、百鬼園先生の詩眼の鋭さと俳心の妙味を余すところなく伝える一冊。

*目次
素琴先生 / 一夜会 / 海鼠 / 今朝冬 / 名月 / 百鬼園俳談義 口述 / 運座 / 俳句放談 / 代作 / 漱石俳句の鑑賞 / オセッカイ評釈
百鬼園俳句帖 / 俳句全作品季題別総覧 / 百鬼園俳句帖万評会

 解説 平出隆 / 百闌Nの一夜会時代 志田素琴 / 百鬼園俳句帖 内藤吐天



*「内田百闖W成」全24巻の構成

(1)阿房列車
(2)立腹帖
(3)冥途
(4)サラサーテの盤
(5)大貧帳
(6)間抜けの実在に関する文献
(7)百鬼園先生言行録
(8)贋作吾輩は猫である
(9)ノラや
(10)まあだかい
(11)タンタルス
(12)爆撃調査団

(13)たらちおの記
(14)居候匆々
(15)蜻蛉玉
(16)残夢三昧
(17)うつつにぞ見る
(18)百鬼園俳句帖
(19)忙中謝客
(20)百鬼園日記帖
(21)深夜の初会
(22)東京焼盡
(23)百鬼園戦後日記
(24)百鬼園写真帖