絶版文庫書誌集成

中公文庫 【ほ】


保阪 正康 (ほさかまさやす)
「戦後の肖像 その栄光と挫折」 (せんごのしょうぞう)


*カバーデザイン・長谷川徹
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*354頁 / 発行 2005年

*カバー文
秩父宮、高松宮、赤尾敏、安岡正篤、伊藤律、坂口弘、田中角栄、藤山愛一郎、武見太郎など、もし、この人物がいなかったら戦後の日本の政治・経済・社会状況は別の局面を迎えていたかもしれないようなキーパーソン十五人を取り上げ、彼らの足跡を検証することにより、戦後日本の栄光と挫折に迫る意欲作。

*目次
 はじめに
第二皇子としての悲劇 … 秩父宮雍仁親王
歴史的信念のある弟宮 … 高松宮宣仁親王
終生のロマンチスト … 赤尾敏
歴代首相の指南役 … 安岡正篤
平仄の合わぬ人生 … 頭山満
死を望まれた革命家 … 伊藤律
軍国主義教育の十字架 … 槇枝元文
悲しきテロリスト … 坂口弘
唯物論者としての宰相 … 田中角栄
節操なき実力政治家 … 金丸信
平成の近衛文麿? … 細川護煕
金権政治の犠牲者 … 藤山愛一郎
医師性善説に賭けて … 武見太郎
百歳の奔放な生きざま … 物集高量
裏切りの軍人という烙印 … 田中隆吉
 文庫版あとがき


細川 護貞 (ほしかわもりさだ)
「細川日記」上下巻 (ほそかわにっき)


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*上巻289頁・下巻248頁 / 発行 1979年
*上巻カバー画像・八月九日朝 高松宮殿下より頂きたるソ聯参戦に関する文書(細川家蔵)
*下巻カバー画像・細川日記原本「默語録」の八月十五日の項

*カバー文
上巻
昭和十八年十一月、近衛文磨の意向を受けた著者は、天皇に国情の実際をしらせるべく、弟宮たる高松宮に各種情報を報告する任務についた。重臣間の確執、クーデター計画、小磯内閣成立へと、生々しい迫力をもって伝える詳細な日記。上巻は昭和十九年七月まで。

下巻
戦争終結につき苦慮する指導者たちの姿、敗戦、東久邇内閣の成立、近衛文磨の自殺 ― 昭和二十一年十月十七日まで綴られた日記は、ゆれにゆれる日本の中枢の動きを余すところなく記録する。 主要人名註・人名索引つき


細川 護貞 聞き手・光岡 明 / 内田 健三 (ほそかわもりさだ)
「細川護貞座談文と美と政治と」 (ほそかわもりさだざだん)


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*242頁
*発行 1990年

*カバー文
室町以来連綿と続く細川家の歴史を背景に、君山・狩野直喜に教えをうけた文の世界、また父・護立に誘われた美の世界、そして岳父・近衛文麿に導かれた政治の世界 ―― 等々について、虚心坦懐、縦横に語る。細川家十七代当主にして“最後の文人”と称される細川護貞の心髄を示す。


細川 護貞 (ほそかわもりさだ)
「細川幽斎」 (ほそかわゆうさい)


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*375頁 / 発行 1994年
*カバー・細川幽斎筆「和歌扇面」(永青文庫蔵) ぬれてほす山路の菊の露のまに いつか千とせを我はへにけむ

*カバー文
室町末期、将軍の側近に侍して活躍、つづいて織田信長,豊臣秀吉に従い、数多くの戦功をたてた細川幽斎は、和歌、連歌の道を極め、あらゆる学術芸能に通暁した当時屈指の文化人でもあった。その波瀾に富む生涯を、細川家十七代当主である著者が、家伝の史料を用いて克明にたどる。

*目次
出生 / 将軍足利義昭と共に / 将軍との不和 / 幽斎と信長 / 丹波、丹後攻め / 本能寺の変 / 秀吉天下をとる / 和歌の日々 / 田辺篭城 / 幽斎の死 / 幽斎の歌集 / 付 九州道の記 東国陣道記 細川家系図 年譜 / あとがき


堀尾 真紀子 (ほりおまきこ)
「フリーダ・カーロ ― 引き裂かれた自画像」


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*263頁 / 発行 1999年
*カバーデザイン・渡辺和雄
 カバー画『イバラとハチ鳥の首飾りをつけた自画像』(一九四〇年)
 Reproduccion autorizada por el Instituto Nacional de Bellas Artes y Litertura.

*カバー文
悲劇はバス事故に始まった ―― 苛酷な身体的障害との闘いの果てに生まれた衝撃的な自画像の数々、リベラ、トロツキー、イサム・ノグチら時の文化人達を魅了し続けた華麗な遍歴。革命に揺れるメキシコに逝った伝説の画家の、悲壮にして艶やかな生涯と苦悩の芸術の秘密に迫る、日本人の手による初めての評伝。横尾忠則×堀尾真紀子特別対談収録。

*目次
T 旅立ち
U 最初の自画像
V 出会い
W 結婚
X 市場(メルカード)のイサム・ノグチ
Y トロツキーの恋文
Z 奉納絵(レタブロ)
[ パリのシュルレアリズム
\ 離婚、そして再婚
] 弟子たち
]T ひび割れた背骨
]U ビバ・ラ・ビダ(人生万歳)!
 あとがき
 主要参考文献
巻末対談 横尾忠則×堀尾真紀子


本田 一郎 (ほんだいちろう)
「仕立屋銀次」 (したてやぎんじ)


*カバー画 三岸好太郎
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184頁 / 発行 1994年

*カバー文
日本のスリ史にその名を残す大親分仕立屋銀次こと富田銀蔵は、明治四十二年六月二十三日、ついに捕縛され、全盛を誇るスリ団大検挙の発端となった。常に数百人の子分を擁し官憲も手をつかねる犯罪集団の実態を、警察の資料と出所後の銀次親分の記憶を辿ってつぶさに記す。

目次
仕立屋銀次
 銀次一味御用弁
 全盛時代と親分
 その頃の親分
 掏摸活躍の跡
 掏摸道の内幕
 銀次の盛衰
 銀次と僕
 隠語いろいろ
  解説 佐藤健