絶版文庫書誌集成

中公文庫 【アルファベット】

A・レシーノス原訳 / D・リベラ挿画 / 林屋 永吉訳 (はやしやえいきち)
「マヤ神話 ポポル・ヴフ」
(まやしんわ Popol vuh)
中公文庫BIBLIO


*カバー画・D・リベラ挿画より
 カバーデザイン:EOS Co.,Ltd
 Art Direction:吉田悟美一
 Design:山影麻奈
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*カバー文
マヤ文化の古事記ともいふべき此の聖典はマヤの万神殿(パンテオン)を形成する神と英雄との物語で、魅力あるメキシコの風土とそのダイナミックな暗い活力は、神話的叙述をとほして、ありありと感じられる。(三島由紀夫 ポポル・ヴフ讃)

*目次
太陽と死の神話(書評) 三島由紀夫
ポポル・ヴフ
 序文 / 第一部〜第四部
付録 首長の起原の書
訳注
解説
解説注
原訳者あとがき アドリアン・レシーノス
訳者あとがき 林屋永吉


D.H.ロレンス著 福田 恆存訳 (ふくだつねあり)
「現代人は愛しうるか ― 黙示録論」
 (げんだいじんはあいしうるか もくしろくろん)


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*259頁 / 発行 昭和57年
*カバー原画・デューラー「龍と闘う聖ミカエル」

*カバー文
自らの弱さからくる歪められた自尊と権力渇望から成る復讐の宗教「黙示録」 ― そこに描かれた人間の姿は今もなお我々の心を呪縛している。その克服を提唱し現代の悲劇的宿命をのり越えんとするロレンス畢生の名著

*目次
ロレンスの黙示録について(福田恆存)
現代人は愛しうるか ― 黙示録論
訳注
 文庫版訳者あとがき


I・モンタネッリ著 藤沢 道郎訳 (ふじさわみちお)
「ローマの歴史」
 (ろーまのれきし)


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*414頁
*発行 1979年

*カバー文
読みだしたら止められないような本がある。小説の場合もあるし、ノン・フィクションの場合もある。だが、歴史でこんな面白い本はちょっと例がない。ローマ史は大体陰気臭いときまっている。ところが、これはそうではない。シェークスピア劇が連続上演されているようだ。息つく暇もない。人間臭さでむんむんする歴史である。  (辻 邦生)


M・フリードマン著 西山 千明監修 土屋 政雄訳 (Milton Friedman にしやまちあき つちやまさお)
「政府からの自由」
(せいふからのじゆう)


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*446頁 / 発行 1991年

*カバー文
「タダほど高いものはない。経済(ビジネス)は民間(ビジネスマン)に」ノーベル賞学者が肥大化する政府官僚機構やばらまき型公共投資の幣を才気あふれる明快な新自由主義理論をもって斬りわけてみせた、分かりやすい経済教室応用篇。

*目次
 日本語版への序文 ミルトン・フリードマン / ミルトン・フリードマン 西山千明 / まえがき ミルトン・フリードマン / 解説 ウィリアム・R・アレン
T 経済学・経済・政治経済学 ── 概観
 解説 ウィリアム・R・アレン / 『プレイボーイ』インタビュー / 経済伝統と世論
U 経済的・政治的自由
 第一章 市民と国家 / 第二章 政策・政治・原則
V 政府による規制
 第一章 規制の性格と官僚主義 / 第二章 規制のもたらす結果 ── エネルギーの場合 / 第三章 自由市場による解決と政府による解決
W 貨幣と貨幣政策
 第一章 インフレーション / 第二章 連邦準備制度 / 第三章 金利
X 財政政策と課税
 第一章 計画と財政刺激 / 第二章 課税 ── 分析の混乱・政治的偽善・改革 / 第三章 福祉
Y 国際経済学
 第一章 貿易・保護主義・禁輸措置 / 第二章 国際収支と通貨価値 / 第三章 二つの国際事例


W.ラングランド著 池上 忠弘訳 (いけがみただひろ)
「農夫ピアズの幻想」
(のうふぴあずのげんそう)


*Jacket illustrastion:detail from MS C.C.C. 201 fol. 1.By kind permission of president and Fellows of Corpus Christi College.Oxford photo (C)Bodleian Library.
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*284頁 / 発行 1993年

*カバー文
十四世紀後半にイギリスで書かれた寓意的な夢物語詩の、散文体による邦訳。作者が夢の中で見た出来事を語る、という形式をとって、当時の教会の腐敗と堕落した不安定な社会を痛烈に批判し、魂の救済の手段や、真のキリスト教徒としての生活を探求する。詳細な訳註、解題と参考文献を付す。

*目次
 はしがき / 凡例
農夫ピアズの幻想
 序歌(第一ヴィジョン) / 第一歌 / 第二歌 / 第三歌 / 第四歌 / 第五歌(第二ヴィジョン) / 第六歌 / 第七歌 / 第八歌 / 第九歌(第三ヴィジョン) / 第十歌 / 第十一歌 / 第十二歌
訳註
解題『農夫ピアズの幻想』について
 一 印刷本および校訂本
 二 写本
 三 作者(詩人)と創作年代
 四 作者の時代
 五 表現形式と技法
  1 詩型と使用言語 / 2 アレゴリー / 3 夢と“私”
 六 構成と内容
  1 形式的構成 / 2 内容 / 3 農夫ピアズの象徴性
 七 最近の研究動向
参考文献 / あとがき / 文庫版あとがき