絶版文庫書誌集成

中公文庫 【れ】


レナ・K・ゲリッセン / ヘザー・D・マカダム / 古屋 美登里訳 (ふるやみどり)
「レナの約束」
(れなのやくそく)


*カバー写真 左から、妹のダンカ、親友のディナ、
(熊)、レナ、故郷のクリニツァにて
(提供:レナ・K・ゲリッセン)
 カバーデザイン・中央公論新社デザイン室
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*461頁 / 発行 2011年

*カバー文
アウシュヴィッツに送られたユダヤ系ポーランド人のレナと妹のダンカ。死と隣り合わせの過酷な状況にありながらも、レナは妹を守り、生き延びると誓う。わずか二十歳の女性を支えたのは、希望、理性、そして愛する者との絆だった。時代、国籍を越えて人間存在の尊さを謳う奇蹟の体験記。

*目次
プロローグ
序章 出会い
第1章 幸福な日々
第2章 愛しい人たち
第3章 自由はどこに
第4章 約束
第5章 生と死のあいだで
第6章 友情、そして恋
第7章 「西へ行きなさい、レナ」
エピローグ
参考文献
謝辞
訳者あとがき
文庫版訳者あとがき
文庫版解説 ── アウシュビッツ極限状況から彼女はなぜ生還できたのか 岸本葉子



中公文庫 【ろ】


ロナルド ヒングリー著・川端 香男里訳 (かわばたかおり)
「19世紀ロシアの作家と社会」
(じゅうきゅうせいきろしたのさっかとしゃかい)


*カバー絵は、A・P・ブリュローフの「書店の移転祝賀晩餐会にて」(一八三二年)。左から四人目のプーシキンをはじめ、クルイローフ、ブルガーリンの姿もみえる。
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*340頁 / 発行 1984年

*カバー文
 本書は、ロシア文学の社会的背景についての知識を供給する……。作家の生活から始まって、地理・民族・経済・政治、社会の身分・階級、反体制運動などを要領よく説明しており、文学作品の引用を通して、ロシア作家とその作品・時代の雰囲気の理解に必要と思われる知識を多方面にわたって与えてくれる。……巨視的な文学的事実の整理から出発し、政治史と文学史との結びつきを説明する仕方も明快で、すっきりしている。 (訳者「あとがき」より)
現代イギリスにおけるロシア文学研究の第一人者による労作。

*目次
第二版への序
T 作家の立場
 1 一八二五年から一九〇四年までのロシア文学 / 2 作家の生活と使命
U ロシア帝国
 3 地理 / 4 交通手段 / 5 民族 / 6 経済 / 7 皇帝たち
V 社会的背景
 8 「階級」 / 9 農民 / 10 領主と貴族 / 11 宗教 / 12 都市
W 法と無秩序
 13 官吏 / 14 罪と罰 / 15 軍隊 / 16 教育 / 17 雑誌と検閲 / 18 反体制
 訳者あとがき / 参考文献 / 索引