絶版文庫書誌集成
中公文庫 【折口信夫全集】(全31巻・別巻1巻) (おりぐちしのぶぜんしゅう)


折口博士記念古代研究所編纂
カバー・司修

第一卷 古代研究(國文學篇)
*531頁 / 発行 昭和50年
*目録文
折口博士の代表的著作とされている名著「古代研究」の第一書。「国文学の発生」「短歌本質成立の時代」「叙景詩の発生」などの初期の論稿17篇。


第二卷 古代研究(民俗學篇 1)
*493頁 / 発行 昭和50年
*目録文
妣が国へ 常世へ 水の女 貴種誕生と産湯の信仰と 髯籠の話 信太妻の話 愛護若 餓鬼阿彌蘇生譚 小栗外伝 翁の発生 山のことぶれ 花の話 他


第三卷 古代研究(民俗學篇 2)
*518頁 / 発行 昭和50年
*目録文
鬼の話 はちまきの話 ごろつきの話 桃の伝説 稲むらの蔭にて 雪の島 三郷巷談 折口といふ名字 大嘗祭の本義 霊魂の話 漂着石神論計画 他


第四卷 口譯萬葉集(上)
*566頁 / 発行 昭和50年
*目録文
鋭い洞察力と批評眼によて完成され、今日なおその新しさで世評の高い口訳による万葉集の全容。本巻はその巻第一より巻第十までを収める。


第五卷 口譯萬葉集(下)
*514頁 / 発行 昭和51年
*目録文
本巻ではその巻第十一より巻第二十までを収める。上段に歌、下段に口訳を対比させた便利な構成、鋭い洞察と流麗な訳文による世評高い古典的偉業。


第六卷 萬葉集辭典


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*432頁 / 発行 昭和51年

*目録文
人名・地名をはじめ文法・語法的な説明が、万葉集のみでなく日本古典の小百科をなし、事物と心々の両面から万葉びとの魂をとらえる古典的名著。


第七卷 國文學篇 1
*494頁 / 発行 昭和51年
*目録文
『日本文学の発生 序説』 唱導文学 唱導文芸序説 口承文学と文書文学と 日本文学研究の目的 日本文学研究法序説 など文学発生をめぐる論考集。


第八卷 國文學篇 2
*528頁 / 発行 昭和51年
*目録文
古代日本文学に於ける南方要素 大和時代の文学 風土記の古代生活 恋及び恋歌 反省の文学源氏物語 源氏物語における男女両主人公 新古今前後 他


第九卷 「国文學篇 3」


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*573頁 / 発行 昭和51年

*目録文
万葉集私論 万葉びとの生活 相聞歌概説 あづま歌 万葉集の恋歌 額田女王 柿本人麻呂 睦月の歌評価の反省 万葉集と民俗学 他

*目次(収録内容)
萬葉集私論 / 萬葉びとの生活 / 上代貴族生活の展開 / 萬葉びとの生活−及びその歌 / 萬葉集の研究 / 歌の發生及びその萬葉集における展開 / 萬葉集講義 / 續萬葉集講義 / 相聞歌概説 / 萬葉集の戀歌 / あづま歌 / 萬葉集の根柢 / 額田女王 / 柿本人麻呂 / 柿本人麻呂論 / 山部赤人短歌の批評 / 萬葉集に於ける近代感 / 愛國文學の母胎 / 紙價の反省 / 睦月の歌 / 純自然描寫の發足 / 萬葉集の民俗學的研究 / 萬葉集と民俗學 / 萬葉集に現れた古代信仰


第十卷 國文學篇 4
*532頁 / 発行 昭和51年
*目録文
枕草紙解説 伊勢物語私紀 歌及び歌物語 女房歌の発生 俳諧の発生 懸想文のある観察 恋の座 俳諧控へ帳 農民短歌史序説 連歌俳諧発生史


第十一卷 國文學篇 5
*537頁 / 発行 昭和51年
*目録文
『世々の歌びと』(女流短歌史・歌の話他) 『近代短歌』(短歌史の意義・江戸時代・明治時代他)『橘曙覧評伝』 新派短歌の歴史 他


第十二卷 國文學篇 6
*513頁 / 発行 昭和51年
*目録文
江戸時代から、室町時代、後期王朝、歌謡を中止とした王朝、上世日本の文学と、時代をさかのぼり、その特質を説く文学史『日本文学啓蒙』を収める。


第十三卷 國文學篇 7
*517頁 / 発行 昭和51年
*目録文
『東歌疏』(巻第十四概説・東歌) 『日本古代抒情詩集』(記紀歌集・万葉集・古今集・新古今集・日本抒情詩集の内容) 口訳万葉集(改稿第一・二)


第十四卷 國文學篇 8
*572頁 / 発行 昭和51年
*目録文
国文学研究の意義を論じ、上代文学、源氏物語、江戸文学を注釈する『国文学』、短歌の様式・内容・将来を説く『短歌論』、他に『万葉集抄』を収録。


第十五巻 「民俗學篇 1」


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*505頁 / 発行 1976年

*目録文
春来る鬼 たなばた供養 霜及び霜月 水の木火の木 石に出で入るもの 木地屋のはなし 道徳の発生 仇討ちのふおくろあ 壱岐民間伝承探訪記 他

*目次
民俗學 / 地方に居て試みた民俗研究の方法 / 年中行事 (民間行事傳承の研究) / 春來る鬼 / 春立つ鬼 / 民俗學上よみた五月の節供 / 峯の雪 / 七夕祭りの話 / たなばた供養 / 霜及び霜月 / 水の木火の木 / 石に出で入るもの / 座敷小僧の話 / さへの神祭りを中心に / 祭りの話 / 木地屋のはなし / 山のはなし / 古風の婚禮 / 道コの民俗學的考察 / 道コの發生 / 仇討ちのふぉくろあ / 田圃と畑 / 三郷巷談 / 民家の一例 / 壹岐の水 / 壹岐民間傳承採訪記 / 民間傳承採集事業説明書 / 民間傳承蒐集事項目安


第十六卷 民俗學篇 2
*532頁 / 発行 昭和51年
*目録文
琉球国王の出自 女の香炉 沖縄探訪記 久米部の話 民族史観における他界観念 餅搗かぬ家 道の神境の神 竜の伝説 新国学としての民俗学 他


第十七卷 藝能史篇 1
*531頁 / 発行 昭和51年
*目録文
日本芸能史序説 古代演劇論 伝承文芸論 無頼の徒の芸術 神楽 薪能と呪師走の翁 山の霜月舞 組踊りの話 沖縄舞踊に見る三要素 身毒丸 他


第十八巻 「藝能史篇 2」


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*526頁 / 発行 1976年

*目録文
『かぶき讃』『日本芸能史六講』封印切漫評 辻の立ち咄 手習鑑雑談 江戸歌舞伎の外論に沿うて 涼み芝居と怪談 由良助の成立 玉手御前の恋 他

*目次
かぶき讚
 1 役者の一生 / 市村羽左衛門論 / 實川延若讚 / 街衢の戰死者 / 戞々たり 車上の優人 / 日本の女形 / 宗十郎を悼む / 實惡役者を望む / 菊五郎の科學性 / 花の前・花のあと / 自然女人とかぶき女と
 2 夏芝居 / お岩と與茂七と / 寄席の夕立 / 春永話 / 雜感 / 藝の有轉變相 / 手習鑑評判記 / 合邦と新三 / 藝の壯大さ / 文樂の光明 / 「なよたけ」の解釋 / 芝居に出た名殘星月夜
日本藝能史六講
 第一講〜第六講 / 三味線唄の發想を辿る / あとがき
封印切漫評 / 御國座へ / 芝居の話 / 辻の立ち咄 / 江戸歌舞妓の外輪に沿うて / 芝居見の芝居知らず / 手習鑑雜談 / 「土」の時代 / 正直正太夫に期待す / 草双紙と講釋の世界 / 涼み芝居と怪談 / 義太夫と三味線 / 由良助の成立 / 玉手御前の戀


第十九卷 國語學篇
*472頁 / 発行 昭和51年
*目録文
「わかし」と「おゆ」と 古語復活論 短歌の口語的発想 古代修辞法の一例 形容詞の論 副詞表情の発生 最低の古典 日琉語族論 さうやさかいに 他


第廿卷 ~道宗教篇
*507頁 / 発行 昭和51年
*目録文
女帝考 即位御前記 異郷意識の進展 原始信仰 産霊の信仰 国学とは何か 上代葬儀の精神 民間信仰と神社と 神道宗教化の意義 神々と民俗 他


第廿一卷 作品 1 短歌
*574頁 / 発行 昭和50年
*目録文
強靭な個性と豊かな詩精神に支えられた歌人釈迢空の四家集「海やまのあひだ」「春のことぶれ」「水の上」「遠やまひこ」を収め、円熟期への光芒を示す。


第廿二卷 作品 2 短歌
*543頁 / 発行 昭和50年
*目録文
円熟・澄明の詩境をあますところなく示す迢空晩年の家集「倭をぐな」をはじめ、原本の形を伝える戦時歌集「天地に宣る」の全作品に、短歌拾遺作収録。


第廿三卷 作品 3 詩
*476頁 / 発行 昭和50年
*目録文
養嗣春洋への想いと、時に応じて発表の長歌発想の詞章よりなる絶唱「古代感愛集」(芸術院賞受賞)と「近代悲傷集」「現代襤褸集」を収める。


第廿四卷 「作品 4 創作」


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*563頁 / 発行 昭和50年

*目録文
現代文学史上の記念碑的名作といわれる「死者の書」をはじめ、「死者の書続篇」「文金風流」などの未発表作品ほか、小説・戯曲・台本・芸謡を収録。

*目次
小説
 口ぶえ / ~の嫁 / 生き口を問ふ女 / 家へ來る女 / 死者の書 / 死者の書 續篇
戯曲
 文金風流 / とがきばかりの脚本 / 芹川行幸 / むさゝび / 執心鐘入縁起
放送臺本
 四季西行 / 大佛開眼 / 旅の歌びと / 難波の春 / 島を守る巫女
俄狂言
 卷返大倭未來記 / 稲生物怪録 / 平氣平三困切石
舞踊臺本
 萬葉飛鳥之夢
藝謡
 花の松 / 迎年祈世 / 飛鳥 / 國生み / 木下水 / 月の傾城


第廿五卷 歌論歌話篇 1
*556頁 / 発行 昭和51年
*目録文
辻の立ち話 歌談義 切火評論 作家論(伊藤佐千夫・古泉千樫・島木赤彦・岡麓・土屋文明・与謝野寛他) 一人の見た過現未 去七尺状 他


第廿六卷 歌論歌話篇 2
*537頁 / 発行 昭和51年
*目録文
「海やまのあひだ」「春のことぶれ」の二家集を自註した「自歌自註」と、好個の短歌入門「短歌啓蒙」を収録。迢空短歌の秘密を平易に説き明かす。


第廿七卷 評論篇 1
*523頁 / 発行 昭和51年
*目録文
文学の於ける虚構 好悪の論 批評家の批評 逍遥から見た鴎外 山越しの阿彌陀像の画因 歌の円寂する時 滅亡論以後 女流の歌を閉塞したもの 他


第廿八卷 評論篇 2
*590頁 / 発行 昭和51年
*目録文
零時日記 海道の砂 恋の消息 花幾年 留守ごと 茶栗柿譜 三矢先生の学風 虚子さんよ 紙魚のすみか 一つの連環咄 英訳俳句草稿 連句 他


第廿九卷 雜纂篇 1
*600頁 / 発行 昭和51年
*目録文
万葉集講義 家持奏寿の歌 正月と歌と 真間・芦屋の昔がたり うす雪物語解説 飛鳥をおもふ 古事記の空古事記の山 新撰山陵志 言語情調論 他


第丗卷 雜纂篇 2
*547頁 / 発行 昭和51年
*目録文
都賀野の牝鹿 八栗の秋 雪の一夜 東京案内記 序跋 書評 口訳祝詞 古代の顕現 人間としての光源氏 水中の与太者 『短歌文学全集』自註 他


第丗一卷 日記・書簡  附年譜
*583頁 / 発行 昭和51年
*目録文
祝詞及び校歌(三矢重松先生祭文他) 日記及び書簡(大正四年日記、書簡二九一通) 自撰年譜 年譜 著述総目録 講義目録 双目次 日本文学系図


別卷 全集總索引
*565頁 / 発行 昭和51年
*目録文
事項・人名・地名・作品名・書名・特殊用語・派生語など、本全集中の重要語彙を精細に分類集成する、折口学のより深い理解と研究のための必備の一巻。